【怪談手帖】ももんがあ【禍話】
禍話へと提供させていただいている僕の怪談においては、「人の形をしているだけの人でない何か」という要素がしばしば現れる。
恐らくそれは、採話者である僕の無意識な恐怖傾向なのだろう。
しかしながら仕事で知り合った歳下の知人、Aくんに体験談を聞かせてもらう席でその話をしていた時、彼が思い詰めたような顔で「そういうものの実在を是非信じたい」などと言い出した時には、流石に面食らってしまった。
僕の反応を見て釈明の如く彼の言う事には「興味本位でもそういうものが怖くないと言いたいわけでも