【怪談手帖】せんせい【禍話】
知り合いのAくんは僕と同じ全く霊感のない人で、そんな彼から聞いた話である。
つい先日、海岸方面から来るバスを待つ停留所で一人のお婆さんと出会った。
坂下からえっちらおっちらと上がってくると、バスの到着時間について聞いてきたのだという。
時刻表アプリを参照して説明したところ、お婆さんは話し相手に飢えていたらしく、そのまま一方的に喋りかけてきた。
「そういう時はスムーズに聞き役に回れるタイプなんですよ、俺」とAくん。
少し前に夫を亡くし娘も独立してしまったと聞いて、淋しいんだ