ポアロか、ポワロか、微妙に迷う

『ナイル殺人事件』を観たあと、ポアロシリーズはどの辺まで読んだんだっけ、と思って作品リストを見ていた。

一作目の『スタイルズ荘の怪事件』から『邪悪の家』くらいはなんとなく読んだ記憶があるけれど、ストーリーはほぼ覚えていない。読んだの中学生くらいだものな。
あとは有名どころの『オリエント急行殺人事件』『アクロイド殺し』『ABC殺人事件』くらいだろうか。

いちばんミステリ熱の高まっていた中学生の頃、第一作目から読んでいこうと思い立って読み始めたものの、あれだけ巻数があると順番にというのはなかなか難しくて、早々に断念してしまった。
だから、そんなに熱心なファンにはなれなかったけれど、エルキュール・ポアロの探偵としてのキャラクターは好き。

たとえば、秩序を愛し、自身の灰色の脳細胞に絶対の自信を持っていて、それを公言してはばからないところ。そして、人の内面を鋭く捉えていく推理のスタイル。紳士然とした佇まいだが、あの小太りな体型と口髭、小男という容姿によってちょっとおかしみがあるところも。

名探偵というのはちょっとヘンなくらいがいい 。
まあ、たいていそうかもしれないが。
凡百の人間には察せないものを見透す頭脳を持っているということは、本来見えないはずのものが見えるということ。それゆえに偏屈さここに極まれり、ということにもなるだろう。でも、自分だけの美学を持ち、それを頼りに我が道を行く、そこが魅力でもある。


ハヤカワの表記にならってポアロと言っているけれど、発音的にはどちらが近いんだろう。気になる。




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