狭いクローゼットにさみしい女が二人

前日から一日中雨だということがわかっていたので、寝られるとこまで寝るぞと意気込んで眠りにつく。新しい司会者になった長寿番組、それが終わる頃におなかが空いてようやくベッドから出る。

茹でたブロッコリーがあるからパスタを作ってほしいと、まだベッドに横たわるひとに伝えたら、あそこに買い置きのパスタソースがあるのでそれを使ってください、と言われた。少しのオリーブオイルと一緒に小さいフライパンにあけて、温まったらブロッコリーを加える。オイルのソースの方が合うんじゃない?と言われたけど、返事だけしてトマトソースを温めた。

ソース、買っといてくれてありがとう。と伝え、Netflixを開く。わりとはじめの方に出てきた映画版SATCを観る。暗い雨の日に観るには丁度いい。横で見ていた人は、名台詞的なところで大きめにリアクションをしていておもしろかった。

わたしが40歳になるとき、あの四人みたく何者かになれているのかしら、と不安になる。あと15年。どうしても目の前のことだけで精一杯になってしまう。まず目の前のこともまともにこなせていない。

これから先、どうなるのかしらと、輪郭のはっきりしない不安はあるものの、テンポよく泣いたり笑ったりしている映画の中の人たちに、今日のところは元気をもらえたので良しとする。ぽんぽんと続けて2本観てしまったので日曜日の終わりを告げるちびまる子ちゃんが始まってしまった。この元気を家の中だけで終わらせてたまるかと、雨の中外に出た。初めていくチャイニーズレストランは当たりだった。当たりというか、これから何度も通うことが確定した。

この街は好きになる要素が多くて困る。部屋は相変わらず片付かないけど、越してきてから、出会いも運気もどんどんいい方向に向かっていっている。

それはなんというか、世田谷マジックだね。と誰かが言った。


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