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ホムンクルス異世界竜統記録 9章の登場人物+α (2)

< 延命治療編 9-15~9-26 >

安息の森海スリーピング・フォレスト …… ホムンクルスを作成する際の大きな水槽。「揺り籠」とも呼称される。ホムンクルスたちがよく夢を見ることから命名された。
淵源水えんげんすい …… 火、水、風、土の4大魔素を混ぜ合わせてつくった高位魔素マナのこと。各国では「竜源聖水」や「原初の水」などという呼び名がある。ホムンクルスを製造する際には安息の森海と呼ばれる槽に淵源水を満たす必要がある。ダイチの延命治療に使う淵源水には、古竜ジャバウォックの血と爪、ヒゲ、翡翠の逆鱗が提供されている。
■始原魔法 …… 各属性の初級魔法に隠されている古の魔法。大昔の魔導士たちは、始原魔法が内包している高位魔素からでしか魔法を作り出せなかった。高位魔素は精霊と密接な繋がりがあり、失われ過ぎると大地に災厄が訪れると信じられたため、魔法の中に隠されることとなった。
■リズーン・フルク・ト …… 青竜の尾にある研究施設兼ルオの住処。
■ルガーノ海 …… 港町コルヴァンの東に広がる海域。海域の魔物はすべて青竜の支配下にあるが、魔物であるため必ずしも統制が取れているわけではない。国家的に重要な海上貿易や運航に関しては青竜が自らサポートしている。
■青竜の尾 …… ルオの住処兼研究施設リズーン・フルク・トのある無人島。
■至純豊水 …… 聖浄属性の魔力と神聖属性の魔力を混ぜ合わせた霊水。「淀み」、すなわち病気の元となる一切のものを殺菌して取り除き、血流、細胞の活動、肉体と魂魄の不和など、あらゆる生命活動を正常化させる作用がある。また、「不浄」すなわち取り込んでしまった瘴気や呪術による魂魄の穢れも浄化することができる。ダイチは簡潔に前者を身体疾患とし、後者は精神疾患と解釈した。
聖馬族ユニコーン …… 1本角の生えた馬に近い種。一般社会には非常に希少な存在であり、素材は高級品とされる。また、人化が得意な種族でもある。フルの眷属として召し抱えられるに辺り、人化は完璧になった。
・エヨニ、タマラ …… ダイチと話をした聖馬族の2人。ダイチと接するに辺り、人化している。エヨニが艶やかな黒髪に高い声、タマラがやや低い声で茶髪。タマラは90歳ほどになるが、エヨニはまだ25歳ほどでインやダイチとの対話にはいくらか緊張していた。ダイチが胸の大きな女が好みだとインがリークしたため、2人の胸の大きさは意図的に大きくしてある。
■象牙の森・白木の冑 …… 白竜の守護するアマリアにある森。獣人や動物たちの楽園とされ、穏やかに日々を過ごしている一方で、密猟者などの森の平和を乱す者は<白木の冑>たちにより排除される。子供や心根の純粋な者が森に迷い込むことがあるが、動物たちと戯れる楽しい夢から目を覚ますと、森の入り口に戻っていることに気付く。
※聖獣ホラン・メル …… アマリアの首都アルバグロリアのミンスキー城内の霊廟で守護をしている白蛇の聖獣。生態については6章の幕間「鴉の仕事」参照。
※魔女ムラトスカヴェツ …… 白竜の眷属の1人。半人半霊。人族であった頃に自身の持つ《魔力喰らい》の能力により偶然フルの魔力を喰らい、生き延びて人族でなくなった末、眷属となった。
※白狐 …… フルの直系眷属の1人。呼び名のみの登場。トルスク神殿の監視の任に就いている。
・ボル・クルゼLV23 …… 893歳。青竜直系眷属の亀竜族コリエシア。亀の顔と竜の体を併せ持つ亜人で、魔導学の研究者。先祖は甲羅を持っていた甲竜族アーケロニクスだが、七竜の眷属として迎え入れられた時に甲羅は退化し、防御力はそのままに竜に近くなった。800年以上生きている。9章では治療にあたり、ダイチの主治医の1人として接した。茶目っ気のある性格はフルからはそれほど評されていないが、ダイチの緊張をほぐすことには成功した。
・タローマティ(・ロ)・シュレLV67 …… 135歳。白竜直系眷属の1人。東欧系の顔立ち。魔族の血が流れる竜人族。フルから血を与えられることで竜人族になり、眷属になった。魔導学の研究者であるほか、空間魔法の手練れでもあり、七竜界隈ではゾフ同様なにかと重宝されてきた。ボル・クルゼとはよく仕事を共にする。
※バーバルLV20 …… かつてダイチにクリームパスタを振舞われた魔力あげます屋の女性。師はウルバン・テールマン。
※ウルバン・テールマン …… バーバルに空間魔法の扱い方を教えた恩師。タローマティにより、大陸屈指の空間魔法使いであり、空間魔導士の集う組織<闇に殉ずる者>の幹部であることも割れた。
■闇に殉ずる者 …… かつて空間魔法の界隈で多大な功績を残しつつも突如として解散した<虚ろなる者>の後継組織の1つ。
黒角の呼び声コール・オブ・ブラックホーン …… <虚ろなる者>の後継組織の幹部たちが集まる会合。主に研究の成果を発表する会合だが、黒竜のお告げを聞ける唯一の場でもある。
※古竜ジャバウォック …… <疾風モモンガの森>の奥地に住まう古竜。古竜にしては変わり者で、獰猛ではあるが、知性は高い。ある日に賊に追われて逃げてきた仕立て屋があり、命を取らない代わりに自分の体に合うアピスの革の服を作らせた逸話がある。ダイチの延命治療の際には、血と爪、ヒゲ、翡翠の逆鱗を提供した。
・マケ・ムリーリョLV70 …… 280歳。青白い皮膚に金髪黒目、鼻のつぶれた顔立ち。竜人族で、竜と魚人族(鮫)の混血種である竜魚人アプカルダゴン。海底古代都市ミノーリの宰相だった者の血筋で、バルレッタ海を治めている海域王。海の戦士としても優れるが、水魔法の達人でもあり、とくに防御の術に長ける。ダイチの試し撃ちの相手をし、全力の《火弾ファイアーボール》を見事はじき返した。
・オルガ・フォルトゥナLV62 …… 143歳。蛇竜族ニーズヘッグ。白い肌で白髪金目。白竜傍系眷属の1人で実力派。名前は告げられず、絡みもなかったが、ダイチの延命治療の際にはなぜか衣類を脱ぎ、鍛え抜かれたアスリート以上の肉体を披露していた。
■古き鍵の精霊王 …… ボルが触れたワードだが、現在は眠りについていること以外に詳細は語られることはなかった。
■海底都市ミノーリ …… 千年前に滅亡した海底都市。ミノーリの建築様式は青竜の尾の研究施設で見ることができる。都市が建築される25年の間、魚人族たちは魔物の襲撃に備えるため周囲の警戒にあたっていたことがルオにより語られた。
・ボニート・ミッシモー …… ダイチが金櫛荘で少し話をしたフォリボラ(ナマケモノの獣人)。獣人真体ブルートで獣の顔。おかっぱ髪。言葉に訛りがあり、博多弁化している。名前は出ていない。
・タミルLV8 …… 27歳。ケプラ東門の厩舎番。ヤギの獣人。白髪。顔は人族だがヤギの角と耳があり、手の甲などの体表に少し白い毛がある。西門の厩舎番トミンとは従妹。女子っぽい可愛い顔立ち。
※トミンLV10 …… 29歳。ケプラ西門の厩舎番。ヤギの獣人。
・マクワイアLV12 …… 29歳。東門厩舎の騎手の1人。茶髪、茶目。馬顔でちょっと老け顔。愛称マーク。17年騎手をやっているベテラン。アランプト丘にダイチを送ったことがあり、見知った仲になった。
・オリヴェールLV11 …… 41歳。東門厩舎の騎手の1人。ダイチが魔導士であり、「捜索願いの出されていた貴族の兄妹」であることが分かると態度を一転させた。

< ヘッセー来訪編 9-27~9-29 >

・ランハルト・マッシュLV30 …… 31歳。戦斧名士の隊員。粗暴な印象のある隊員。家は男爵家であり、ヘッセー城内の衛兵長。意外と二重で睫毛が長い。だみ声。旅立ち前にヘッセーに訪れたダイチたちと合流し、街巡りや馬乗りをして交友を深めた。
・マルフト・ムフタールLV33 …… 35歳。戦斧名士の1人。鼻が長く、面長の男性。黒髪、青目。礼儀正しい。普段は盾と片手斧を扱うが、対人ではしばしばポールアックス(斧刃・ハンマー・穂先のついた多用途の槍)に持ち替えて活躍する。9章ではヘッセーに訪れたダイチたちと親睦を深めた。
・ダゴバートLV24 …… 23歳。黒髪、濃褐色目。少し長い髪を後ろで三つ編みにしている。やや皮肉屋だが、基本的には頼れる兄貴分。戦斧名士所属のフィッタ警備兵の一人だったが、フィッタが壊滅した後は嫁のグンドゥラと妹のアルルナとともにヘッセー住まいに。9章ではヘッセーに訪れたダイチたちと親睦を深めた。
■フラリス市 …… 亜人排斥のひどかった都市。現在はベンバー男爵が市長代理に就いている。
■クロース廃墟(クロース村跡地) …… ラークベリー大草原より東のバーデュゴ子爵領にある廃村。かつては犯罪者たちに医療の解剖実験や魔法の実験を行っていた村だが、賊に襲撃を受けた後、現在はアンデッドの魔物が跋扈するエリアとなっている。再出現する期間が他の再出現エリアよりも短く、またアンデッド系なため対処に手間取ることから、封印という措置を取っている。クロース廃墟内の魔物において最も危険視されていた死の手のトロンボーンがなぜかラークベリー大草原に現れたが、ダイチたちにより討伐された。
・シルキー・ナジ …… 48歳。ヘッセー城の家令の1人。ヘリバルトが城を開けている時には、彼が代わりに家令を務める。死の手のトロンボーンが出現した話をダイチたちから聞き、今後の対策に奔放することになった。
・ヨハネスLV28 …… 51歳。ヘッセー城の守備隊長。死の手のトロンボーンの出現に際してはアマリアの仕業だろうとして激昂した。ホセが苦手で、よく丸め込まれているが、実力は認めていて戦いの時には優れた連携プレイを見せる。
・エーレン・モールドLV29 …… 54歳。ヘッセー兵の訓練教官。クヴァルツの養父。息子は2人いるが、どちらとも剣の才も熱意もそこまでではなくエーレンはひどく残念がった。そのため武芸の才能あふれるクヴァルツのことは養子ではあるが気にかけている。
・ホセLV34 …… 55歳。戦斧名士の古株隊員の1人。ハンツやヘルバルトが出ている時には城内によく駐在し、ヨハネスやエーレンとともに頼られる一人。怒りっぽいヨハネスをよく諫めている。
・グンドゥラ …… 28歳。ダゴバートの妻。内向的な性格。フィッタ襲撃後はヘッセーで暮らすことに。8章でインから魔法の手ほどきを受けたあとは魔法の勉強を始めた。
・アルルナ …… 15歳。ダゴバートの妹。フィッタの襲撃を受けてグンドゥラが魔法の勉強を始めたこともあり、アルルナもまた自分に何が出来るのか模索し始めた。

< 旅立ちの準備&懇親会編 9-30~9-37 >

■蒼杯の縁者 …… ジュージア島の統治者の呼び名。
・グレン …… 57歳。シルヴェステルつきの従者で、シルヴェステルの不在時にはグライドウェル傭兵派遣所ケプラ支部の屋敷の管理も任されている。子供の頃にズググ村で養育されていた時期があり、その頃の品々を大切に保管していた。養母はペイジジ。ペイジジが青竜の眷属になったこともあり、会うのは諦めていたが、インから手紙を渡せることを聞くと心から喜んだ。
※ペイジジ …… 竜人族で、ルオの眷属の1人。かつてダイチに着付けをしたが、グレンの養母であったことが判明した。
・シルヴェステル・グライドウェルLV29 …… 27歳。茶髪灰色目。グライドウェル家の息子。愛称ステル。タチアナとは腹違いの兄妹。タチアナの武芸の高い才や混血児であるのが気にかかり、きつく当たっていた時期もあったが、父ダレイオスから叱られたこともあり、現在は解消されている。
・タチアナ・グライドウェルLV28 …… 18歳。金髪暗褐色目。傭兵派遣を生業とするグライドウェル家の娘の1人。幼い頃から傭兵たちに囲まれて育ったため男勝りで声もでかく、少しおバカ。剣の腕はピカイチで、まだ子供ながら騎士団員のアレクサンドラやアリーズに勝るとも劣らない。剣術系スキルの他、空間魔法に長けた人族の母親を持ち、祖父が魔族と人族のハーフであったことにより、空間系と暗黒系のスキルを扱える。LV45まで相手のレベルが分かる《優位鑑定》持ち。
※ダレイオス・ヴァン・グライドウェルLV35 …… 60歳。傭兵派遣を生業とするグライドウェル家の当主。剛健かつ年齢相応のしなやかな知性も併せ持った印象も受ける男性。子供は11人いて、各地に派遣している。
・ゲリーミンLV34 …… 42歳。タチアナ・グライドヴェルの従者。スキンヘッドの男性。指導に定評があり、グライドヴェル家でもいくつもの傭兵を育て上げてきたが、弟のゲーザの指導だけは成功しなかった。ブレッフェンの自警団の1つである元<紅い猟犬>の兵士。
・シェフェーLV51 …… 57歳。外見年齢34歳。大型猫科の獣人。獣人真体。ダイチ曰くシブメン。グライドウェルの傭兵の中でも指折りの実力を持つ最上位傭兵トップティア―の1人。元々シャナクの隊長クラスの兵士で、ドラクルガード候補生の推薦もあったが、貴族を害してしまった末、階級は剥奪され推薦の話もなくなった。以降は傭兵稼業に転身し、各地を歩き回る生活の中、グライドウェル傭兵の一員になった。9章ではケプラを発つダイチたちの同行人の1人として招集された。
■ドラクルガード …… フーリアハット内で選出される亜人限定の七竜教の守護戦士。
・ワイアードLV43 …… 68歳。グライドウェル傭兵のドワーフ。エルフとの混血だがドワーフの血が濃く、背は低い。手先が器用であり、武具や道具の修理はお手の物。両手斧使いだが、エルフの血が由来しているためか、射手としての能力も高いという珍しいドワーフ。グライドウェルの最上位傭兵の1人であり、9章ではケプラを発つダイチたちの同行人の1人として招集された。
・スタンリー・フワーリズミーLV52 …… 32歳。黒髪青目。グライドウェルに所属している魔導士で、最上位傭兵の1人。魔法学院を卒業したあと、同僚たちが研究所や魔導兵として道を歩んでいく中、スタンリーは同僚たちの視野の狭さや偏見の強さ、また、自身の無知さを不安に思い、ハメルンのように世界を歩き回って見聞を広め、真実を探求する道を選んだ。かなりの数の魔法を扱え、とくに風魔法は達人級。9章ではケプラを発つダイチたちの同行人の1人として招集された。
■グライドウェル傭兵団 …… グライドウェル家当主ダレイオス・グライドウェルが取りまとめる傭兵団。所属はオルフェだが各国各地に支部がある。普段は傭兵として各地に散っているため、集まることはほとんどないが、トップ層は各国の精鋭部隊の副官たちとも渡り合える手練れとして知られる。実力主義で、種を問わないのはもちろんよほどの極悪人や重罪人でない限り受け入れていることが、団を精強にした要因となっている。
■預言竜オブリビシ …… ミージュリアの暗部“短剣”の設立を助言したとされる竜。詳細は不明。
※エリゼオLV37 …… 30歳。<ランク3鋼>の攻略者。意外と純朴そうな顔で、ダイチ曰く淡泊系ハンサム。大剣使いであり、フリクトベローなどの魔法道具マジックアイテムも所持しているやり手。故郷はドワーフ国ガシエント。パーティを組まない孤高の者で、ぶっきらぼうだが、ドワーフと話す時やガシエントにいる時は表情を和らげる。ダイチとは縁ができた1人だが、5年前のマントイフェル辺境伯領での戦いで元近衛勇将パラディンの副官であった友人を決闘で倒した逸話が有名であることが語られた。
※ラングハイン・アルムスターLV46 …… 32歳没。元近衛勇将の副官。ダヴォス家の娘と結婚後、マントイフェル辺境伯旗下のダヴォス家に仕えることにより除隊。ダヴォスの反乱戦の際、対峙した友人のエリゼオにより討ち死にした。
※ダヴォス男爵 …… マントイフェル辺境伯に仕えていた貴族。辺境伯に嫁を寝取られた後、「ピアシング・ザ・クローク」を組織して謀反を起こし、敗北。処刑された。
■アルメス語 …… オルフェの公用語。公用語ではあるが、ダイチは言語翻訳のスキルによりほとんど関わりを持たなかった。
・ジョーラ・ガンメルタLV70 …… 20代の見た目だが、実年齢は45歳のダークエルフ。<七星の大剣>は槍闘士の隊長。櫛の通らないほどごわごわした赤い長髪に紫目、褐色肌。スタイルがよく胸が大きい。きっぷのいい姉御肌だが、戦闘狂な面もある。ダイチがケプラを出ることを聞いて悲しんだが、酔いにつけこんだとはいえ思い出が出来たことにより恋の心痛はかなり和らいだ。ただ、セフレがいたとはいえ、恋愛は得意ではないダイチにとっては二股と眷属化という大きな2つの悩みを抱えることになる。
・ハリィLV50 …… 槍闘士の副官剣士。白みがかった金髪・緑眼。ダイチ曰くジャニ系顔で、生真面目な性格。魔法も得意で、聖神官ハイプリーストの隊長ボルンウッドや魔導賢人の隊長ルドンから直々に勧誘を受けたほど。努力家でもあり、ダイチから教わった魔力装を地道に練習している。9章では懇親会を開いていた満腹処にやってきたダイチたちと飲み交わした。
・ディディLV37 …… 30歳。槍闘士所属の長剣使い。身軽で、スキル《気配察知》により探知に長ける。槍闘士隊の中では我先にと猜疑心を露わにしてダイチに手合わせを打診した人物だが、ジョーラを救って以来は打ち解けた。一方で、ジョーラをダイチにけしかけるなどプライベートでは色々とやらかしていそうなお調子者の一面も判明している。9章では満腹処にやってきたダイチたちと飲み交わし、ジョーラの恋の仲人役を引き続き買って出てはその成果を出した。
・アルマシーLV35 …… 32歳。槍闘士所属のランス使い。大柄で小太りの男。食に目がなく、インとはよく食材や料理の話で会話に花を咲かせる。槍闘士隊の中ではムードメーカー的な存在であり、ダイチにとっても気を許せる存在。満腹処での懇親会でも場を盛り上げる役としては大いに貢献していた。
・ハムラ・ヨルツドLV26 …… 31歳。槍闘士所属の後方魔導士。こげ茶色の髪。かつてジョーラを救うため、植物に詳しい逸材であったことでダイチたちと夜露草探しを手伝った。9章ではジョーラとダイチの閨の後、彼が実はミーゼンハイラム伯爵の甥であることが明かされた。ハムラが騎士団ないし伯爵に自分たちの同行をリークしていたのではないかとダイチは勘ぐったが、絶妙にはぐらかされてしまい、この疑惑が解けることはなかった。
・ヒーファ・ウミアリタLV58 …… 見た目は20代ほどだが、38歳のダークエルフ。茶髪・紫目・褐色肌。もみ上げを三つ編みにして、後ろは軽く結んでいる好青年風の男性。槍闘士に所属する隊員で、トルアルエの里出身。ダークエルフである上、実力も副官のハリィを抜いて槍闘士隊の中で一番あり、次代の隊長と目されている。ダイチ一行はメイホーにいた頃から彼の話はジョーラたちから聞いていたが、9章ではついに顔合わせをした。
・ミゲルLV12 …… 46歳。西門に常駐しているベテランの門兵の一人。ダイチ曰くミュイ風兵士。読み書きができ、計算もできることから、門番兵間では経理を担当。戦闘方面は元々苦手で、若い頃は見張り塔に登ってばかりいた。経理の仕事がすっかり定着すると、役人的な仕事も増え、戦闘方面は体がなまらないよう基礎訓練をたまにするくらいになった。それほど絡みがあったわけではないが、ダイチが初めて出会ったケプラの兵士でもある。
・マルトンLV25 …… 43歳。西門に常駐しているベテランの門兵の一人。西門間ではリーダー的存在。かつてアピス討伐隊に参戦したことがあり、満腹処での懇親会ではその時の激闘と自身の負傷についてを語った。
■アピスLV45 …… 牛の体に三本のワニの尻尾がついた魔獣。顔も牛だが、角は一角。背中には羽根がたたまれてあり、飛翔することもできる。素材に優れ、七星・七影の隊長になった暁にはミスリルの鎧とともに革鎧が贈られる。討伐報酬は高い一方で、討伐の難易度は高く、都市兵に依頼が出た場合は毎回必ず死者が出る。
※レストロハ・ベイゼン(偽名クリューガー?)当時LV60(LV52) …… 魔導賢人の隊長ルドン・ハイルナートの親戚。元魔導賢人の魔導士で、「戦略のルドン・勇将のレストロハ」と並び称された逸材。魔導士としてのポテンシャルはルドンと同じく高く、巧みな近接戦闘もこなせる。ただルドンとは違ってふらっとどこかにいなくなる癖があり、名前やレベルを偽って討伐隊に参加してはめぼしい人材を連れてくることが度々あった。現在は完全に兵役を引退し、どこかで余生を過ごしていると言われる。ジョーラの推測により、マルトンが参加した討伐戦では彼が参戦していたのではと見られている。
※アンゼルム・レパードット没時LV39 …… 61歳。白髪の老剣士。七星の部隊に推挙されていたほど元凄腕の攻略者。レパードット家は男爵家。セティシアで若者に剣を教えつつ余生を過ごしていたが、セティシア防衛線により死亡した(7章の幕間参照)。魔導賢人のレストロハと親しく、武闘大会のタッグ戦で優勝したほど。マルトンの話したアピス討伐戦に参加していた。
■エレンスゲLV50前後 …… 七つの首がある巨蛇の魔物。日中はほとんど洞窟内で眠り、無闇には襲い掛かってこないという、穏当な魔物。言語は介さないが知性を感じさせる逸話も残っており、オルフェ国内およびアマリアでは神聖視されている面があるため、国で討伐隊が組まれることはほとんどない。生息地にばらつきがあるのがネックではあり、ディディたち槍闘士部隊はかつて遭遇してしまい、苦労して逃げてきた。エレンスゲのこの手の逃亡譚は数多く残っている。

< 緑竜大戦編 9-39~9-44 >

・緑竜(ネロ)LV106 …… 1398歳。七竜もとい八竜の1柱で、フーリアハットおよび周辺諸国を守護する緑色の巨竜。体表のところどころに植物をまとい、あらゆる植物の支配者でもある。風魔法と植物魔法を得意とし、状態異常による搦め手、召喚魔法も得意。唐突にダイチとの手合わせを申し出て召喚した味方との協力戦、状態異常の猛襲、竜巻による行動不能、レベルダウンの大規模魔法を使うなど、ありとあらゆる手練手管によりダイチを追い詰めたが、最終的には敵わず眠りにつくことになった。
森の闘将霊召喚サモン:ジェネラル・ヒーローズ …… 緑竜の固有魔法およびスキル。契約した魂を器(木人形)に憑依させ、召喚する魔法。確認されている憑依系魔法では最高位に属する。迅速な蘇生も可能で、緑竜の魔力や体力がなくならない限りは被召喚者は不死者のように戦うことができる。エルフや亜人の戦士たちは死後、この召喚魔法によって緑竜の元で戦うことを至上の誉れとするため、彼らにとっての死は必ずしも終わりを意味しない。
■深淵を彷徨いし者LV68 …… ネロによって召喚された、全身に立派な金属の防具をまとい、冑で顔を隠した大剣使い。ぼろぼろのマントは親友から贈られたもの。最高峰のレベルのままに、大剣を振り回しているようには思えないほどの機敏かつしなやかな動きが特徴であり、彼を前にして仕留められぬ敵はいないとされる。
生前はエルフの王族。八百長試合を受け入れられずに王室を追放され、各地を放浪した伝説的な孤高の剣士。魔人テトルスリタンの放った空間魔法に囚われ、魔人を討伐した際には骨となった彼の遺体がやがて発見された。いったいどれほどの時間を彷徨っていたのか、何があったのか、知る者はいないが、ネロからレイスと延々と戦った末、やがて死んだことが明かされた。
■ヤニル荒野の追跡者LV63 …… ネロによって召喚された、額に何本も長い角を生やした魔導士のケンタウロス。革の鎧と植物のツタをまとっているのみで武装は控えめだが、追尾系の風属性を中心とした攻撃魔法が絶えず飛んでくる。補助魔法も手練れ。ヤニル荒野で生活するケンタウロスたちの間では誰もが敵わなかった魔物の討伐譚をはじめ、革新的な医者であった父と子の辛い逃亡生活や復讐譚など、様々な逸話が伝わっている。
■黒翼のヴァルキリーLV62 …… ネロによって召喚された、黒い翼を生やし、豪華な鈍い金色の鎧をまとった鳥人族ハーピィの女性射手。矢は魔力による矢を自ら生成可能であり、背中に背負った盾をもってして近接戦闘もしかけることができる。かつてアマリアの精鋭部隊である<黎明の七騎士>は<銀の黎明>に所属していたエルフと鳥人族との混血。黒翼のヴァルキリーというあだ名は、彼女の伝説的な武勇の証明である他、混血による迫害に屈せず、国に忠誠を誓った高潔な魂の行く末を見ることができ、エルフと鳥人族の両方の混血に現在も勇気を与え続けている。
■緑竜の角のテラエントLV58,56,55 …… エント種の中でも最上位に位置するテラエントに緑竜が力を与えた存在。外見や能力に個体差があり、腕力と素早さに多少差がある他、魔導士型も存在する。
■フォレストフェンリルLV56 …… 緑竜の角に生息しているフェンリル種。緑竜の角および周辺地域でのみ地面や木の中に潜ることができる。
■アルヴィル・アルヴィミナ …… 植物で出来た人型の生物。生息地はフーリアハットの森全域。木精霊の一種だが、慎ましく生活している。種族は様々で、主に肌は木の皮、体毛は長細い枝で構成される。ネロが宴を開く際、唐突に彼らを転移させ、召喚した。
■リリアンの宝果 …… フーリアハットにのみ生息している最も甘いとされる希少な果実。三千年以上前から生息している古い植物でもある。
■ザロメンティアの剣 …… フーリアハットの古代の英雄ザロメンティアが持っていた剣。義を重んじていた人物であることは劇によりよく知られ、最後は仲間を信じ抜いた末、裏切った仲間により討たれたとされる。


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