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コミュニティとDAOの未来 vol.3

DAO運用をサポートするスタートアップUnyteです。
「コミュニティとDAOの未来 vol.3」では、vol.1~2で見たコミュニティ活性化に向けた要素やポイントと、私たちの考えるDAOの定義やメリットが、どのように重なるかを考察していきます。

<こんな方に読んでいただけると嬉しいです>
・コミュニティを運営する予定があるが何をやればいいかわからない
・運営しているコミュニティをより活性化したい
・DAOの活用に興味があるが、DAOを運営する方法やメリットがわからない
<3回分読んでいただけるとこうなれます>
・陥りやすいポイントを回避できる
・コミュニティ活性化に必要な要素を把握できる
・具体例の引き出しが増える

第一回、第二回の記事は以下からご覧いただけます!


1. コミュニティ運営の要点まとめ

vol.1~2でみたファンコミュニティ、地域コミュニティ、ボランティア団体、企業内コミュニティにおいて、活性化に必要な要素は以下のものがありました。

  1. ファンコミュニティ

    1. コミュニティの目的や取るべき行動が明確されている

    2. メンバーが主体的にコンテンツを形成する

    3. メンバー間の交流を促す仕組みがある

    4. 投票/クイズなど定期イベントが開催される

  2. 地域コミュニティ

    1. 関係人口を増加させる

    2. 広い年代のニーズを捉えたコンセプトや取り組みを行う

  3. ボランティア団体

    1. 研修などのオンボーディングが充実している

    2. コミュニティの方針をメンバーと共有する

  4. 企業内コミュニティ

    1. コミュニティとして順守すべきルールやマニュアルが共有されている

    2. 時間設定など参加しやすい工夫がなされている

上記のポイントを踏まえ、コミュニティ運営とDAOがどのように関係するのでしょうか?これを考えるにあたり、第一回記事を引用し、DAOの定義を確認します。

2. DAOの分類と定義

Unyteチームとして、DAO(Decentralized Autonomous Organization : 自律分散型組織)は以下の3つに分類できると考えています。

2-1. DAOの分類

・厳密な意味合いのDAO
・広義のDAO
・その他
それぞれの定義の詳細については、以下のVol.1の記事をご覧ください。

2-2. DAOの定義

そして、これら3つの中でDAO =「厳密な意味合いのDAO + 広義のDAO」であると解釈しています。これは、広義のDAOにおけるAutonomous が、必ずしもシステム制御により達成される必要はなく、むしろ各メンバーが誰かからの指示によってではなく、自らすすんでコミュニティに参加・貢献しようとする姿こそ「自律的」であると捉えているからです。

また、今はあくまで広義のDAOとして運用せざるを得ない人力が介在するシステムも、将来AIによる「人力の作業」の代替が進むことで、厳密な意味での「DAO」になることが十分に予測されます。完全にシステムで制御できるものが多くない現在において「完全にAutonomousでなければDAOでない」としてしまうことは、DAOという組織形態の発展そのものにとってマイナスに働きかねないため、一定の揺れも許容して定義をしています。

3. コミュニティ運営とDAOの相性

ここまでみたDAOの在り方と、vol1~2で確認したコミュニティの活性化に必要な要素に重なる部分はあるのでしょうか?DAO化することで、コミュニティがより活発になると考えられるポイントを挙げていきます。

DAOを活用するにあたり、従来のコミュニティではなくDAOの形式で運営することで得られるメリットをまとめてみます。

匿名性

DAOでの活動においては、参加者はウォレットアドレスを自身のIDとして活動をします。ブロックチェーン上の活動もウォレットアドレス単位で記録されることになるため、アドレスと氏名や個人に関する情報を紐付けない限り、運営側を含め誰にも身元が特定されることはありません。
これにより、従来のコミュニティでは反発や今後の関係の悪化などを懸念して伝えることが難しかった忌憚のない意見を参加者同士で交換できるようになることが期待されます。
当noteの第一章で紹介したコミュニティを例にとると、②地域コミュニティ④社内コミュニティ 等は、DAO化で匿名性が担保されることにより、活発な意見交換がなされる状態を実現しやすくなるのではないでしょうか。

分散性

DAOにおいては、「管理者」「参加者」といった従来のコミュニティでのロール分けは原則としてなされないため、参加者自身がコミュニティの運営を分担することになります。
これにより、これまで運営メンバーがコストをかけて行っていた活動を、DAO化によりメンバー間で分散して行うことで、将来的にコミュニティの運営にかかるコストが削減されることが期待できます。
当noteの第一章で紹介したコミュニティを例にとると、①のファンコミュニティにおいては、対象となる商品の告知活動をファンが分担することによって広告宣伝にかかるコストの削減を見込むことができるのではないでしょうか。またシェアハウスなど本来お金がかかるものをユーザー間で少額のお金を出し合うことで共同保有し、DAOで運営する場合においても、物件の管理や維持にかかるコストも参加者で分担することが可能になります。

トークンを介した価値交換

DAOにおいては、日本円や米ドルのような通貨ではなく、「トークン」と呼ばれるブロックチェーン上の媒体をDAOごとに発行し、DAOメンバーの活動に応じて配布することになります。
これにより、これまで円やドルのような通貨では測ることのできなかった貢献(地域コミュニティやボランティア団体での活動、メンバー同士の教え合いなど)にトークンを付与することによって、埋もれてしまっていた活動を掘り起こしてトークン残高とともに記録をすることができるようになります。
また、トークンをDAOごとに独自の特典(地域の名産品との交換権や、ファン活動をしている推しに会える権利など)と引き換える仕組みを取り入れることで、トークンが流通する経済圏(≒仮想の国のようなもの)を作ることができます。
当noteの第一章で紹介したコミュニティを例にとると、①のファンコミュニティをDAO化することで、これまで埋もれていた活動を記録し、特典と交換ができるようなトークンを介した経済圏を確立することができます。

Unyteでも、上記のような多種多様なコミュニティのDAO化の支援経験をもとに、自走できるDAOコミュニティの構築・運用をサポートしています。

最後に、Unyteのビジョン、および我々が目指す世界観についても共有をさせていただきます。

4. Unyteが目指す世界

我々Unyteは、あらゆる人が場所と時間を超えて繋がるためのインフラになることを目指しています。

これまで、人々は出身地や勤務先のような物理的な距離が近い同士でコミュニティを作り、繋がっていました。
その後のインターネットの発展により、地域や国を超えてコミュニケーションを取ることができるようになりました。
一方で、現代社会において多大な影響力を持つコミュニティは、特定の国籍を共有する人の集まり(他国における日本人コミュニティなど)や地理的な出自や所属先を同一とする人々(特定の大学出身者のコミュニティなど)で構成されているものがほとんどです。

これはコミュニティにおいて、素性の分からないインターネット上の相手と、対面で会える同じ出身地の人では「信用できるかどうか」という観点においてまだまだ乖離があることが原因であると我々は考えています。

そこでUnyteは、DAOとブロックチェーンの仕組みを活用し「オンライン上のコミュニティへの所属履歴」「所属したコミュニティでの活動内容と、そこでの他者からの評価」といった自身のアイデンティティを改竄が困難な仕組みで保存することで、素性が分からない状態でもお互いを信頼して活動を進めることができる社会を作ることを目指しています。

上記のような活動を通じ、DAOの概念が広まり一般化することで、一つの企業で顔を見合わせながら活動を続ける、という画一的な働き方ではなく、個人が保有するスキルを活かしながら、1日ごとに自由に活動先や働き方を選択できる社会を実現できると我々は考えています。

上記のような可能性を秘めているDAOは、新時代の人々の繋がり方として期待が高まる一方、DAOのロールモデルは未だ少なく、立ち上げや運営のノウハウも十分ではありません。特に日本ではDAO向けのツールも少なく、コミュニティ構築の段階でも大きなハードルがあるといえます。

このような状況の中、UnyteはDAOの設立および運営のためのロールモデル確立のため、ご一緒させていただいている複数の企業やコミュニティの方々とともに日々試行錯誤を重ねています。DAO運営に必要なツールと、これまでに培ったコミュニティ運営のノウハウをもとに、DAOの社会実装による新たな産業の創造および社会の変革を目指します。

5. 最後に

お読みいただき、ありがとうございました!
DAO構築・運営やSaaSに関して詳細な情報が必要な場合は、以下からお気軽にご連絡いただければと思います!


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