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BRIAN ENO AMBIENT KYOTOに行ってきました。
京都中央信用金庫 旧厚生センターで開催されている(昨日まで)BRIAN ENO AMBIENT KYOTOに行ってきました。
ブライアン・イーノって僕はU2のプロデュース業で知って、その後プログレとかいろいろ聴いていくうちにソロアルバムも聴いていって、「良いけどイヤホンで聴くような音楽じゃないな。」と思いつつ、「なんとなく好き」という気持ちで今日までずるずる聴き続けている、自分の中で好きなのか嫌いなのかはっきりしない、絶妙な距離感の人です。
ソロアルバムは一応だいたい聴いていて、『Another Day on Earth』とか、好きなアルバムもいくつかあるのですが、作られている音楽の性質上、ちゃんとよさがわかるには、キチンと音楽が聴ける専用の鑑賞室みたいなものを家の中に作って、バカ高いスピーカーとか機材を完ぺきな配置でセッティングして、時間に忙殺されることなく、一日中ボーッと音楽聴けるような環境を用意できる、ブルジョワ階級でないと無理と思っています。なので、これまでブライアン・イーノのアルバムを聴いて感想を抱いても、これは多分100%じゃないんだろうな、戸愚呂100%はもっとすごいんだろうなと思って「経済的に理解するのが無理」という思いをずっと抱いていました。
しかしBRIAN ENO AMBIENT KYOTOに行けば、入場料を2000円程度払うだけで、機材を買えない僕でもブライアン・イーノの「全力」を体験することが出来るのではないか。そんな思いで京都に向かいました。
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会場の「京都中央信用金庫 旧厚生センター」はJR京都駅から東本願寺に向かう信号を渡ってすぐ左側にありました。完全にJAとかそういう公共系の施設って感じの建物でした。昔からこの前は何度となく通っているはずですが一切記憶にないです。(昔から展覧会とかやってるみたいです)この建物の右側の大通りを渡ったところにある餃子の王将が京都っぽく改装されていることには一瞬で気づいたのにこの建物については全然記憶が無かったです。
昨日は最終日ということもあってか、音楽好きだか芸術好きだかそんな感じの人がたくさん来ていました。
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本展覧会は
『The Ship』
『Face to Face』
『Light Boxes』
『77 Million Paintings』
の4つの作品からなり、3Fにある『The Ship』から順番に1階へ降りていくという順路になっていました。1個1個感想書いていきます。
『The Ship』
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『The Ship』は真っ暗な空間の中に『The Ship』という曲が流れているという展示でした。会場内は座ってもいいという事なのか、入口に下駄箱があって靴を脱ぐよう指示されました。僕が来た頃にはすでに下駄箱から靴が溢れて床中靴だらけでした。
場内に入ると本当に真っ暗な空間で、しかし人が滅茶苦茶入ってたので正直入った瞬間
「帰ろう。」
と思いました。
そもそもアンビエント・ミュージックってこんな人がたくさんいる環境で聴くものではないはずです。しかも会場内が真っ暗なので立ってると後ろから来た人にガンガン足を踏まれます。多分これは僕が真っ黒のTシャツを着ていてより一層部屋と同化してしまっていたためだと思います。
かといって部屋の奥に向かうのも、自分が誰かの足を踏みそうで嫌だし・・・。そんな頭で音楽を聴いていると内容が全然入ってこなくて、そもそも歌詞が英語だから何歌ってるのか全然わからないし・・なんで自分は2000円も払って京都に来たんだろうというところまで気持ちがリセットされたところで部屋を出ました。真冬に停電したサウナってこんな感じなのかなと思いました。
こんなの部屋の電気真っ暗にしてBluetoothでApple Music聴いたらおんなじだろ、というのは言い過ぎかもしれませんが、のっけから自分のアートに対する教養の無さが嫌になりました。最近物事に感動する感性がすり減っている気がします。こんな風に感性を感動に必要なHPみたいにとらえる自分もいやです。でも人がぎゅうぎゅう詰まった糞狭い部屋でブライアン・イーノの曲わざわざ聴かされてもな・・と思ったのは本当なのでそう書くしかないのです。
『Face to Face』
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続いて入った『Face to Face』は部屋の中央のパネルに3人の人物の写真が写っていて、それが時間経過とともに切り替わっていくみたいな感じの奴でした。人が少なくてホッとしましたが、コンセプトには入った瞬間パチンコかよと思いました。
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しかしこの展示から、はじめてゆっくりとブライアン・イーノの音楽を聴くことができました。壁にはスピーカーが2つかかっているだけでしたが、十分にブライアン・イーノを感じさせてくれるというか・・。やっぱり何か部屋とか、その音楽が流れるべき空間が先にあって、そこにどういう音楽を流すことでその空間を特別なものにできるかということを考えてブライアン・イーノは音楽を作っているんだな、という風に感じました。そしてその音楽はとても特別なもののように思えます。別にメロディがあるわけでもなければ、静かなだけで起伏もないんですが、静寂じゃなくて音としてそういうものが表現されることによって、それが流れている空間にも意味のようなものが出来てくるというか・・・。そういうスイッチが入った状態で観ると画面もオッサンとオバサンしかいないのに、じんわり「言いたい事」みたいなのが伝わってきます。これがアートなんでしょうか?しばらく見た後、リーチにもならないことに気づいて部屋を出ました。
『LIGHTBOXES』
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顔の次は箱です。
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今度は次々と箱の色が変わっていきます。
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次々…
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はあ・・・。(点滅観るのに2000円払ってんのか・・)
ここもスピーカーは2つ壁にかけてあるだけでしたが音は良かったです。
調べるとどうもSonos One Wall Mount という製品らしいです。(スピーカーだけでは何もできなそうですが、自分でも買える値段だったので衝撃を受けています。)
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本体というかモニターらしきものが部屋のどこにもなかったので、壁に穴開けて線を通しているか、Bluetooth的な奴で音を飛ばしているのだと思うんですが、壁には特に穴とかなさそうでした。こういう音響機器の仕組みはわからないのですが、無線で音を飛ばしてもこんないい感じに聴こえるのかな?というくらい鳴っていた音は良かったです。めちゃくちゃ高いスピーカーの音って感じではなかったですが、ちゃんとグラデーションがあるというか、機械的ではない有機的な音が鳴っているように感じました。
正直音響機器とか興味なかったので、このスピーカーがそんなに高くないという事実が今この文章を書きながら調べて知って一番衝撃を受けています。
これを買って実家の壁に穴をあけたら僕の部屋も今日からアンビエント空間になるのでしょうか・・。これ壁掛けにしてBluetoothで部屋の天井かっらバチバチのHIPHOPとか流したらすごく充実するだろうな・・。
『77 Million Paintings』
最後は1Fに戻ってまた靴脱げって言われてプロジェクターで何か壁に映写された絵みたいなものを観させられました。部屋の隅に盛り土みたいに変な砂みたいなのが堆積してました。
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ここもスピーカーは8台壁にかけてあるだけで、さっきまでの部屋にあったものの色違いみたいな感じでしたがこの部屋も音響は良かったです。かなり広い部屋なのにすごく自然に音が流れていました。やっぱりすごいスピーカーなのでしょうか・・・。
最後にショップも観ました。
ブライアン・イーノのソロアルバムとか、3万円するレコードのボックスとかが売ってありました。
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商品に値札を貼らないというMedit〇tionsの実店舗みたいなことをしていて買う側としては値段がわかりづらくストレスでした。値札見て商品選ぶような奴が買うなという話なのはわかるんですが・・。
滞在40分ほどで出ました。
正直最終日ということもあってか、とにかく人が多くて全然アンビエントを感じられなかったので、枯渇したアンビエント分を補えるかもと思い、その足で東本願寺に向かいました。本当に平日に行けばよかったです。
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コロナ禍が始まってから外に出歩くということも無くなり、2年くらい京都に行っていなかったので、東本願寺に至っては何年振りかわからないくらい久しぶりに来ましたが、夏の終わりの涼しい風が吹く中、ぼんやり座る東本願寺は最高にアンビエントでした。狭い部屋の中で流れる音楽はどんなに頑張ってもこういう静けさには勝てないのかもしれません。
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ただ会場に謎の盆栽が置いてあり、地味に高そうで手入れも行き届いていて綺麗で謎のポテンシャルの高さを発揮しており、コレは凄くアンビエントでした。
こんな手に触れる距離にあっていいのかなと思うくらいなんかちゃんとした盆栽のように感じましたが、これで樹齢どのくらいなんでしょうか・・・。少なくとも作り物ではなさそうでしたし、数万円で買えるようなものでもなさそうです。展覧会で目で見るものはこれくらいしかありませんでしたが、この盆栽1つで1000円分くらいの元は取れました。
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案外数十万とかしそうです。
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