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ヒーローは自分の中に。

ドカ弁が来月いよいよ卒業式を迎える。

中学生活を終え、次の新しい道に歩むための義務教育最後のセレモニーだ。

卒業を控えた子どもたちを見て、受験を控えた子どもたちは卒業式どころではないのではないか?と思うのは我々親だけなのだということを知った。

朝の勉強会が終了し、後は受験まで体調を整えていけばいいと思っていた自分。

するとドカ弁がこう言い出した。

『明日からは担任に贈る歌の練習に朝練するからお弁当早く作ってな!』

なんとクラス全員で担任の先生への感謝を込めて、卒業式前日にEXILEの道の替え歌を歌うらしいのである。

卒業式まで残り一日
僕らの一年間も
あほばかりして
困らせた日々も
明日で最後になる

こんな歌詞に替えて先生を泣かせようと皆が一つになっているのだ。

親や教師が知らぬ間に子どもたちは成長し、大人を喜ばせよう、感謝の気持ちを伝えようとするほどに人を思いやる柔軟性を身につけていたのだった。

様々なことをやらかし、親や教師を悩ませた子どもたちであったが、こんなに眩しく成長したのだ。

人は必ず育つのだと改めて感慨深い気持ちになった。

子どもたちがこっそりそんなサプライズを考えていることを全く知らない担任の先生。

その先生の最後の授業が昨日だったそうであるが、帰宅後一枚のプリントをドカ弁が手渡してきたのだ。

英文と日本語両方が書かれた、マライアキャリーの『ヒーロー』の歌詞である。

これを最後の授業でみんなで歌おうと先生から渡され、先生が1番熱唱したのだそうだ。

わー!先生やめて‼︎
聴くのも恥ずかしいから‼︎

こんな生徒の悲鳴にはビクともせず、気持ち良さそうに好きな歌を歌った担任の先生。

ヒーローの歌詞も、オリジナル通りの訳ではなく、先生から子どもたちに贈りたいメッセージにされていたようである。それに気がついたドカ弁。

『英語ってその人なりに色んな解釈で訳されてるねんなぁ。』
深く頷き、しみじみしていた。

そしてヒーローがやってくる
前へ進む力をもって
そしてあなたは恐れをはねつけて
生きていけることに気づく
だから希望が消えたように感じたら
自分自身を見て強くなってほしい
あなたは気づくはず
ヒーローは自分の中にいることを

先生から一足先に贈られた愛のメッセージに気づいた子どもたち。

卒業式前日、自分たちからも精一杯の感謝を込めて、素晴らしい歌声を先生に贈るはずだと確信している。

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