我が家のJS事情。
『映画に行きたいの。』
夏休みに友達と映画を観に行きたいと言い出した次女ちゃっかり。
私がチケットを取り、送迎は仲の良いママが引き受けてくれることになった。
ところが。
普段接点のないちゃっかりのクラスメートから電話がやたらとかかり、そのたびに一緒に行きたいという友達が増えていくのである。
『あんたね、ママも面識ない友達を連れて行ったり、入場券を買ったりなんて勝手にできひんよ。一体何人になるねん!』
『8人。』
8人⁉︎
どないなってるんやー!
誰が来るのか問い詰めたところ、なんと4人は男の子だと言い出した。
『4、4でコンパかよ‼︎』
お尻をかいてひっくり返っていたJKドカ弁が飛び起き、JSに説教し始めたから話はややこしくなり、何が何やらである。
『中学生でもないし!ちゃっかりはまだ小学生やろ!勝手に決めたらママたちが困るやないの!』
小姑のように妹に説教する姉のドカ弁。
正論であるが吹き出しそうになってきた。
実は少し前から、なんとなくちゃっかりの様子がおかしいことに、親の勘で気づいてはいたのだ。
スナフキンが帰宅した夜になって、ちゃっかりをリビングに呼んだ。
ちゃっかりと向かい合わせに座り、目を見つめながらズバリと問いかけてみることにした。
『ちゃっかり、映画に一緒に行きたいって言ってる◯くんて、ちゃっかりとお付き合いしてたりする?』
『うん。』
仰け反ったのは父、スナフキンである。
『えーっ‼︎ちゃっかり、ちゃっかりはパパと結婚してくれるゆーてなかったか⁉︎』
ベタすぎる父親の反応に苦笑いするJS、ちゃっかりである。
ショックが強すぎたか、スナフキンよ。
なんだかんだで今、小学生が付き合う、彼、彼女がいるというのが流行っているらしいのだ。
ママ友情報よりネタは仕入れていたのだよ、私は。
『ウチの子にかぎって』はバカ親の発想だと子育てする中で学習してきたつもり。
『ウチのちゃっかりなら』で考えていないとえらいこっちゃになるというものなのだ。
『ふ〜ん。で、ちゃっかりから好きって言ったの?』
『ううん。言われたの。』
『付き合うって何するの?』
『別に何もしない。』
『彼、スポーツマンなの?』
『空手とバスケやってるの。』
『へーっ!カッコイイね。』
段々女子同士の会話になっていくのが何とも言えない感じであるが、嬉しそうに話す彼女の表情は、まさしく恋する女の子である。
『ちょっとー!彼から告白されたって、ちゃっかりも好きだったんじゃない?ちょっとはコナかけたんじゃないの⁉︎』
『コナ…?』
話を横で聞いていたスナフキンがたまらずビールを吹き出した。
『コナってなぁに?』
しまった‼︎相手はまだJSなのだ。
かわいいコイバナに油断し、ついつい下世話なオンナ同士のトークのテンションになってしまいそうになる。
『いつから付き合ってるの?』
『4月6日』
『えっ⁉︎クラス替えの日からなの⁉︎』
『あーっ、間違えたー‼︎6月4日だったー‼︎反対に言っちゃったー‼︎』
やはり数字に弱いな、ちゃっかりよ。
しかし。
お付き合い記念日を大切に覚えているとはなんとも微笑ましいやないの。
『ママにちゃんと話してくれてありがとう。』
そう言って右手を差し出すと、ガッシリ握手をしてきたちゃっかり。
この先ちゃっかりの初恋はどうなるやらわからないが、そっと見守っていこう。
それにしてもJKドカ弁よ。
JSちゃっかりに彼がいるってよ。
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