暗記能力。
フォロワーの皆さんにはいつも気にかけて頂いている長女ドカ弁はいよいよ受験に向けてラストスパートに入ろうとしている。
塾、学校と最終志望校を決定するための三者懇談が続き、ようやく志望校が確定した。
ドカ弁の力では、ちょっと難しい学校を希望していたのもあり、親としては、
『もうちょっと実力に見合った学校を選んでくれへんかなぁ。』と内心ヒヤヒヤしていた。
『ちょっと無理なんちゃう?』
なんてうっかり口出しなどしたら、
『ウチは行けたかもしれへん学校を受験できんかった!』
などと後から恨まれても困るのでグッと堪えて本人の意思で決めてもらおうと思っていたのだ。
学校の成績は3年生になってからはイマイチふるわない状態が続いていたが、実力テストや模試ではわりと得点してくるドカ弁。
これは一年生の頃から変わらず、毎年担任の先生と『なんでやねん⁈』と首を捻っていたのであるが、最終の三者懇談での担任の先生が仰った言葉は意外なものであった。
『ドカ弁!学校の成績は気にせんでいいわ。実力テストも模試も得点出来るなら、ホンマはその方がいいんやから。』
ドカ弁の中学の同級生だけに見られる特殊な現象なのかどうか定かではないのであるが、学校の定期テストのように
『ここからここまでがテストに出ます』
というものをスッキリ丸暗記する形でのテストが得意な子が多いようなのである。
三年生の1、2学期の定期テストは、高校進学に重要な内申点を稼がなければならないものである。
暗記能力が高い生徒が多いことが分かっている学校側の思いやりか配慮か知らないが、テストを始める時間を1時間遅らせて、覚える時間を増やして定期テストを開始することが三年生の一学期から続いていた。
すると、暗記能力の高い子は、スルッと丸暗記出来てしまうので、平均点はものすごく上昇するのである。
ドカ弁は、この暗記がとても苦手なので思うほど得点に繋がらない。
従って、学年での成績はあまりふるわないのだ。
業者が作成する模試や実力テストは、どこが出るかなんて皆が分からないわけで、そうなると丸暗記が勝負にならないので、ドカ弁の成績は急に上がるというわけなのである。
暗記能力で成績が決まるわけではないので、暗記が苦手なドカ弁にはこちらの方が気がラクなのだそうだ。
丸暗記が得意で内申点を稼ぐことが出来る子は、いわゆる、ゲタを履かせてもらう方法で受験できる高校を選べるのだから、これはかなりお得な感じがする。
しかし、試験当日、暗記すべきものがなく、初めて目にする問題に直面するリスクがあるわけで、結局どっちもどっちなのであるが、何ともモヤモヤする。
基礎能力、応用力、暗記能力。
全てにおいて揃った人が本当に頭がいいと言えるのではないかと感じるが、校内定期テストの成績においての内申点という重要なものは、分かりやすい基準にならないものだろうかと思う。
人となりについての評価、授業中も真面目に頑張っているとか、部活も頑張ってましたとかそういった基本的な態度などのみを加算点にした方が、皆の能力にバラツキなく、自分に合う学校に行けるのではないかと思うのである。
そんなことを夫と話していると、そこに塾から帰宅したドカ弁がこう言った。
『あかんあかん!ウチは体育と音楽の実技で5を貰わなピンチやん!そこは加算点ないと終わる‼︎』
体育も音楽もペーパーテストはからきしあかん感じなのに、いつも5を付けてもらっているドカ弁。
『うんうん!体育や音楽みたいに一発で分かる目に見える能力については加算点は付けてもらいたいよな!』
深く頷くバカ親は私たちである。
何てことはない。
出来の悪い娘とて、頭より体力と気合いで成績にゲタを履かせてもらっているわけだ。
何が何やらなバカ親のぼやきである。
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