緊急事態。
昨日は朝からとても疲れていた。
しかし、出張雲泉堂があり、車に大量の荷物を積み込んで会場に向かわなければならなかったので、家を出発してすぐに夫にこう頼んだ。
「ごめんやけどドラッグストアに寄って!ユンケル買うわ!」
ユンケルを買い、車に乗り込んだ自分。
おっさんのように一気にユンケルを飲み干した。
「よっしゃー!これで大丈夫!!」
こういって車を出発させ、高速道路に乗ったのである。
しかし高速に乗った途端、車の流れが微妙に違うことに気がついた。
止まりはしないものの、スイスイグングンという流れではないのである。
嫌な予感はピタリと的中し、車もピタリと動かなくなった。
「なぁ、事故かなんかなん?時間、間に合う?」
「わからんなぁ。まぁ30分もあったら抜けれるんちゃう。」
こんな会話をしながら気を揉んでいたのであった。
家を出てからすでに1時間。とっくに会場に着き、色んな準備を始めているはずなのに、まったく動かん車。
「もー!誰やねん!週末に事故ったんは!」
車の中で地団太を踏んだ途端、重要なことに気がついてしまった。
”トイレに行きたい気がする。”
これに気がついてしまってからはもうトイレのことで頭がいっぱいになってしまった。
「なぁ・・・。トイレ行きたいって言ったら怒る?」
夫に問いかけてみた。
「いや、漏らすわけにはいかんでしょう。次で降りよう。」
約束の時間が迫る中、気も焦っているのに生理現象だけは止めれない。
しかし、おかしい。
普段自分はそんなに頻繁にトイレに行くほうではない。
「なーんで急にトイレ行きたくなってもたんやろ。」
こういう自分に夫がいつものように答えた。
「フフフ・・・。ユンケルって利尿作用あるの知ってた?フフフ・・・」
「は!?知ってるんなら車の中で飲むの止めてよ!」
ユンケルめ!!あーえらいこっちゃ!とにかくトイレ行かんと!!
何が何やらの状態でようやく次の出口にたどり着き、高速を降りようとすると大きなバスが止まっている。
見ると運転手さんがバスから降り、外で用を足していた。
あー男性はいざとなったらあの方法があるもんなぁ。
羨ましさを感じながら、高速を降りてすぐのコンビニに駆け込んだのである。
「トイレ借ります!!」
「はいどうぞ!!」
店員さんに挨拶してトイレに向かった。
が、しかしトイレのドアノブの下は赤いマークになっていて誰かが入っている。
もー!!とにかく我慢しよう。冷静になろう。
自分に言い聞かせて待っていたが、途端にトイレの中からえらいこっちゃの音が鳴り響き、一向に出てくる気配がない。
お腹が痛い人が奮闘中の様子がわかり、これは待ってられんとコンビニを飛び出した。
「無理無理ー!誰か入っててお腹痛いみたいでぴーひゃらな音が聞こえるねんけど出てこーへん!!次のコンビニ見つけて!!」
泣きそうになりながら車に乗り込み次のコンビニを探し回った。
ようやく見つけたコンビニに飛び込みトイレに向かった。
すると、ものすごくドアが狭いトイレがあり、その前で途方にくれたような表情で車いすに乗っておられる方がいたのだ。
「あー・・・車いすでは入れないトイレなんか・・・。どうしよ!私ももう限界やし!」
迷っていたところ、車いすの方は静かに車いすをバックさせ、トイレのドアから離れられたので、ようやくトイレに飛び込んだのであった。
間一髪であった。これ以上は持たなかっただろう。
「あー!死ぬかと思ったわ!こんなこと初めてやわ!!」
夫にそう言って再び高速の入り口を探し、乗り込もうとしたところ料金所のおじさんがこう言った。
「乗継券ありますかー?あーでもここからは1000円(ほぼこの金額w)ね!」
緊急トイレ代1000円也。
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