忍耐力と集中力。

先日行われた高校の新体力テストでドカ弁がはじめてB判定になったと肩を落としていた。

小学生の頃からずっとA判定の認定バッジを貰っていたが、今回は惜しくも逃してしまったらしい。

あと2点でA判定だったそうで、地団駄を踏むドカ弁。

グラフを見てみると、集中力がすば抜けて突出しており、忍耐力が大きく欠けていた。

集中力に富んだ人間が忍耐力に欠けるなんて、なんとバランスが悪いのだろうか。

たしかにドカ弁にはその傾向がある。

特に誰かにやれと言われてやることが苦手。

例えば小学生の頃から宿題をするという、当たり前にしなければならないことをやるのがものすごく苦手だった。

中学に入っても、課題をこなすことが嫌で、すぐに現実逃避したがる癖は抜けなかった。

しかしただ一つ嫌がらないことといえば身体を動かすことであったので、バスケは6年間続いたし、体操教室も6年間通い切った。

人からやりなさいと言われたことは見事に息切れして投げ出すが、好きなことならやれるようなのだ。

昨日は苦手な英単のテストの補習を受けてきたのだが、この英単の先生のテストは満点でなければ合格をくださらないことになっているらしい。

160問の単語の中から10問出題され、10点満点を取るまで合格できず、さらに受かるまで連続でテストを受け続けるルールがあり、同じ問題は出さないという過酷なレースなのである。

忍耐力のないドカ弁にはかなりのハードワークである。

午後3時半から始まった補習テストは7時まで続いたが、結局9点は取れてもあと1点が及ばず、来週の月曜日に再補習テストを受けることになったようで、もがき苦しんでいるドカ弁。

「先生がさー、お前らもうえーかげんに受かってくれ‼︎先生も3000回以上丸つけして手がおかしいねんぞ!ってゆーねん。」

「そりゃ先生も気の毒やわ。あんたらのためにやってくれてはるんやから。」

「いや、満点じゃないと合格じゃないっていうのはこの英単の先生だけ‼︎」

「そりゃ単語1つ間違えたら、大問全滅になる場合あるやん。受験の時にやったらえらいこっちゃになるから1点て大事やでってことなんちがうん?」

「そっ!それな‼︎センパイでセンター試験1点で失敗した人がおるんや!ってずーっとゆーてるわ!」

たかが1点と侮るなという徹底ぶりは、かなりのものであるが、忍耐力のないドカ弁には有難い試練なのだと思う。

新体力テストが2点足りずにA判定を逃した原因は、20mシャトルランを50回やった時点で、もういいかと止めたことだったそうだ。

しかし。
後ろから数えた方が早い成績になっている勉強と違い、体力テストは学年で17番だったそうである。

ま、いっかと適当に諦めずにあと2点取っていれば、ベスト15入りしていたそうであるから、忍耐力のなさが足を引っ張ったことは間違いない。

そういえば。

私自身は、集中力散漫で先生泣かせの子ども時代だったと母に聞かされたことがある。

算数セットを使ってやる数の勉強が楽しくなく、数え棒を組み立てて家を作ったり、おはじきをはじいて遊んだりしていることについて、uniちゃんは集中力が足りませんと先生が嘆いておられたそうだ。

なぜきちんとやらないのかと母が尋ねたところ、
「面白くないねん。」と答え、数え棒で家を組み立てるのは、この赤い家はおばあちゃんの家とか想像することが楽しいと答える子どもだったらしい。

あれ?
結局は好きなことなら誰でも集中力が発揮されるということじゃないか。

養うべきはやはり忍耐力の方のようである。

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