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JSと友チョコ。

『あのね、友チョコ今年は15個ほどいるの!』

指を折り、頭を左側に傾け、視線を右上の辺りに漂わせながら、そう訴えてきたちゃっかり。

やはりな。
毎年とはいえ、ずんずんと数が増えていく‘友チョコ’。

今年のバレンタインデーは土曜日である。一体どうなることやらと思いつつ、チョコレートを湯煎し、型に流し、冷やし固める作業をちゃっかりと一緒にし、ようやく出来上がった。

次はラッピングである。

『ちょっと待ってね!今ね、一言メッセージを書いているの‼︎』

慌ただしく小さな可愛いメモにメッセージを書き、パンチで穴をあけ、ラッピング用のモールを通す作業をするちゃっかり。苦戦しているようだ。焦るちゃっかり。

『ママ!チョコが溶けてしまう‼︎暖房は切って‼︎』

ダイニングに並んだチョコレートを心配し、母に寒さを強いるとは。

何が何やらのままようやく完成である。

『友チョコやる意味は?』
こう問いかけてみた。返ってきた言葉は

『面倒くさくならないための女子の世界!』
はっ⁈である。

『ふーん。で、面倒くさい子ってやっぱりおるん?』

『そりゃまーね。誰かの悪口を聞かせてくる子とかね。でも嫌われてるけどね。』

『悪口を聞かされたらちゃっかりはどうしてるん?』

『スルー!』

なんだかJSガールも大変そうである。

エッセイunimam


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