ドカ弁、悩む。
春からJKになり、水泳部のマネージャーになったドカ弁。
最近ごきげんナナメなのである。
原因は、裏方の仕事をまったくせず、お気に入りの男子のセンパイとお喋りするためにやって来ているとしか思えない一人のマネージャーの女子。
選手が来る前からやる事は山ほどあるマネージャー業は、かなりのハードワークらしい。
夏場のプールは激しい日光により、水温が37℃くらいになり、半身浴にはいい塩梅かもしれないが、何キロも泳ぐ選手の疲労は計り知れないそうだ。
そんな選手に後片付けなんかさせるのは気の毒で、ドカ弁は率先して自分が動いているのだという。
元々体育会系では当たり前のことと、センパイより素早く動くことは自然にこなせるようであるが、そこを全然やらず、
ダサイ一年の世話なんかやりたくない、センパイの方につく!などと言い、仕事はせず、センパイのお尻ばかり追っ掛けているのが、そのマネージャー。
ところがである。
顧問の先生が、マネージャーのリーダーを決めるなどと突然言いはじめ、そのセンパイ大好き裏方嫌いのマネージャーをリーダーに推薦したのだという。
先生が来るまでは一切何もせず、先生が来た途端、声を出してやってるフリをするので、他のマネージャーにも、センパイ方にも見え見えの狡さを見破られ、嫌われているらしいが、先生は見える場面しか見ておらず、大きな声を出して周りに指示を出せていると評価したようなのだ。
しかし、その子はリーダーをやりたくないと言っているらしい。
裏方仕事が嫌いなのだから、変に責任を持たされたら嫌だというわけだ。
それでも先生はその子がいいとおっしゃる。そして周りの空気はどんどん微妙になってくる。
先月からずっとその話し合いをしているが話し合いが纏まらず、嫌気がさしてきたらしいのだ。
こういうケースは、私が学生だった頃にはあまり聞かなかったのであるが、ドカ弁の周りだけに頻繁におこっている現象なのだろうか?
先生が、見込みがある、任せたいと指名する生徒は、生徒からはまったく支持されていないというケース。
大人の前だけはやってるフリをするのが得意、地味な裏方の仕事は絶対にやらないが、誰かが必死で書き上げたプランや原稿を読み上げる時になれば。
「私が、俺がやる‼︎」
オイシイ部分だけは出しゃばってくる。
人の褌で相撲を取る感じ。
こんな調子では、生徒からはまったく信頼されていないのは仕方ない。
しかし、生徒会、キャプテン、リーダーなどに、教師が指名するのは十中八九このタイプの子なのである。
現在の教育マニュアルには、こういう生徒をリーダーにするとよいなどということが書かれているのだろうか?
ドカ弁が中学生の頃からずっとそういうケースを見てきたが、信頼されていない、付け焼き刃のデキル自分を演出タイプの彼、彼女たちが上に立ち、上手くいっていたケースは皆無だったように思う。
みんなの不満が膨らむだけであり、結果的に、先生ご指名の子たちは、先生からだけは、労いの言葉をもらうが、生徒たちからは総スカンを喰らう。
憎まれっ子世に憚る。
これはたしかに一理ある。
しかし。
誰からも認めて貰えずに友情を深めていく経験ができないのは、本人にも、周りの生徒たちにとっても、幸せをもたさらないのではないだろうか。
こういうずる賢さを武器に出世を狙うレースに参戦するのは、早いうちから訓練するのが将来役に立つとか?
この手を覚えるのは、お金儲けを自らの力で出来るようになってからでもよい気がする。
教師という仕事に憧れがあるドカ弁であるが、将来夢が叶ったとして、どういう先生になるのだろうか?
上辺だけしか見ない、見えない大人になれば、同じことをドカ弁もしてしまうかもしれない。
今のモヤモヤする気持ちを忘れず、人や物の本質を見抜ける大人になれるよう、頑張っていこう、ドカ弁!
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