男脳。

『私ってやっぱりオンナなんやなぁって思って。』

我が妹の激白タイムかと一瞬身構えた。

話を聞いてみると、妹の息子、私にとっては可愛い甥っ子の言動を日々見ていて、つくづく自分はオンナの思考回路だと感じるのだという。

『例えばどんなことしたとき?』

『あのさ、友達と何時に遊ぼうなって公園で約束してるとするやん?で、友達が来なかったらどう思う?』

『え、なんか用事出来たんかなぁって感じ?』

『えっ‼︎お姉ちゃんもそっち⁈』

『なんで?』

『約束すっぽかされて悔しくないの⁉︎って息子に聞いたら、”なんで悔しいの?用事ができたか約束してたんコロッと忘れてしまったんかもしれんやん。オレは全然悔しくなんかないよ!”ってゆーねん‼︎』

悔しくないの⁈約束破るなんて‼︎と憤る母にむかって、なんでママは悔しいの?と真顔で問い返され、自分はつくづく女性的な反応をしたと実感したのだそうだ。

結局甥っ子と約束していた友達は、約束していなかった別の友達が誘いにきて、サッカーしようぜ‼︎という話になり、すっかり頭はサッカーしようぜモードになってしまい、甥っ子との約束を忘れてしまったらしく数時間後にそのことに気がつき、妹宅に謝りに来たのだそうだ。

男同士のあっさりした、”ゴメンな、いいで”という和解を素早く済ませ、『いってきます‼︎』と、2人の男子は風のように母の前から走り去ったという。

こういうシンプルな男子の在り方に、母親が女の常識を当てはめてヤキモキするのはつくづく馬鹿馬鹿しいと感じたそうである。

我が家は女の子しかいないが、こういう場面に遭遇した時は、
『なんか用事できたんかな〜?』と娘たちに言ってきたように思う。

男脳、女脳なんて言われるが、やはり個人差があるから、自分と同じような考え方をしない人もいるということを常に想定しておいた方がいいなと感じた妹の激白タイムであった。

そうしたことを踏まえた上で、『では、あなたが苦手なタイプの人、好きなタイプの人はどんな人?』と問われれば。

こう見えて、私は苦手な人は少ない方である。わりかしどんなタイプの人とでも仲良くやっていくのは得意な方である。

しかし、あえて苦手なタイプの人の特徴をあげてと聞かれた場合であれば。

目にうつる事だけが全てだと思っているような人。と答えるかもしれない。

始終『私はそうは思わない』というテンションの人は苦手である。

そういう棘を他人に刺すのが好きな人に遭遇すると、男、女関係なく、正直しんどい人やなぁと感じてしまう。

チクチクネチネチの皮肉がすぐ出る人は、相当ストレスが溜まっているのかもしれないが、やはり自分可愛さばかりが目立ち、思いやりがある人は少ないように思う。

苦しい時に苦しいと潔く言える勇気がある人、苦しくても笑う心意気を持つ人は、見た目には違うタイプの人に見えたりするが、根っこは繋がっているような気がする。

そういう人は、自分可愛いだけではなく、他人を思いやる最低限のマナーと優しさを持っている。

私はやっぱりそんな人が好きだなと思う。

全開なようでいて、閉鎖的な部分を隠し持つ人にこそ、私は心惹かれる。
チラリズムである。

やはり私は男脳なのだろうか?

そういえば。

女子力満タンのちゃっかりに私は振り回されっぱなしであるが、彼女はけして女脳ではないと感じている。

愚痴や悪口はめったに吐かず、口数も多い方ではないが、気がつくと膝に乗っかっている猫のようなしたたかさがある。

女子力を発揮しつつ、チラリズム効果を十分心得た男脳寄りのちゃっかり。生きていく上ではある意味最強かもしれないが行きすぎるとトラブルに巻き込まれそう。

ちゃっかりのような器用さは持てず、したたかさにもなれず、歩く全開人間であるドカ弁は、そんなことよりサッカーしようぜ‼︎の小学生男子レベルの男脳の持ち主である。

色んな意味で、それぞれ行く先が不安な姉妹であるが、我が家の女は全員が『男脳』だったのかと改めて気がついた夏の一日である。

ちなみに、スナフキンはuni家で唯一の男であるが、彼は誰よりも機転の利く『女脳』の持ち主のようである。

いや、そうしなければこの女3人とはやっていけないと判断して、上手く演じているだけなのかもしれない。

やはりスナフキンは謎多き男である。


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