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仮病理由、内出血。

昨日のお風呂上がりから急に寒いと言い出したドカ弁。

テストがあるから休むわけにはいかない。しかし部活は休みたいと言う。

『そんなもん体調悪かったら仕方ないやん。そのまま先生に言えばいいやん。』

何故こんなことを高校生にもなった我が子に言わないとならんのだ。

そこに入ってきたのが、我が家のJSちゃっかりである。

『ドカちゃん、サボりたいの?じゃ、適当に理由言えばいいじゃない。』

『は?顧問担当の体育があるねんで!元気やったら言いにくいやん!』

『うーん。じゃ、内出血しましたってどう?』

『…‼︎』

思わずドカ弁がお茶を吹き出した。

『なんで内出血やねん‼︎アホやろ‼︎』

『わかった‼︎骨折しました!は?絶対大丈夫‼︎』

『ほんまちゃっかりアホやろ‼︎あんたの嘘は小嘘から大嘘まで極端やねん‼︎』

爆笑しながらも、嘘はあかんと妹に向かってたしなめる姉、ドカ弁。

『いや、ちゃっかり。ちょっと聞くけど小嘘や大嘘って、嘘はあかんよ。』

ちょっと確認しておかなければならぬと母からも問いかけてみた。

『大丈夫。嘘もほうげんって言うし!』

『それ言うなら嘘も方便な!アホやし、小嘘つくしな!ほんまあかんよ、ちゃっかり‼︎知ってるねんで、ちょくちょく小嘘ついてんのは‼︎』

ドカ弁に責められはじめたちゃっかり。

焦っているのか?無言のままである。

すると物凄い低音でボソリと。

『大丈夫。今までママに叩かれたことないよ…。』

ニヤリと笑ったのである。

ああ恐ろしい。

このJS、いつの間にこんなに悪女の子役版みたいなことをはじめたのだろうか。

この小悪魔は、夏休み終了間近の日曜日になって、夏休みのプリントを捨ててしまったと言い出したのであった。

焦ったのは両親と姉。
家族全員で家探ししたが、藁半紙のプリントを新聞と一緒に置いていたらしく、ゴミの日に一緒に捨ててしまったようだと途方に暮れてしまった。

『どうせ今日は学校はお休みよ。明日学校に行って先生にプリントもらって、1日で仕上げるから大丈夫よ。』

やたら自信満々。当事者が焦らないのだ。

翌日8時に叩き起こし、雨降りの中、学校まで車でちゃっかりを送っていったのだ。

職員室に入るのを見届け、車で待つこと10分。

さすがに8月31日にプリント捨ててしまったは通らんでしょ。しっかり叱ってもらえ!

そんなことを考えていると、満面の笑みで手を振りながら車に駆け寄ってくるちゃっかりが。

なんと手ぶらである。

『担任の先生居なかったん?他の先生に頼んでプリントもらわなかったん⁉︎』

『ううん。先生いたよ。捨ててしまったみたいって言ったらね、ここに今日取りにこようとしたその気持ちが偉い‼︎って、職員室にいた先生みんなが言ってくれてね。もうしんどいやろ。やらなくてもいいよ!って言ってもらったの‼︎』

マジかよ‼︎

こういう子はずっとこの調子で生きていくような気がする。

夏休み最終日の深夜2時。

『終わったー‼︎やっとやっと全部終わったー‼︎』

叫んだのはドカ弁であった。

この先の人生、やはりドカ弁に仮病はつけそうにない。


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