コンピューターばあちゃん。
春休み最後の日。
ドカ弁とちゃっかりが夫の実家に遊びに行ってきた。
『親がいつまでも付いて来るなんて過保護過ぎる!ドカ弁とちゃっかりだけで遊びに来なさい。』
お義母さんからそう言われたスナフキンと私。
まあ、それならばと姉妹2人でおばあちゃんの家に遊びに向かったのである。
実を言えば、ドカ弁もちゃっかりもこのスナフキンママが非常に苦手なのだ。
『一言多い』人なのだ。
しかし、入学祝いを取りに来なさいと言われたからには自分で行かなければと重い腰を上げて2人して出かけて行ったのである。
何かあったらLINEすると言っていたし、久々にのんびりしようとしていたところ、ドカ弁からのLINEが鳴った。
やれやれである。
『私は賢い。だからあんたも賢いはずだ!』
そう孫に言い始めたらしい。
『合格おめでとう!良かったわね!』
これで済まないのがこのおばあちゃんの大変なところなのである。
少し我慢しておけば終わるからという慰めの返事を送ったところこんな返事が。
ご飯がシャレ乙過ぎてたまらんのだと言うではないか。
春を意識した桜の塩漬け、えんどう豆、菜の花を混ぜご飯にしてゆるーく握られたおむすびである。
ちゃっかりは白いご飯しか食べれないはずだが大丈夫なのだろうかと不安になったが、ちゃっかりのことだ。きっと上手く切り抜けるはずだと思いながらLINEを終わらせたのだった。
帰宅後、姉妹は怒涛の勢いでまくし立てた。
『ケチだわ!ちゃっかりにはおこづかいくれなかったわ!我慢してヘンなおにぎり食べたのに!』
ぷりぷり怒るちゃっかり。
『ちょっ、uniさん!おばあちゃんがさ、いい学校に入れてお父さんも鼻が高いでしょ‼︎とか言うからさ、なんか気持ち悪いと思ってたらさ。』
『どうしたん?』
『なんかウチの高校の偏差値や制服をネットで調査済みやったらしくて。』
田舎の学校って馬鹿にしてたんちゃうんか!ネットで調査とは、やはりただの年寄りではないのよ!と言いたげである。
そうだ、思い出した!
御祝は従兄弟たち同等に今後は少なくすることにしたと昨年言い渡されていたはず。
『中身を確認してみ!』
ドカ弁を促してみた。
『uniさん!10万入ってる!』
えらい弾みようである。
御礼の電話をしなければならない。
『お義母さん、たくさんの御祝をありがとうございます。』
『いいわよ!ドカ弁はいい学校に入れてたのね!インターネットで見たわよ!制服も可愛いわ!』
インターネット情報をもとに、様々な評論が始まったのである。
あの高校には負けてるけど、まずまずの学校じゃないの。国立の大学に行かなければね!だいたいこの大学なんかどうなの…。
姉妹の疲労が分かる気がした。
しかしまぁ、御祝は頂いたのだ。
『ドカ弁、半日自慢話聞くだけで10万はなかなか稼がれへんで!良かったな』
そうドカ弁に言ってみた。
『ううん。自慢だけじゃない!私はあんたらみたいに早くインターネットを触れない!私はアナグロ人間なの‼︎って愚痴がまた長い。アナグロやって!アナグロ‼︎w』
コンピューターを使えるアナグロ人間。
老人も時代と共に変化しているのかもしれない。
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