しめ縄づくり
ちゃっかりの小学校では例年5年生が代掻き体験、米の収穫体験をする。
そして、年末のこの時期になると学習の総仕上げとしてわらを使ってしめ縄を作り、新年の準備をする体験をさせていただけるのである。
地元の農家のおじいちゃんたちが学校に来て下さり、しめ縄の作り方を教えてくださるのであるが、これがまたとても難しい。
おじいちゃんたちはいとも簡単に美しい縄を作り上げ、素晴らしいしめ縄を作って見せてくださるのであるが、児童と保護者はてんやわんやの大騒ぎである。
ドカ弁の時にも経験していたのであるが、自分は非常に不器用なので、右手は動かすが、左手は動かさずに・・・などと説明されるとパニックなのである。
それでも何とか見よう見まねでめがねの形のしめ縄が出来あがったのでほっとしたのであった。
ふとちゃっかりを見てみると、もみくちゃになったわらが散乱しており、途方にくれたような表情である。
「ちゃっかり!えらいこっちゃやん!なんでここまでやってまうかなー!」
「先生に頼んだけどできひんかってんもん。」
するとちゃっかりの隣にいた女の子もつぶやいた。
「先生めっちゃヘタやねんもん・・・。」
先生の様子を見てみると、
「ご教授願います!!」
こうおっしゃりながら、おじいちゃんたちに子どもたちのしめ縄のリカバリーを全面的に丸投げしておられるのだ。
確かにこういった行事は、お年寄りに花を持たせるのが何よりのことのように思うが、先生の「ご教授願います!!」は、慇懃無礼な雰囲気がそこはことなく漂い、自分が苦手なことを子どもの前で見せたくないという一心のような印象を受けた。
上手にやっているようでも子どもたちはよく見ているものである。
ヘタクソだっていいじゃないか!
「先生へたくそやなぁ!」
子どもたちに言われても、一生懸命取り組む姿って見せてあげてほしいと思ったのである。
先生にも苦手なことがある。
こういったことは決してマイナスなことではないように思うからである。
それにしても。
勘で挑もうとしてえらいこっちゃな状態にしてしまったちゃっかりは、やはり我が子だとつくづく感じた今回のしめ縄づくりであった。
左がちゃっかり、右がunimamの作品です。
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