わかってないんだなぁ。
「あぁ、そういうことを言ってるわけ?わかってないんだなぁ。フンッ!」
こんなことを先にかまして、まず相手を小さく見積もりたがる人っていませんか?
昔の上司にこのタイプがいたのであるが、良いと思われるアイデアや提案が出るたびに、必ず水を差すどころかぶっかける勢いでそんなことを言う人がいた。
いつも他人の考えを否定することに躍起になっていたので、かえって自分の小ささを強調する残念な人であった。
しかし、おかしいのだ。
誰かのアイデアをけなした後、少し時間を置いて彼がドヤ顔で発信する言葉は、いつか誰かが提案した内容そっくりなのである。
「なぁなぁ、あれって前に出てた提案やんね?」
「毎回誰かの提案を鼻で笑って潰すくせして!」
「ただのパクリやないの!」
その時にわかったのだ。
彼が他人のアイデアを必死に否定し、水をぶっかけて回る理由が。
この人、他人の能力が怖いのだ。
上手くやられてはかなわん!とにかく手を打たなければ‼︎
本音はそんな気持ちで毎回冷や汗をかいていたのだと思う。
世の中にはいろんな人がいる。
自信の無さを他人を潰すことで埋めようとする者はいずれ化けの皮は剥がれる。
だから自分が良いと思うことは、自信を持って実行したらいいのだと思う。
自分のアイデアを「わかってないんだなぁ。」と馬鹿にしたい奴にはさせておけばいいのだ。
知ったようなことを言いながら、人の褌で相撲を取ろうとする者もいるし、いわゆる逆説を唱えて「いかがなものか」と遠回しの牽制をしてくる小賢しい者だっている。
自分の力を過信することは大袈裟を負う可能性もあるが、傷はいずれは癒える。
失敗した原因を辿れば、1度目よりは上手くやる方法を見つけられる。
思いっきり走って思いっきり転んだ小さな頃、涙を堪えながら起き上がりスカートと膝小僧に付いた砂をパッパッと払い落とした気持ちを忘れないようにしたいと思っている。
「あの道を思いっきり走るのは危ない。次は少しゆっくりめに走るようにしよう。」
失敗から自分を守る術は子どもだって痛い思いをして学ぶものである。
だから「わかってないんだなぁ。」に惑わされてはいけない。
成功することを想像している方が人生は面白いはず。
いつの日か人を鼻で笑った者がこういうかもしれない。
「君はいつかやると思ってたよ!」
相手が掌を返したようにそう言ってくる可能性は0%ではないのだ。
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