ぱしゃぱしゃ。
ぱしゃぱしゃってご存知だろうか。
上下のウインドブレーカーである。
小学校ではこの「ぱしゃぱしゃ」は着用禁止なのである。
理由は、授業中手を挙げたり字を書いたりするたびに
「ぱしゃぱしゃっ」と音がして児童が集中できないからだそうだ。
そのぱしゃぱしゃを愛用している見た目ちょっとヤンキーな保護者がいるのであるが、基本的にとても礼儀正しいのである。
「ちーっす!」
笑うととても可愛い笑顔でいつもきちんと頭を下げて挨拶してくれるのだ。
金髪に近い色の茶髪で、つけまつげもばっちりの3人組のママがいるのであるが、ママたちが歩くと道がさっとあくのである。
「ねぇ!uniさん!あの人たち恐くないの!?」
必ずといっていいほど、こう聞かれるのである。
「なんで?見た目はあんな感じやけどめっちゃ子ども好きやし、きちんとけじめがある人らやよ。」
「いやー、迫力ありすぎて絶対目を合わせられへんねん、私。」
こういって大多数の保護者がこの”ぱしゃぱしゃママ”たちを恐れているのである。
見た目普通の人より損はするかもしれないが、この人たちは友達を絶対裏切らず、言いたいこともバンバン直接本人に言い、陰で悪口を言うことはないのがエライと思う。長らく変わらぬ友情を築いているのも納得できるのである。
学校の会議で質問、発言をする場があったときのこと。
子どもの引率をどうするかという議題になったとき、ぱしゃぱしゃママの一人が「はい!!」と手を挙げたことがあった。
「えっと質問なんですけど!さっきから”いんそついんそつ”ゆーてますけど、”いんりつ”の間違いちゃいますか!!」
会場は「しーん」と静まり返ったのである。
”いんりつ”に対しての質問へどう返したらいいのか迷うのが大人の世界なのだ。
その静まり返った場に、ぱしゃぱしゃママの二人が大声でつっこみを入れたのである。
「アホちゃうかー!!あんたは!もう友達でおるんが恥ずかしいわ!!引率はいんそつやろ!いんりつてなんやねん!!」
あー!やっぱり友達やん!間違いを間違いだとすぐさま指摘して静まり返った空気から友達を救ってあげたのがわかったのである。
「なんでよ!いんりつはいんりつやん!確率の”りつ”やで!卒業の”そつ”ならわかるけど!!」
なおも食い下がる一人のぱしゃママの口を押え、二人のぱしゃぱしゃママはこう言ったのだ。
「アホが目立つ!!すいません!いいから先を続けてください!!」
やはりいい友達同士なのだ。賢ぶる人よりずっといい。
自分はこのぱしゃぱしゃママたちの大ファンなのである。
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