チャーリーチャーリーCome here!
最近浮かれ気味のドカ弁。
成績は撃沈続きであるが、プライベートでは何やら浮き足立っているようである。
中学時代は男子のように髪を切り、バスケ一筋だったドカ弁。
立派すぎる肩を持ち、足は子持ちししゃものように筋肉で覆われ、第2の制服はジャージという、女の子としての楽しみを完全に忘れ去ったような生活を送っていたのだ。
高校に入ってからは少し女の子らしくなり、毎日マネージャー業を懸命にこなし、新しい友達もたくさん出来たようだ。
そして明日は先輩に誘われ、遊びに行くというではないか。
一つ年上の彼は、水泳部のホープらしい。
どうするんや、ドカ弁!
穏やかでいられないのは、父親であるスナフキンである。
『明日はバーベキューするねんで!ドカ弁は、参加せーへんのか⁉︎』
そう尋ねる父に向かって、
『あ、ウチは無理!』とあっさり答えるドカ弁に、ぐぬぬのスナフキン。
そんな会話の中で、むすーっとしているのは、ちゃっかりである。
ドカ弁よりおしゃまな女子である彼女は、お姉ちゃんが男の子と遊びに行くなんて、いったいぜんたいなぁに⁉︎どういうことなの⁉︎と言いたいらしい。
ご機嫌斜めなのである。
しかし、イライラ気をもむバカ親のスナフキンはドカ弁が気になって仕方ない。
そんな空気に我慢出来なくなったちゃっかり。
『チャーリーチャーリーCome here!』
突然のシャウトにビックリしたuni家の面々。
『何⁉︎どうしたん、ちゃっかり!』
『あのね、今ね、学校でメキシコ版のこっくりさん、チャーリーが流行ってるの‼︎みんな知ってる⁉︎』
それは初めて聞いたわーと皆がちゃっかりに質問を始めたのだ。
要するに、こっくりさんを呼ぶ時の呼びかけ方をチャーリーチャーリーCome here!と英語にするだけのようである。
皆の興味が自分に向いたことで、ようやく笑顔が戻ったちゃっかりであった。
それにしても。
メキシコ版こっくりさんで、自分への興味を引こうとする辺りが、やはりちゃっかりのちゃっかりたる所である。
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