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悪口ばかりの人って?

晩御飯を食べながら、久々にドカ弁の愚痴を聴き、やいやいと盛り上がった。

悪口で盛り上がったのではなく、悪口しか言わない奴についての見解を互いにこーちゃうか?あーちゃうん?と話しているうちにどんどん時間が過ぎていったのである。

ドカ弁の友達に1人、口を開けば他人の悪口しか言わない子がいるそうだ。

自分もよく知っている子である。
顔はめっちゃ綺麗な子で、話も面白い、取り立てて、人に不快感を与える感じの子には見えない。

『なんでー?毎週ウチでご飯食べていくやん。別に感じ悪い子には一見見えへんやん!』
愚痴るドカ弁に尋ねてみた。

すると、
『そうやろ?パッと見たら誰もそんな奴やと思わへんやん?それがさ、学校やったらいつも一人になりがちやねんな。』

『なんで?よっぽど性格悪いとか?』

こう尋ねてみた。

『とにかく悪口しか言わへんねんな。敵も味方もない感じ?ウチに来て毎週塾の空き時間にご飯食べるわけやん?それやのにさ、今日の体育の授業の時にテニスやったからさ、お互い頑張ろな〜!ってウチと○○ちゃんが声かけたらさ、無視するわけよ!』

『は?なんで?』
意味がわからずに問いかけてみたところ、こんな返事が返ってきたのだ。

『同じクラスで今唯一、一緒に居てくれる子と居てたから、その子を優先して他の子とは仲良くないって所を見せたみたいやわ。』

『は〜っ!』
思わずため息が出てしまった。

なんでこんなしょーもない、薄っぺらい関係しか築けないのか?

『友達ちゃうな、それは。あのさ、あんたも含めてはっきり周りもその子に言ってあげなあかんのちゃうんかなって思うわ。』

『なんてゆーわけ?』

『‘‘あんたさ、人の悪口しか言わへんは、1人になりたくないだけで、友達を‘要るときのイランもん’みたいに扱ってたら、みんなあんたから離れていくで!ウチは塾も1人で行けるんやし、無視したり、引っ付いてきたり態度をその時々で変える人は友達やとは思わへんねんな。めっちゃ腹立つねんわ、あんたの態度。だからもう塾も1人で行くから迎えに来てくれんでいいから!”って言えば?』

『うーん…そうやんな〜…。』
悩むドカ弁。

これがドカ弁の優しさであり、あかんたれな所なのだと思う。
見逃してやることばかりでは、ドカ弁もストレスが溜まって当然だ。
自分が中学生の時ならとっくにキレていたと思う。

その子にしても不満が常に解消されないのは、誰も自分のあかん部分を指摘してくれないからなのではないだろうか?

なぜ友人が自分から離れていくのかについての本当の原因がわからずじまいのまま、自分に嫌気がさして離れていった友達のことを、裏切り者!という扱いで恨み、また悪口を言わずにいれなくなるという悪循環を繰り返しているように思う。

まあ、こんなことを繰り返しながら15歳になったわけであるが、あと5年で成人になるのだ。さらに、あと4ヶ月で義務教育も修了を迎えるドカ弁。

優しいだけでは生きていけず、優しみに欠ける人間はいずれ何処かで行き詰まる。

完璧な人間などいないのだから、誰もが皆、自分の綻びを何度も繕い、修正しながら大人になってきたのだと思う。

焦らず、急かさず、ドカ弁の行く道を見守ることしかできない自分の今のもどかしさを、ドカ弁に上手く伝える術はないものかと思いつつ、中学生に親の気持ちなんかわかるわけないわな!と自分に言い聞かせる秋の夜長である。

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