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詩ことばの森①「硝子」

*こんにちは、詩人の森雪拾です。
今日から「詩ことばの森」を投稿していきます。よろしくお願いいたします。

「雲は天才である」と昔の詩人は記しました。「雲は奇跡」のような感動を、眺める人に与えてくれる気がします。疲れた日、ふと空をみあげると、気づかなかった美しい世界が広がっていて、日常の美に触れることで元気が出ることもあります。そんな気持ちを書いた詩です。


硝子


青空に手をのばす
あなたの指先から生まれた
ようにみえたのだ
考えてみれば不思議なことだ
いちめんの流れる雲

夕焼けがあふれだす
あなたの指先からしたたる
ようにみえたのだ
こころの古傷が疼きはじめる
真っ赤に染まった雲

ふたりで見上げる空は
あたりまえであって
とてつもなく奇跡
ハミングしながらあなたは
空に向かって指をさす
ひこうき雲の先に光るのは
硝子のかけら


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