文美子のLeave Memories Message ⑧ 義母から嫁に繋ぐ
親友が、とても丁寧に優しく愛情を持って、義母の介護を
してきましたが、10月末、家族に見守られながら、義母はこの世から旅立って行きました。
今までの生活を託す、繋げるということは、財産や書類整理だけではなく、精神的結びつきや義母から受けた愛情や大切にしていたこと、料理を始め沢山の教えて頂いた事等もあります。
今後少しずつ、投稿していこうと思う内容ですが、今回は終末期について書かせていただきます。
義母は2か月ほど前に、食事が食べられず(飲み込めず)、中心静脈栄養(体の心臓に近い部分の太い血管に直接点滴をして栄養を補給する治療方法)を入れる予定で入院しました。免疫、抵抗力が低下しており、挿入直後から感染し、肺炎になってしまい、そのため自宅に戻るまで時間がかかりました。
自宅に戻る時には、再度の中心静脈栄養の挿入は出来ず、皮下点滴に切り替えて在宅生活を送ることになりました。退院して間もなく、皮下点滴も難しく、出来なくなりました。そのため水分摂取の方法がなくなり、医師からは「2日~3日程がリアルな時間です」と言われます。義母は、最後の力を振り絞り、点滴を抜いた後、23日後に天国に召されました。
ある時、穏やかな義母が、すごく興奮し怒り、攻撃的になると友人は話しました。
数か月前にも、別の友人から同じ相談を受けました。ご主人が癌の末期を宣告されています。「お医者さんや看護師さんにはとても優しいのに、私がお見舞いに行くとすごい剣幕で怒るから、面会に行きたくないの」と言うのです。
お二人にはキューブラー・ロスの死の受容モデルについてのお話をしました
友達は、この内容を理解し「優しく接することが出来た」と話していました
精神科医のエリザベス・キューブラー・ロス「死の受容」5段階モデル
第1段階:否認と孤立:「死を何かの間違いだ」と事実を受け入れられない状態
第2段階:怒り:死ぬことは理解できたが、なぜ自分が選ばれてしまったのか。強い反発心から身近な気の許せる人に怒りをぶつける
第3段階:取り引き:神や仏にすがり「死を遅らせてほしい」「助けて欲しい」と願う段階
第4段階:抑うつ:祈っても、死の回避ができないことを悟り、抑うつ状況
第5段階:受容:人生の終わりを受け入れ、静かに、心が平穏になる。
老衰や突然死、以外の終末期を過ごすような場合に起こりうる経過です。
嫁である親友は、義母の手や体をさすったり、手を握り濃厚なコミュニケ―ションの時間を作り、存分に「ありがとう」の感謝の気持ちを伝えることが出来たようです。
義父が亡くなる前に、子供達に、相続についての話をして、生前に託せるものは、繋いだようです。
今回、親友は義母から「家のしきたり、作法や料理、味付けや方法、優しさや人として」という部分を、繋がれたようです。親友は、両親の意思をしっかり繋ぎ、繫栄されていくと思います。親友にとって大切な財産になったのではないでしょうか。
今後、親友やご主人に対してグリーフケアが必要かと思います。グリーフケアとは、大切な人を亡くした人は、喪失感、悲しみの気持ちが大きく、寄り添い、サポートすることをいいます。
きっと親友は、ご主人をしっかりサポートしながら、繋がりをしっかり守りながら生活されると思います。
御愁傷様でした。義母様のご冥福をお祈り致します。
~May you all be happy(皆様の幸せのために)~
ライフキュレーター・御室文美子
(終活ライフケアプランナー、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士)
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