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詩ことばの森(188)「出会い」

出会い

道を歩いていた
だれもいない
まっすぐな道だった

向こうから来る
人影が見えた
おや   だれだろう

しばらくすると
その人は道を曲がって
姿を消した

またしばらくすると
べつの人影が見えた
こんどは道を曲がらない

まっすぐな道を歩いて
わたしとその人は
行き過ぎた

たった   それだけことなのだが
なぜだろうか   
不思議な縁を思うことがある

(森雪拾)


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