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詩ことばの森(196)「緑葉の季節」


緑葉の季節

緑葉は
あなたを抱いて
過ぎゆく季節とともに
永劫に消えていく

蝶が執拗に 林をさまよいつづけ
蝉の声が 梅雨明けの時を知らせた日
あなたと暮らした夏の記憶を
わたしは
わたしのなかに閉じこめてしまった

それ以来
どんなに太陽の光が輝いたとしても
こころは いつも仄暗さに満ちていた

いつの日か届くだろうか
夏のある日の消印で
あなたが私に送ってくれた手紙が
その消印の有効日がいつなのか
まだ わからないでいるのだけど

(森雪拾)

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