なつの栞㊵ 無口だが暖かな眼差し
通勤時間帯の、ターミナル駅での乗り換えは、ある意味、のんびりした気持ちではいられません。緊張感を持って歩きます。
通勤時間帯、それぞれに皆さんほぼ同じ方向を向いて、列をなして一定の速さで急いで歩いています。
時には、その列を横切ったり、流れに逆らい真正面から人がきて衝突しないかとドキドキしますが、巧みに移動しています。
その、流れの中に、
目が見えないのでしょう、白杖をつくご年配の女性に目がとまりました。
杖の振り幅は広く、歩くテンポは、まわりに合わせようと、必死に歩いて