「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」を見たよ

泣きました

ゆっくり落ち着いて映画を見るよりも「さ~映画見るぞ!」って見る事の方が多くて(だからミステリとかアクションに寄りがち)人の生き様に寄り添うタイプの映画を見ると「これはッ…新しいものに出会った…」みたいな気持ちになる

監督のお名前、デヴィッド・フィンチャーに聞き覚えがあったので見る前に調べてみたら「セブン」「ファイト・クラブ」の監督、しかもどちらもブラピという共通点が!前者はすっごい好きな映画だし後者もどんでん返し映画として名高いのでチェックしてたやつでした、見る前からちょっとわくわく
老人で生まれてだんだん若返ってく…っていう設定だけ知ってたので、初っ端でっかい老人がおなか突き破って出てくるみたいな(それはもうホラー)かなと思っていたらそういう映画じゃなかった、よかった~~~フゥ~~

■好きシーンその1
娘が「私に兄さんなんていたの?」と言った時に返したクイニーの言葉
「お前が知らないことなんて山ほどあるわ、さあ掃除を終わらせて」っていうフレーズがすっごい好き!いや説明してあげてもうちょっとw
こんなお母さんだからこそ、あの状況でベンジャミンに真摯に向き合えて、過保護になることもなくしっかり面倒を見ることができたんだろうなぁ

■好きシーンその2
戦争に参加したシーン、船長が撃たれて虫の息のまま「見ろよこれ、俺の芸術がめちゃめちゃだ」って言いながら自分の入れ墨を差したとこ
あんな血まみれになってなお「自分のアイデンティティはこれだ、誰にも認められなくたって自分はアーティストなんだ、これが一番俺にとって大事なんだ」という明確な意思を感じてすごく…すごくかっこよかったよ船長…!

■好きシーンその3
産まれた娘を見つめながら「自分は親であるべきではない、(自分含めて)二人を育てるのは無理だ」って去ってしまう所(ここレビューでは割と酷評されてたけど私は好き
家から出られなくて「ふつうの子供」としては生きていけなかったベンジャミンにとっては、彼の接する人、もの、すべて何もかもが新鮮で、ありがたいことで、娘ができることなんて最高に幸せだというのは容易に想像つくのに、それを諦めるのはどんなに辛かっただろうと思って…声を上げて泣いてしまったな…!

■ラスト30分くらい
ブラピがどんどんかっこよくなっていくのと、展開がどんどん進んでいくのでテンション上がった
でも少年なのに認知症で苦しんでいる姿を見ているのはしんどかったです、、せっかく最愛の人と共に過ごせる時間がようやくできたのに、そのことを全く覚えていないまま過ごすのは辛い。すごく辛い。でも赤ん坊の姿で、愛する人の腕の中で息を引き取るっていうのは純粋にうらやましいなと思ってしまった
あと逆行する時計が水に沈んでいく絵も切なくて絵画的で…あれもよかったな…!!!

映画を見終わった後に他の方がどう感じたのかレビューを見るのが癖になっているのだけど、数はすごいのに評価がめちゃくちゃ分かれてて「あ~~~でもこれ意見が別れるのはわかる」と思いました。たぶん「いやそうはならんやろ!」って突っ込みたくなるような気持ちで見ちゃうと「いやそうはならんやろ!」ってなるんだろうな…(語彙力)

でもやっぱり、見た目で「かわいそう」「うらやましい」とかを安易に判断してしまわないで とか 人の価値観と自分の価値観を混同しない とか、、そういう大事なメッセージがこの映画には散りばめられてるような気がして。
レビューでは「無責任に子供を作って育児放棄をした主人公が許せない」みたいな意見が多かったんですけど、それもまた他人の人生の判断であって
そうするべきだと押し付けている訳じゃないんだと、そういうことを考えさせられました、、

「あの時5分早く家を出ていれば」「あの人が玄関にコートを忘れて行かなければ」人生は小さな出来事の積み重ねである。過去を振り返ることはいくらでもできるけど、起きてしまった事実は受け入れるしかない
きっとこの映画のいろんなシーンがこれから生きていく中で思い出されるんだろうなと思います…!見てよかったな

あと山寺宏一さんの吹き替えはやはり最高ですし
エル・ファニングかわいかった

おわり!

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