2022年は2次元アイドルコンテンツの転換期なのかもしれない

少し前にTwitterでこんなことをつぶやきました。

そして7月26日にリリースされたアイドルマスターのプレスリリースは今後の展開についてかなり驚くべきものでありました。

プレスリリースでもまとめられていますがまとめると以下3点になります。

1.アイドル個人の魅力を活かしたマルチなタレント活動の強化
2.xRやリアルタイムモーションキャプチャー技術を活用した展開の強化
3.音楽ストリーミングサービスでのシリーズ楽曲展開

まず3については私が2019年から言っていたことなのでようやくという感じもしますが、嬉しいものは嬉しい。アイマス生配信直前にSpotifyから『鉄拳』などの音楽がなくなったことで不穏な噂が流れましたが、生配信で坂上Pが「各音楽ストリーミングサービス」と言っていたので独自サービスではないでしょう。もっともこれについてはプレスリリースに「SpotifyやApple Musicなどの」という一文を追加しておけばよかったと思うのですが。

さてそれ以上に大きいのは1と2だと思います。これはつまるところ今の2次元アイドルコンテンツの展開が転換期に差し掛かっていることの証明と思えるからです。

7~8年くらい前はこの手のコンテンツの展開はブシロードが積極的に推し進めていたような「アプリゲームとライブを両軸とする」のが王道だったと思います。

ところがアプリゲームは流行り廃りが激しい上にゲームの開発費も高騰しているため、もはやアプリゲームはコンテンツを展開するものというよりコンテンツを終わらせるものになってしまったというのが現状だと思います。先日展開の終了を宣言した『CUE!』しかり、減損会計を出した『ラピスリライツ』しかり。

そしてライブについてもコロナウイルスの影響で客足が回復していないし、当分コロナ前のようなライブは難しいと思います。そしてコロナによって配信が増えたのはいいことなのですが、それによって今まで現地に来てくれた人が配信で済ませてしまってチケットがさばききれないという問題が発生しているのかもしれません。

そうした状況下において、たとえば『ラブライブ!』のバーチャルスクールアイドルや『バンドリ!』のバーチャル系新バンドオーディションなんていうのはそうした転換期への模索であると考えられます。

で、『アイドルマスター』はSHOWROOMで美希の配信をやったのにその後の展開は無いし、サブスクもやらないしだったので現状維持で突っ走るつもりなのかと思っていたら全部乗せで来たという。

そしてこの動きは各コンテンツがVTuber業界に殴り込みをかけるということなのかもしれません。もはやアイマスやラブライブのライバルは同ジャンルの各コンテンツではなくVTuber、もっと言えばホロライブとにじさんじだと私は思っているわけで。

これは全くの憶測ではありますが、以前ならアイドルコンテンツに来ていた層がVTuberに流れているのではないかと思うわけです。その結果起きているのが各コンテンツのファンの高齢化やアイドルコンテンツの縮小ではないかと。

で、VTuberのファン層を取り込むのに手っ取り早いのは『電音部』みたいに「VTuberを声優に起用する」という方法ですが、これは各コンテンツとも取りにくい方法だと思います。そもそも『電音部』がそんなことができたのは全く新しいコンテンツだからで、既にファンが多いコンテンツがそんな博打をやるとは考えにくい。

例えば『ラブライブ!』はライブでアニメ映像とリアルキャストの動きが同期するところに魅力があるわけでして、そうするとVTuberを起用しても意味がない。『アイドルマスター』もVTuberに案件を出すならともかく声優に起用することへの拒否感は強い気がします。そう考えると相手のフィールドに乗り込むしか方法はないわけで、各コンテンツともVTuberのファン層に食い込もうとしているのではないでしょうか。

さてそれがどう転ぶかは不明です。ただ各コンテンツが転換期を迎えているという意味ではアイドルコンテンツが面白くなってきている(かもしれない)と思うわけです。

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