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【通勤・通学電車サバイバル】絶対に乗ってはいけない車両の特徴

 例えば2005年のJR福知山線脱線事故、2000年の営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線脱線事故、1995年の営団地下鉄(現・東京メトロ)丸の内線・日比谷線のサリン事件。この他にも列車脱線事故や列車衝突事故、列車火災など種類も原因も様々な事故が全国各地で日常的に起きています。考えてみると、電車通勤って結構危ないなって思いませんか?

 鉄道事故の被害者になってしまう可能性って誰にでもあるわけで、これって本当に運・不運なんですよね。乗客は事故を避けることができない……。けれど乗る車両は乗客が自分で選ぶことができます!私鉄で電車の運転士として10年以上働いている私が、プライベートで電車に乗るとき実行している重要なポイントをお教えします。

 結論から言います。私がプライベートで絶対の乗らない車両は「身動きができない車両」です。つまりぎゅうぎゅうに混雑した満員電車などです。なんだ、そんなことかと思いましたか?

 1948年の近鉄奈良線列車暴走追突事故をご存知でしょうか?ブレーキが効かなくなった列車が、前方の列車に衝突しました。事故当時、どの車両もほぼ満員の状態であり、それでいて事故の規模の割には死傷者が少なかったのは、暴走する満員の列車内で誰からともなく「後ろによって伏せろ」、「舌を噛むから歯を食いしばれ」「窓を開けろ(これは衝突時にガラスが飛ぶからではなく、空気抵抗で少しでも列車を減速させようとしたため)」声を掛け合って衝突に備えたからだと言われています。満員といっても多少の身動きがとれていたから、大事故にもかかわらず多くの人が生還できたのです。この事故でも身動きの取れないほどに混雑していた車両では死傷者が多かったそうです。想像してみてください。自分の頭も守れない状況で、追突事故に遭遇してしまう恐怖を。

 5分だから、1駅だから、改札に近いから、と身動きの全く取れない電車に我慢して乗る人って多いですが、1駅だからって、その駅に着くまでに事故や故障などで1時間車両から出られない可能性もあるんです。すぐ降りるから、と乗り込んだぎゅうぎゅうの車内で、周りの人と体が密着したまま電車が駅間で止まり、1時間そのまま。現実に起きることです。余談ですけど、電車の乗務員はいつ事故や各種のトラブルで運転見合わせになっても大丈夫なように、飲み物や非常食をカバンに入れている人って多いんですよ。

 この手の記事にありがちな「先頭車両は危ないから3両目以降が安全」とか「パンタグラフのついているモーター車は重たくて丈夫だ」とか、そういう理屈はケースバイケースで当てになりません。確かに福知山線の事故のような正面からの衝突なら1,2両目に乗らないことが安全だったかもしれませんが、列車事故では中間車両へトラックが衝突することや、後方から別の列車が衝突してくることもあるのですから乗る場所はあまり関係ないと私は思っています。同じ理由でモーター車を選んで乗る必要もないと思います。衝撃に対しては強くても、漏電からの列車火災ではモーター車はむしろ危ないですよね。

 各種の感染症やテロ、痴漢のえん罪被害にあう可能性を考えても、少しでも空いている車両を選んだり、ラッシュ時間帯を避けることで、自分を守れますよ。

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