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Transdisciplinary Designの教科書

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Transdisciplinary Designについて学びたい方のための記事です。
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#私の作品紹介

Transdisciplinary Designとは? (パーソンズ美術大学留学記 総集編) #184

パーソンズ美術大学のTransdisciplinary Designに留学し、1年生の全課程を終えました。デザイン初心者&海外生活も初めての生粋の日本人の私が、なんとかアメリカのデザインスクールで1年間過ごすことができました。我ながらあっぱれ。 こうした節目ということで、Transdisciplinary Designで何を学んできたのかをまとめてみることにします。自分の復習のためというのもありますが、「デザインって何?」という疑問を持つ方や、「海外でデザインを学んでみたい

【卒業制作】デザイン倫理を、禅で問う。質疑応答編 #304

前回の記事では、私の卒業制作についてご紹介しました。「禅をデザインに取り入れる」をテーマに設定し、New York Zen Centerでのフィールドワークから得られた学びを「Paradoxical Prototyping」というワークショップでデザイナーに伝えたというものです。 その後、Takram NYでの公開イベントやACTANTの社内イベントで私の卒業制作を共有する機会をいただいています。そこでの質疑応答でいただいたコメントがどれも的を射ていて、卒業制作の立ち位置や

【卒業制作】デザイン倫理を、禅で問う。 #300

パーソンズ美術大学・Transdisciplinary Designでの卒業制作が無事に終了しました。というわけで、私の卒業制作「Paradoxical Prototyping -How Zen Inspires Design Ethics-」をご紹介します。この記事を通してTransdisciplinary Designについても知ってもらえたら幸いです。 問題意識:デザインの功罪と倫理 デザイン(デザイン思考)を使えば画期的なアイデアが生まれてイノベーションが起き、社会

Care is...? (デザインリサーチ事例) #267

パーソンズ美術大学・Transdisciplinary Designでは、「Design-Led Reserach」という授業があります。この授業は週2回あり、約16週間におよぶ学期を通して3-5人くらいのグループで実際にデザインリサーチを行うというスタイルでした。 グループメンバーの選び方は先生が提示した単語(今回はBody, Perspective, Participation, Power, Movement, Care)から同じ単語に興味がある人同士で組むというもの

ニューヨークの中心で、未来を演じる #222

204X年、ニューヨークのマンハッタンはラットたちの戦場と化していた。特にタイムズスクエアを舞台に、北部に生息するラットと南部に生息するラットはその遺伝子的な違いを理由とする争いが絶えない状況なのだ。 2021年頃からその兆候は現れていた。というのも、ニューヨーク市の北部と南部でラットに遺伝子的な違いがあることは判明していた。ラットの数自体の増加も確認されていたが、ニューヨーク市はこの事実を問題視せず、十分な対策を講じることはなかったのだ。 しかし、ラットの世代交代は予想