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デザイン論

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デザイナーとして生きていく矜持を培うために学んだこと、考えたこと。
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#物語

デザイナーとライターの交差点 #312

私は肩書を「デザイナー/ライター」としている。パーソンズ美術大学・Transdisciplinary Designで修士課程を修了したので「デザイナー」であると自負しているし、公私ともに文章を書いているので「ライター」で間違いないだろう。「どうしてデザインを学んだのにライターも名乗っているの?」という疑問を抱くかもしれないが、実はデザインにはライターの役割が必要不可欠なのだ。 「デザイナーは物語の達人」デザインファームIDEOのCEO(当時)であるティム・ブラウンが上梓した

物語にあふれる世界で、デザインが果たすべき役割とは? #221

この記事のテーマは「物語なしには生きていけない人間に、デザインができることは何か?」です。未完成の仮説を書いているだけですが、それでも興味を持っていただける方は、是非最後までお付き合いください。 物語の中で生きる人間語り継がれる物語としての神話 神話とは、何千年も語り継がれる物語。神話のない民族はないと言われるほどであり、もちろん日本にも『古事記』という神話が存在します。その神話には大きく3つの役割がありそうです。 一つ目は世界の成り立ちの説明。この世界がいつ生まれ、ど