田中一光自伝 われらデザインの時代

2002年に亡くなった日本を代表するグラフィックデザイナーである田中一光の自伝。
無印良品の企業イメージや西武デパートの企業イメージ、Loftのロゴ作成をした人と言った方がピンと来る人が多いかもしれない。

自伝なので全体的に淡々と書かれているが、逆に変な考え方が入っていないので田中一光という人を知るには丁度良い一冊。
現在のグラフィックアートをする人は、少なからず影響を受けていると思うので、それを整理するには丁度良い。

自分には直接係わり合いは無い業界だが、デザインをする立場として基本である広告デザインは知らなければいけない世界だと思う。
特に最近では業界という垣根がなくなってきているので、表現する方法として積極的に広告デザインは取り入れなければならないと思う。
建築の表現でも、施主に説明する資料を作る時、コンペの提出書類を作る時、それら全て相手に対して売り込みをしている。
その原点というべき広告デザインは必要条件だと思う。

たまたま自分は学生時代の友人などがデジタルグラフィックの世界にいるので、その簡単な技術を教えてもらったりして最低限の表現は出来るけれども、やはりデザインの基本は押さえておかなければならない。
グリッドデザイン、文字バランス、ホワイトバランス、写真の使い方…色々課題はあるが、静止画が終わったら動画もある。

そんな奥深いデザインの世界だが、基本は手で書く事だと教えられる。
田中氏も認められるまでは毎日ポスターを描いていたと言う。

デザインの世界の本というと、作品集や技術書が多いと思うが、そうではない本を読むのも必要だと思う。
(元投稿:2009.12.15)

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