磯崎新の「都庁」-戦後日本最大のコンペ- / 平松剛

現在新宿西口に建てられている東京都庁、設計者は日本建築界のドンである丹下健三であるが、それはコンペによって決定された。
この本では敗れた磯崎新の立場からのコンペ案決定までの状況や日本建築界の歴史、磯崎新の生い立ちなどをうまくミックスさせて書き上げている。

コンペが開催されたのが1985年、自分はこの時まだ中学生であり、建築に興味があってもコンペなどはその存在も知りませんでした。
学生になり、社会人になり、色々勉強していくにしたがって「東京都庁コンペ」に興味を持っていました。
丁度そんな時にこの本が発行されて、しかも著者の前作がとても読みやすかったのもあり、迷わず購入しました。

内容は想像通り読みやすく面白かったです。
また、上記の通りそれまでの日本建築界の歴史がざっくりと書かれているので、その方面の入門にも丁度良いと思います。

最近では色々な建築思想などが出ていますが、その大元、古典とも言うべき丹下-磯崎世代の流れをまず先に知らなければと感じます。
(元投稿:2009.12.1)

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