空間の行間

建築家磯崎新と文学教授福田和也との対談集。
テーマとなる歴史的建物を決め、それに対応する文学を選び、その間に浮かび上がるさまざまな事を話していく、という形式で進んでいく。
例を挙げれば「伊勢神宮」と「古事記伝」を選び、その成り立ち、内容、思想はもちろんの事、それから派生する哲学や現代への影響など多岐に渡って対談されている。

正直言って内容が自分には難しすぎたために、半分くらいしか理解できませんでした。
建築・文学はもちろんのこと、文化・哲学・絵画・歴史などの知識が必要で、しかもどんどん固有名詞が出てくる。
それらの固有名詞を理解していることを前提として話が進んでいくので、わからない自分にはその時点で戸惑ってしまいます。
話の前後からどうにか理解して進むのですが、どうしてもついていけなくなる部分があります。
しかしテーマに拠っては自分の知っている部分もあり、その場合はとても面白い対談でした。
良くある、読者に対して合わせたレベルの低い対談ではなく、目的に沿ったレベルを維持している対談でした。

おそらくこれから何度と無く読み返す事になる本だと思います。
その度ごとに理解する部分が増えれば、それが自分の成長だと思います。
(元投稿:2009.12.12)

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