ハロー、アイラブユー ①
じいちゃんがしんだ。
ド早朝だった。
この日は仕事だから、慌てて仕事関連の人たちに連絡した。当然みんな寝ている。
おとんは仕事が終わったら直ぐにでも行くとのこと。まあでももう亡くなってるから、手続きだらけだろうから、という事で、その状況によって動く事にした。
結局翌日家族葬をすることにした。コロナがあるからね。小さく済まそうというわけで…。
遅れて数時間後に式場へ向かった。ややお疲れ気味のおとんと、冷たくなってるじいちゃんが居た。じいちゃんの顔をみると、眠っているようだった。今にもいびきをかきそうだった。しばらく眺めていた。
なんやかんやでばあちゃんや親戚が集まってきて、じいちゃんの思い出話みたいになった。
じいちゃんは頑固で偏屈者で、まったくもう!と言う感じの人だった、らしい。ばあちゃんやおとん達は苦労もたくさんしてきたんだろうな。そういう話をずっとしていた。
悪いところもあったけど、いいところもたくさんあったよ。
沢山苦労もしただろうけど、すごくすごく長い間一緒に居た2人は本当にすごい。
わたしは両親の様な夫婦になりたいし、祖父母のようなじいさんばあさんになりたい。彼氏おらんけどずっとそう思ってる。
たくさん話をして、ばあちゃん家に泊まった。
たくさん生きたなあ、とも言っていた。少し前に、じいちゃんと電話した時に、「もうここまで生きていると、死ぬ事は怖くない」と言っていたのを思い出した。
まあ92歳だからねぇ。でもわたしが92歳になったとき、同じことを思えるかしら。
私にとって、本当に素敵なじいちゃんだった。
周りが仕方のない人だねぇと言ったとしても、タバコや酒がやめられなくても、人の言うことを聞かなくても、わけわからん本をたくさん買ってきては線を引き、テレビを見てはメモを取り、それをしただけで満足してしまって内容を覚えてなくても、切り抜きを集めまくってどえらい量になっていても、難しいことをたくさん言いすぎて何言ってるかわからなくても
私にとっては本当に素敵なじいちゃんだったよ。
初孫だったからかな。わからへんねんけど、だいじにしてくれてた感じはわかってるよ。
じいちゃんは不器用でもあったから、私とおしゃべりするのもたくさん言葉を選んでくれてたこともわかってるよ。
私を本当に大切に思ってくれて、どうしようもなくとろけてしまいそうなくらい、優しい顔をして私を見ていてくれたことも、冗談が言えないくせに、照れ隠しに英語で挨拶をしてくることも、愛してくれてたことも。
爆笑するところは見たことないけど、よく笑ってくれた顔も忘れる事はないよ。
思い出すとキリがない。しばらくはこんな感じだろうな。
これからじいちゃんに話しかけるときは前置きにこの言葉を告げよう。
ハロー、アイラブユー。
※①とありますが、わたしの気が済むまでじいちゃんの話をするので、気が済むまで数字は続きます。すまんな♪自分でおもてたより、じいちゃんっ子みたいやわ
同じことを何度か書くかもしれません。すまんな♪
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