"宵のくちなし"との初めての共同企画を終えて

3月11日、午前7時33分。
昨夜の打ち上げが終わり、帰路についています。
The next station is Yoyogi-Uehara.

そこそこ長くなると思います。
面白い日記でも無ければ感動する日記でもありませんので、最寄りまであと2駅くらいの人にはオススメしません。


さて昨日の四谷ロータス。
まず御来場いただいた皆々様。
ご出演いただいた演者様。
本当にありがとうございました!!
終始賑わったフロアを観ていてとても楽しかったし、とても嬉しかったです。

昨日の主役は"宵のくちなし"というロックバンド。
まぁ売れてないよね、どうしようもなく売れてない。
下手したら同じ界隈の制作の人間でも知らない人の方が多いかも。
知名度的にはそれくらいのバンド。
でも売れてないからと言ってカッコよくないのか、と言われればそれは絶対的に違う。

"宵のくちなし"の昨日のステージどうでしたか?
まず僕個人としては、今まで観てきた中で、間違いなく1番でしたね。
それに緊急の代打で出てくれたトップバッター"オレンジの街"から、トリ前"東京、君がいない街"まで、バトンの繋ぎ方が最高だった、最高だったんだよ!
来てくれた人ならわかると思う、昨日出演してくれた全バンド、もっと多くの人に目撃してほしい、そう心から強く思ったし、そう思わせてくれるライブを彼らはしてくれた。

"宵のくちなし"は去年の12月にロータスに初出演してくれて、昨日で実は出てくれたのは2回目なんですよね。
2回目なのに企画。
正直、思い切ったなぁと思う。
初出演のときももちろん素敵なステージだったんだけど、そのとき打ち上げで話したことは今でも覚えてる。
「いつか企画とかやりたいね。」
そうなんとなくつぶやいた僕の一言が、"昨日"を実現させた。

人それぞれ考え方はあると思うけれど、打ち上げや精算のタイミングで次の出演を決めるのはあまり好きではなくて(断りにくい雰囲気にさせてしまうため)、宵のくちなしロータス初出演の日は次の出演は特に具体的なプランは決まらずお開きとなった。

数日後、宵のくちなしGt.Vo.片丘凪月からLINEが届く。

『3月あたりで企画やりたいんですけど、いつが空いてますか?』

いやまさか、とは思った正直。
もちろん向こうから言ってきてくれて嬉しくはあったんだけど、驚きの方が勝ってしまった。

だって場所は四谷。
ロータスというライブハウス。
バンドシーンに詳しい人でも知らない人の方が多いのが現状だ。
そんな地でイベントを企画したいと言ってくれた。

イベントの制作というお仕事は、正解がない。という点でとても難しい。
"好き"でなければ続かないし、"好き"だけでは通用しない。
売上をあげないと従業員の給料だって賄えないし、四谷という土地柄、家賃も決して安くはない。

『四谷というバンドシーンが根付いていない街で、新しくシーンを作りたい!』と言ってみたはいいものの、オファーしても返事すら返ってこないのはざらであり、日々悩み闘っている。
四谷ロータス、最近よく名前聞くね。って言われるようになりたい。

"宵のくちなし"というバンドは僕と初めて共同でイベントを企画するバンドになってくれた。
嫌でも今後付き合っていくバンドになると思う。
全然嫌じゃないし、好きだけど。
毎夜かわいくない?あの純粋な少年の目はどうしたらできるのか教えてくれ。

宵のくちなし全メンバーと僕、5人のグループLINEがある。
グループのタイトルは『3/10 企画大作戦会議』。
企画を決めた去年末から昨日まで、たくさんのやりとりをしてきた。

どのバンドをオファーするか、チケット代はいくらにするか、割引はするか、このオーディションに応募してみようか、などなど。
昨日になるまで日に日に"宵のくちなし"と着実に打ち解け始めているなと感じた。

全メンバー、入りからとても気合が入っていたし、心から楽しみな様子だった。

トップバッター、"オレンジの街"。
マイナス²の急遽のキャンセルにより公演2日前に代打として緊急の出演決定。
急な話を快く受け入れてくれてありがとう!
元々、宵のくちなしと仲良いバンドなので、今回敢えてそういうバンドを呼ぶのはやめよう、これから仲良くなっていきたいバンドを呼ぼう。と話をしていたのだが、急遽だったので仕方ない。
トッパーからバチバチに決めこんでくれた。
2日前の出演決定だっただけに、スタジオで一度も合わせることができなかったようだが、ステージを見ただけではそんなことはよぎらなかった、とても素晴らしいステージだった。
宵のくちなしの企画だったから、という部分がとても強いだろう。
トリ、宵のくちなしの演奏中に、しゅりくんが立った時は変に身内感が出てしまわないか勝手に心配してしまったが、そんな必要はなかった。
「明日になれは僕はきっと〜」に合わせ、フロア一帯が拳を高く突き上げていた。

マイナス²、またやりたいです。やりましょう!
お願いします!

2番手、"ハナミチ"。
MVで知ったバンド。
知ったきっかけの曲を聴けて胸踊りました。
去年一度お誘いさせていただいたのだけど、タイミング合わずで叶った今回。
ボーカル以外はサポートなんだけど、しっかりバンドとして一体感があった。
それはフロアの雰囲気が証明していた。
昨日あそびにきてくれた友達にハナミチのCD買いたいって言ってくれた子がいて、嬉しかったなぁ。
結局買ったのかはわからないけど、笑

3番手、"浪漫派マシュマロ"。
出演が発表されて少しして解禁された「トーキョーボーイズ」のMV。
昨日はじめましてだったので、このMVをみた段階では面識はなかったのだけれど、勝手に今後の浪漫派マシュマロの代表曲になるだろうと思ったし、1曲目からトーキョーボーイズは超アガった。
彼らはホッカイドーボーイズなのだけれどね。
そんな浪漫派マシュマロは、今月Zepp Hanedaで開催される、the shes gone、Maki、reGretGirlのスリーマンの前座を務める。
形としては前座だけど、彼らの名前すら知らないお客様に印象を残せる素質は十二分に秘めている。
今後勢いを増していくバンドだと思う。

トリ前、"東京、君がいない街"。
結成は昨年12月。ついこないだだ。
彼らは今とても勢いがある。
見放題前夜祭の1アクトとして抜擢され、知名度はまだまだながら、確実に右肩上がりではある。
見放題前夜祭の彼らを充分にカッコよかったのだけれど、昨日の彼らは別格だった。
フロアの雰囲気をいい意味でさらに一変させたし、宵のくちなし大丈夫かな、少しそうよぎった。そうつい昨日、四谷は君達がいる街だったのだ。

トリ、昨日の主催であり大本命、"宵のくちなし"。
ライブをみるのは昨日で3回目だけど、確実に過去最高だったし、彼らからみてもそうだったようだ。
完全ゾーンに入ってた。メンバー達は打ち上げでそう振り返った。
凪月のMC、いつもにはない種の説得力があった。
すみたはどうしたんだ、急に喋りだして。
いいこと言うじゃないの。
ステージもフロアも終始最高潮。
ボーナスタイムの初アンコール。
フロアから自然にアンコールが起こったのが凄く嬉しかったし、あぁ、こういう日が作りたかったんだよなって、再確認できた。

2022.03.10 宵のくちなし photo by kaiki(from Bandmerch)

"東京、君がいない街"と"宵のくちなし"は昨日を超えるライブはしばらくできないと思う。
そう言い切ってもいいくらいの圧倒感があった。
両者には当日になるまでかなり圧をかけたと思う。
それに負けなかった彼らはまた一つ確実に成長した。


制作の人間というのは、イベント当日は無力だと思っている。企画を考えたりオファーをしたりするんだけど、当日は演者、音響、照明がライブの出来の殆どを決めると言っても過言ではない。
音響も照明もできなければ、楽器だって何一つ弾けない人間なので、ライブキッズの心だけは忘れずにいたいなぁと。
ある意味昨日は安心して見ていられた。

またやりたいね!みんなと!

最後まで読んでくれた人なんて片手で収まるくらいでしょう、それくらい長くなってしまった。
大丈夫ですか?最寄りで降りれました?
ちなみに僕は乗り過ごしました。
それでは、また。

2022.03.11
四谷LOTUS 制作
海野 良太

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