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竹マルチでイモ栽培~挫折を経験し、5年目へ~

飯石地区では、令和2年から竹マルチを使ったサツマイモ栽培を行っています。
今年度で5年目を迎えますが、より設置しやすく、より被害を防げるかたちを見つけるために毎年改良を重ねています。


竹マルチについてと4年目の挫折を振り返る

①竹が邪魔をしてイノシシが掘り返せない
②サルがつるを引っ張っても竹が守ってくれて実は守られる
③農業ゴミの削減
④竹の活用
と、何かとメリットがある竹マルチ。

3年目までは畑の目の前までイノシシが掘り返していても、すべてのサツマイモを守ることができ、獣害対策としての実績を作っていましたが…
あと1ヶ月したら収穫できそう!とわくわくしていた昨年の9月中旬、イノシシの被害に遭ってしまいました。

↓詳しくはこちらの記事をご覧ください。


昨年の挫折を活かして

3年間うまくいっていたのに、ここにきて挫折を味わうとは。
まさかの展開にやるせない思いでいっぱいでしたが、今回被害にあった原因をしっかり検証し、5年目につなげようと前向きに考えました。

うまくいった3年目までと被害のあった4年目での大きな違いがひとつありました。
それは、畝に対して垂直に竹を敷いたこと。
もちろん垂直に敷いたのも目的があってのことです。
竹の長さを短くできて運搬が楽になったこと、畑の外側から竹を並べることができて作業しやすいことなど。
ですが、垂直に敷くと畝と竹の間に隙間ができてしまい、そこから鼻をつっこむことができたのではないか?という見解が多かったです。

4年目の原因をしっかり検証したので、今年は次のような形で実践することにしました。
・3年目までと同じく畝に対して並行に竹を敷くこと
・畑の規模を小さくすること
・竹マルチの固定や柵をする
・畑の周りにも竹を敷く

今年は収穫できるように!

サツマイモ植え当日。
毎年多くの方に参加してもらっている竹マルチ。
今年は皆さん口を揃えて「収穫したいね」と。
私たちの中ではもちろんショッキングな出来事でしたが、地域の皆さんの中でも「イノシシの被害に遭った」という印象は強く残っているようでした。
今年は絶対に収穫したい!

前述の改良点を伝え、作業開始。
毎年のことですが、みんなであーだこーだ言いながら、楽しく、効率よく作業を行います。
「この竹はどこに敷くだ!?」
「あそこの隙間を埋めらんと!」
いろいろな指示が飛び交いながら、何とか竹マルチの設置が完了。
サツマイモの苗は、昨年より本数を少なめて50本。

サトイモ、コンニャクイモ、そしてハーブ

竹マルチでの栽培はサツマイモだけですが、毎年同じ圃場にサトイモ、コンニャクイモを植えています。
今年はさらにラベンダーも植えてみました。

なぜラベンダーかというと、3月に雲南市出身で獣害対策について勉強をしている大学生から「獣はハーブを嫌がる」という情報をもらったことがきっかけです。
彼女は獣害対策として実績があるレモングラスを育てているとのことでしたが、なかなかうまく育たず、苦戦していると言っていました。
今年のサツマイモ植えのタイミングで何かハーブを植えられたら…と考えていたら、地域の方からラベンダーの苗をいただきました。
これは畑に植えるしかない!と、今回試験的に植えてみました。

竹マルチを続ける意味

本来竹マルチは、‟女性でもできる獣害対策”として始めました。
電柵やワイヤーメッシュをしなくても、家の裏にある竹を切り出して畑に敷けば獣害対策になるのではないか、と。

ですが昨年被害に遭ってしまったので、今年はサツマイモの収穫を最優先し、竹を固定したり柵を設置するなど、大掛かりになってしまいました。


大掛かりな対策をすることは趣旨からずれているように思いますが、私たちも住民の皆さんも思いはひとつ。
今年こそはイノシシの被害に遭いたくない!!!

本来の意図からはズレてしまいますが、どんなかたちであれ竹マルチを続けていくことに意味があると考えています。
被害に遭ったから竹マルチは失敗、と諦めてしまうのは4年間協力してくれた地域の皆さんにも申し訳ないし、何より3年間は成功していた実績があるので、試行錯誤しながら続けていけば竹マルチの最善策が見つかると信じています。

地域の皆さんと取り組んできた4年間を活かして、今年は獣の被害なく収穫するぞ!


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