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最近主流になりつつあるTOP DOWN MIXINGについて

最近何かと忙しく更新が亀のように遅い園崎藍梨です。今回は巷では主流であるあまり日本のミキシングでは見られないTOP DOWN MIXING(トップダウンミキシング)について書いていこうかなと思います。

独自のミキシング戦略を開発する

海外の最近の経験豊富なミキシングエンジニアやベテランのミキシングエンジニアを見ている方は気付いてる方は多いかと思われますが、とにかく早い作業速度で良い音で楽曲がミックスされてると思います。ミックス経験が浅い方と比べればサウンドも作業速度も違うのは一目瞭然だと思われます。
その点に関しては安心してください。経験豊富なエンジニアと比べれば多くの経験や特定の処理技術やテクニックなどとサウンドの音質など経験が浅ければ差があり、自分のミックスに自信がないのも当たり前です。
成功するミキシング戦略にはテンプレートの作成、特定の処理技術、最終的な理想の全体サウンドと幾つものパーツが組み重なり自分の形にしたい物がミックス後の楽曲です。

例として1つのレコーディングスタジオに10人のミキシングエンジニアが集まって1つの曲の最適なワークフローについて十人全員が同じというわけではなく10人の異なる意見があったりと色々とあると思います。その中でどの特定のワークフローが優れたミックスになり、何がそれほど優れていないミックスを引き起こすのかと、原因はビジネスワークフローでもありがちな自分自身を推測することだと思ってます。良い作品を良いミックスで時間をかけることはもちろん良いことですが時間をかければかけるほど人間的な落とし穴に陥りやすくなります。

経験豊富なエンジニアはどうやって自分自身を二度と推測し、楽曲全体像では「必要のない細やかな事に悩まされる必要はないか?最小限に抑えているのか?」楽曲制作でもミックスにはある程度の妥協と自信が必要になるかと、結局のところミックスは一連の決定を通じて構築され、経験豊富なエンジニアは自分自身のミックスに自信を持っており、ミックスプロセスを数ステップ先を見ることができ、経験と多くのミックスで自身で開発したセオリーを通じて決断をしっかりしていて、途中でいつでも調整ができると言う自信を得ています。

時間の短縮の方法

ミックスについての経験が浅い人はミックス全体のサウンドを放棄しながら一度に一つの楽器のサウンドに執着する事に多くの時間を費やすことがあると思います。この時間を少なく減らすポイントを2点紹介します。

・大きな違いをもたらさない細やかな所から始めるのではなく、楽曲のミックス全体的な聴いた時の感触に集中すること、一般的なリスナーはドラムでも細やかなハイハットのパンや細やかなモノよりも歌詞と楽曲の感触に反応します。

・素早く作業すること。先に進む事によって微調整をする事によるので1つの楽器やトラックこだわる必要はありません。予めにすでにそのジャンルごとのサウンド構築が出せるようなDAWのテンプレートプロジェクトを作成し、使う事で圧倒的に時間の短縮に成功します。

■HOW TO TOP DOWN MIXING

話は戻ってトップダウンミキシングアプローチについてになりますが、簡単に言うと最初に個々のミックス要素を全て処理をする訳ではなく、ミックスバスとサブグループを操作してミックスを開始し曲全体に集中することができるミキシング方法です


全てのミックス要素の最終的な目的地は、ファイナルミックスバスなのでどれだけミックスルーティングがどれだけ複雑になろうとも全てはミックスバスへ行くので、トップダウンミックスの教義はミックスバスから開始し。そこから逆方向へ作業する事になります。つまり、最初から処理済みのミックスバスにインし、ミックスバスとサブグループバスに適用する処理は、ミックスの全体的なサウンドに影響します。このようにして非常に短い時間でまとまりのあるミックスバランスの整ったサウンドにすることができます。

ミックスバスとサブグループでしっかりとしたサウンドを得られたら、最終的に個々のインストゥルメントトラックの処理をしていきますが、ステムミックスでは必要はないです。

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※マスタートップレイヤーのバス

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※グループチャンネルをサブグループレイヤー

このプロセスによって個々のトラックではなく、フルミックスのサウンドを総合的に処理することができます。トップダウンミキシングは「レイヤー」でのミキシングと考えることもできます。マスターをトップレイヤーとして開始し、これはミックス内で全ての楽器要素に影響を与え、次に中間層であるサブグループを処理します。この段階のミックスはそれぞれのサブグループにフィードする全てのトラックに影響します。最後に個々のトラックに到達します。最初の二つのレイヤーに処理する事により個々のトラックを処理を行うことはほとんどない(音作り上やPAN振り処理済みを過程での話)です。

■処理について

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ミックスバスコンプ

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まずはミックスバスコンプについて、マスタリングに進む前にミックスで圧縮する制限などの処理の量は多く議論はありますが、少なくとも全てのトラックが上手くブレンドされるのを助けるためにミックスバスコンプ処理が役に立つのは一般的な知識であります。トップダウンミックスでは最初にミックスバス処理をしておきます。もちろんのこと後にミックスコンプを挿すと今まで行ってきたミックス全体のバランスやトーンが変わってしまいます。

トラックをミックスバスまたはサブグループにルーティングしてミックスを開始し、曲を再生して基本的なフェーダーレベルを設定します。この初期段階の目標ではフェーダーレベルとパンだけでバランスの取れたミックスを再現することです。トランジェントを殺さずにトラックがゲル化するのを助けるためにミックスバスコンプを使用します。使用するコンプレッサーは「Glue Type」(Slate Digital VBC FG-Grey,Slate Solid Logic Bus Comp,Fair Child670等)を使用してみてください。

ミックスバスEQ

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個々のトラック録音の品質とその他の打ち込みの音源などのそれらが全体としてどのようにブレンドされるかに応じて、ミックス全体がいくつかのEQの恩恵を受ける可能性がある事に気づくかもしれません。フルトラックを再生しながら、ミックスバスでEQをして可能な限り全体的なトーンを取得するためにEQを入れます。ここでのEQの考え方はこのEQを通過する事で全てがよりよりよく聞こえるという事で、個々のバスまたはトラックで使用する後続EQはこのトップレイヤーEQを強化するために使用されます。

ミックスバスリミッター

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ミックスバスの処理についてはリミッターの役割を無視するわけにもいきません。クライアントはマスタリングされたレベルでミックスがどのように聞こえるかについて思うところがあります。マスタリングエンジニアはマスタリング処理をする為にある程度のヘッドルームの必要とする為にミキシングエンジニアはリミッター使用する場合は注意しなければなりません。

グラミー賞を受賞したNashvill Mixing EnginnerのCraig Alvin氏(Amy Grant,Vanessa Carlton)のマスターバスSSL BusCompとNeve33609 Compのいずれかをセット使用してます。もっとも大きいコーラスで-4dBのゲインリダクションがトリガーされ、次にコンプレッサーの出力に2dBメイクアップを追加してコンプレッサーの後にマスタリングリミッターを入れることを推奨してます。リミッターのしきい値を設定してミックス内でもっとも大きい音量で-6.5dBのゲインリダクションをトリガーします。

ここのプロセシングセクションではマスタリングされたラウドネスでミックスした楽曲がどのように聞こえるかクライアントに聞いてもらうセクションになります。

ミックスバスカラー

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ミックスに色を付け加えるのに様々な方法はあり、最近ではテープシュミレーターやチューブサチュレーションを使用しミックス全体を少し彩ってあげた方が良いと言われます。

最後に

今まで自分はずっと独学で楽曲の制作からミックスまで音楽に関することは一切何処かのスクールや専門学校に通ったというわけでもなく、ずっとインターネットを通じて自分で一人でやってきました。音楽を仕事にしてから色んなことに精通するクリエイターの方や仕事上で海外の方とも繋がれる機会を得てその場でプロデューサーやエンジニアの方にコンタクトをとって出会ったりしその中からセオリーを組み立て自分のミックスまで形にしてきました。そう思うと昔から色々と誰かに聞いておけばもっと早く成長に繋がれたのではないかなと悩んでたりします。今の時代は本当に色々と情報社会でわからなければ色々と調べればすぐに解決したり質問できたりするのでSNSのパワーってすごいなと思います。

また時間があれば何かしら紹介したりと音作り的なことも更新していきたいと思っております。よければTwitterとかNoteのフォローをお願いします〜


おまけでお仕事を共にしていたロック・メタルプロダクション海外のエンジニアの方と制作したAxe-Fxパッチとドラムサンプル置いておくのでご自由にお使いください。(一応正式にリリースする予定ではあるものいつリリースするかわからない)

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