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「またあの夢だ」 弥勒は同じ夢を繰り返し見るようになり、ここ数年は三日と開けず頻繁に見る…
年の暮れも近づき仕事も大詰めとなっていた小雪の舞う寒い日に、師匠の不空がふらりと現れた。…
その日は帰宅して早く床に着いたがなかなか寝付かれなかった。 弥勒は自身が大仏師となって造…
翌朝、夜も明けやらぬうちに家を出た。寒風が松飾りを揺らしている。 寒さが身に応える。 大和…
加波多寺に着くころには陽は西に傾き生駒の山並みが夕焼けに赤く染まっていた。 普賢寺に比べ…
山田寺を辞すと来た道を戻り松阪方面に曲がり初瀬街道に入る。 このまま行けば夜遅くには室生…