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シンプルなトースト

「高級食パンブーム」と言われて久しいですが、
今更と言うか、例に漏れずというか、
いつからか私も食パンにハマっています。

近所の食パンメインのパン屋さんで買うこともあれば、
出先で良い感じのパン屋さんを見つけて衝動買いすることも。
焼きたてのタイミングで買えると、パンが入った袋が湯気で少し曇っていて、
それを見ると、なんとも言えないほっこりとした嬉しさで胸が満たされます。
買ってきた日は生のまま、二日目はトーストして、残りは厚めに切ってアルミホイルに包んで冷凍しておきます。

落ち込んだ時とか、特に頑張りたい時とか、気分を上げたい時とか、
そういう時、冷凍庫にあるちょっと良い厚切り食パンをトーストします。

網で焼いてなにも付けず、

素うどんならず素トースト。
噛むたびに香ばしさと小麦の甘みを感じて、
ああ、美味しい。
底辺まで沈み切ってる時は、贅沢にバタートーストにすることもあります。
「井」の字に切れ込みを入れて、焼けたらバター塗って、もう一回軽く焼く。
すると、噛んだ時にバターがじゅわっと広がって、
口福の瞬間。
そうやって自分のご機嫌を取って、日々を過ごしています。

小さい頃、パン屋さんで選ぶのは、
チョコレートクリームの入ったやつとか、
フルーツたっぷりのデニッシュとか、
ウィンナーやたまごの入ったお惣菜パン。

でも、いつからでしょうか。
シンプルなパンが食べたいと思うようになっていました。
バゲットやカンパーニュ、ライ麦パン、クロワッサン、
そして、食パン。
気づけば、噛みごたえがあって、小麦やバターの味を感じられるものを選んでいました。

食パンもいくつか食べ比べてみると、トーストにするなら、生クリームたっぷりの甘いパンより「小麦です!」って感じのパンの方が自分の好みだということが分かりました。
付け合わせは、大体ゆで卵とサラダ、ブラックコーヒー。
シンプルなパンをシンプルに食べるのにハマっています。


小さい頃から食べることが好きで、
今も「食べることは生きること」だと思っています。
「食べたもので身体は作られている」ということ以上に
「どう食べるかはどう生きるか」で、
「誰と食べるかは誰と生きるか」なのだと
そんな風に考えています。
そして、
そう仮定するのなら、「シンプルに食べることはシンプルに生きること」になるのではないかと、
最近はそんな風に思います。

モノも情報も氾濫して
人との関わり方も複雑になっていって
様々なことが絡み合う現代で、
それでも、自分が「好き」や「居心地が良い」と感じるものはなにか、
自分はどうしたいのか、それがはっきりすれば、
不要なモノをそぎ落とすことができて、

きっとシンプルに生きていけるのでしょう。
言うは易く行うは難しとはよく言ったもので、

シンプルな食べ方はできても、シンプルに生きるには、まだまだ道のり半ばですが、
いつかはなにもかもを削ぎ落として、シンプルに生きていきたいものだと、
今日もシンプルなトーストをかじりながら想うのです。

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