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オールミルク記念日

12月20日(水)

夫の話が面白かった。

12月はやはりそれなりに忙しく、なんやかんや詰まっていた。
しかも今日は朝から、
「ミスしてた!!」
ということがあり、その対応に追われたり、それが結局ミスしてなかったから、対応したことをもう一回戻さないといけなかったり、なんとも無駄な焦りに一日中振り回されていた。
それに、決めなくてはいけないことがたくさんあった。
「決める」という作業は精神を少しずつ消耗させていく。一定期間に、正しい判断で決断できる回数は限られている。
だからスティーブ・ジョブズは日常生活での「選択」という作業を極限まで削ぎ落としていた、という話は有名な話だが、私はジョブズではない。
朝食メニューから始まり、ねぐせを直すか直さないかまで、毎日、
「どーしよっかなー。」
で始まる。ねぐせは直す。
だから、とにかく朝から消耗していて、数日前からの冷え込みも相まって夕方にはどっと疲れていた。
15時過ぎに昼食として何かを食べた。何を食べたか覚えていない。
救いは、夕飯のメニューがもう決まっていて、スーパーでまた、「どーしよっかなー。」をしなくてよかったことだ。
杏のYouTubeを見てやりたいと思っていた「常夜鍋」。
ほうれん草が安くなり2把も買っていたし、ふるさと納税で来た、レモンもあった。
あとはしゃぶしゃぶ用の豚肉だけ買って帰ればよい。
「常夜鍋」はとってもおいしかった。シンプルだけど、食材のおいしさが味わえたし、冷えた体に沁みた。杏が言ってた通り、醤油とレモン汁だけのつけだれがとてもよくて、ちゃんとビールにも合う。

子供は一緒に出した、とろろの方が気に入っていた。夫もたくさん食べてくれた。

子供たちは食べてすぐに2人で遊び始め、大人はまだ食べていた。
夫が今日会った人のスタバの頼み方の話を始めた。
私も面識がある、歳もそう離れていない人だ。
その人はシングルファザーで、四苦八苦しながら3人の子供を育てている。
身体に気を遣っており、栄養素などにも詳しい彼は、スタバに行った時にも、夫曰く、
「“ソイチャイティーラテ”とか頼むねん。」
夫としては、まず、スターバックスで「ソイミルク」を選べることを知らなかったらしい。
それは、まあ、興味が無ければそうなのかもしれない。
「それは、選べるでしょ。」
私はスタバをよく使っている人風に、ふんっ、とあごをあげた。
夫は興奮気味に続ける。
「しかも、オールミルクとかいうねん。」
「オールミルク」は私も頼んだことがないし、よくわからない。私もスタバのカスタムについて詳しくないことが露呈してしまった。
「オールミルクって何?」
「お湯を入れないで作ることらしい。外人に教わった一番美味しいカスタムらしいわ。」
「あー、なるほどね。今度やってみよう。」
まず、お湯を入れていたのか!!という衝撃は隠した。より濃厚なラテを飲めるカスタム。なるほど、上級者なのかもしれない。
「でも、この前は店員に伝わってなかってん。」
「ん?田舎だから初めて聞いたのかな?」
「いや、その時、“ソイチャイティーラテ、オールミルクのソイ”て注文してて。多分店員は、ソイチャイティーラテにソイ入ってるけど、最後のソイなんやねん、て思ったんやろ。」
その人が、これみよがしに夫の前で、
「ソイチャイティーラテ、オールミルクのソイ」
と注文して、店員がきょとんとする場面を想像する。
行き場のない「ソイ」。
宙に浮いた「ソイ」。
「…この、最後のソイはなんだ?」
店員は思う。
「…かけ、ごえ?」
店員は思ったかもしれない。
「『ソイチャイティーラテ、オールミルクのソイ』ではなく、『ソイチャイティーラテ、オールミルクの、ソイっ!!!』なのかも!」
と。
最後の「ソイ」が気合いだった場合、おそらく店員も受け渡し時に、
「ソイっ!!!」
というに違いない。
私は興奮し、すごく笑った。
ウケると思って、
「その『ソイ』はかけ声じゃない?それでさ!ー」
と、夫に説明したが、そんなにウケなかった。

本人がおそらく「オールミルク」にかけて放った「ソイ」が、一人歩きして、消耗した私の心を満たしてくれた。
そして、また、夫のする好きな話が増えた。

12月21日(木)

いつもより1時間も早く家を出られたので、「オールミルク」のカスタムをすべく、ドライブスルーのスタバに向かった。
ジンジャーブレッドラテがシーズンである。
私は、一応控えめに言った。

「ジンジャーブレッドラテ、ホットのトールサイズで、これって、オールミルクできますか?」

店員は、申し訳なさそうに言った。

「えーと、ジンジャーブレッドラテはティーラテではないので、そもそもオールミルク、といえばオールミルクというか…。」

なんと、「オールミルク」は、ティーラテ限定のカスタムだったのだ。そりゃそうだよな。エスプレッソに牛乳入れたのがラテなんだから。
それでお湯一切使わないんだったら、豆に直接牛乳かけろよ、しょうが入れて、だよな。

私は、すごすごと引き下がり、
「あー、そうですよね、大丈夫です。」
と、謎のなんかちょっとわかってた感じを醸し出しながらアクセルを踏んだ。
本当に、往生際が悪い。

そして、そんな『オールミルク』のジンジャーブレッドラテをすすりながら、この日記を書き始めた。

『仕事が好きか』という話

り、さんの仕事への向かい方が素敵すぎて、少し尻込みするが、私は今の仕事がたぶん好きだ。
レスポンスが早く、取り組みが直接、利益に結びつくことが単純に嬉しい。
それから、整っていないものを紐解いて、効率的に仕事をしてもらうように整えて行くのもやりがいがある。
お世辞にも、伸び盛りの業界とは言えない家業であり、批判にも晒されやすいが、やってる人たちは真面目で、尊敬できる人材が集まっている。
その人たちのために、もっと頑丈な会社を造らなければと思うし、そのためにもっと頑張らなくては、と思う。

じぇきゃさんの仕事の話も聞きたいな!

次のお題は、「お正月といえば」。
案外、自分家だけ!?なことがあるかも!

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