見出し画像

個人クリエイター向けゲームイベント・コンテストの主催者に、次回開催情報を聞いてみた!

Unity Japanのコミュニティ・アドボケイトの田村幸一です。2023年も始まりましたが、やはり新年の区切りは何か目標を立てて始めるのにうってつけです。そして、この記事を読んでいる個人ゲームクリエイターのみなさんも「今年はこんなゲームを作って世の中から注目されたい」「今年こそ自分のゲームが売れて欲しい」と考えていることでしょう。

そこで本記事ではそんな野望をお持ちの方々に、個人クリエイターさんを対象にしたゲームイベント・コンテストを3つピックアップし、それぞれの主催者のみなさんから伺った各イベント・コンテストの魅力や前回開催の様子、次回開催の概要などを紹介します。

長い間ゲームを作り続けている人も、これからゲームを作ってみようと思っている人も、これらイベント・コンテストへの出品・参加を決めれば、制作中・制作したいゲームにとって良い〆切が設けられ、作業にも没頭しやすくなることでしょう。また、多くのチャンスを得るために、すべてに応募するのも良いでしょうし、自分の作品や活動に適したイベント・コンテストだけに絞って応募するのも良いでしょう。

いずれにせよ、今年も個人ゲームクリエイターさんのためのチャンスが沢山あります。ぜひ本記事を読んで、ご自身の開発スケジュールにこれらゲームイベント・コンテストへの参加を上手く組み入れて、自分のゲーム作品のヒットを狙っていきましょう!

インディーゲーム 学生コンテスト「Indie Games Contest 学生選手権」を本年より開催! 展示・即売会「Indie Games Connect 2023」の出展募集開始。今年も出展料・入場料は無料。

【開催概要】
名称:Indie Games Contest 学生選手権
形態:インディーゲーム 学生コンテスト
エントリー期間:2023年1月16日(月)~2月23日(木)
授賞式:2023年4月30日(日)
授賞式会場:コナミクリエイティブセンター銀座(東京都中央区銀座一丁目11番1号)
詳細:https://www.konami.com/games/event/igc2023/contest.html

安慶名伸行さん
株式会社コナミデジタルエンタテインメント事業推進本部所属。Indie Games Contest 学生選手権並びにIndie Games Connectの主宰を務めている。

──初開催となるIndie Games Contest 学生選手権とはどのようなイベントなのか教えてください。

ゲーム開発に対する熱い情熱を持つ学生クリエイターに向けて、優秀な作品を通じて業界に羽ばたきたいと願う学生にスポットを当て、Indie Games Contest 学生選手権を開催することにしました。

IGC学生選手権での受賞=No.1学生クリエイターと呼ばれるような、多くの学生クリエイターの登竜門となるコンテストに育て上げていきたいと思っています。

──応募資格や基本ルール、エントリー期間など決定していることを教えてください。

全国の大学・大学院・専門学校の学生が対象で、個人・チームまたは学校制作の作品を持ち寄るコンテストです。テーマやジャンル、ゲームエンジン・ライブラリも自由で、プレイアブルであれば完成・未完成問わず応募が可能です。

エントリー期間は2023年1月16日(月)~2023年2月23日(木)となっています。2次審査(プレゼン会)を通過された方は、Indie Games Connect 2023会場にて授賞式を予定しています。オリジナリティあふれる作品の応募をお待ちしています。

──もう一つのイベント、展示・即売会 Indie Games Connectとはどのようなイベントなのか教えてください。

【次回開催概要】
名称:Indie Games Connect 2023
形態:インディーゲーム展示・即売会(展示60ブース予定)
開催日程:2023年4月30日(日)
会場:コナミクリエイティブセンター銀座(東京都中央区銀座一丁目11番1号)
作品応募期間:2023年1月11日(水)~2月26日(日)
詳細:https://www.konami.com/games/event/igc2023/
 
2022年から始まったインディーゲーム展示・即売会で、「つながり」をコンセプトに運営しています。

時間をかけて制作した作品を「より多くの人に遊んでもらいたい」「楽しんでもらいたい」というゲームクリエイターの想いを応援しています。そのため、ユーザーやサポーター企業など、ゲームに関わる全ての人たちとつながり、交流できる場として開催しています。

──2022年6月26日に開催した前回は、どのくらいの出展・来場者がいましたか?

ゲームクリエイターは、60ブース・72タイトルの出展がありました。初開催でしたが、大変多くの人たちに足を運んでいただき、大盛況でした。

──当日、特に印象的だったブースをお聞かせください。

一つに決めることはできないのですが、どのブースも盛況していました。会場内も常に満員で、出展いただいた作品はPCベースだけでなく、物理デバイス、VR、スマホなど、国内イベントの中でもジャンルは幅広く、特徴的なものが多かったです。

──2023年時の開催について、募集要項や出展エントリー期間など決定していることを教えてください。

「Indie Games Connect 2023」は、2023年4月30日にコナミクリエイティブセンター銀座にて開催を予定しています。目の前でゲームを遊んでもらったり、感想を直接受け取ったりすることを重視しているため、オフラインでの開催にしています。

先日1月11日に、ゲーム出展者向けの出展要項や相談会の情報、サポーター企業を発表しました。出展は前回同様に60ブースを予定しています。エントリー期間は2023年1月11日(水)から2023年2月26日(日)となっています。皆様のご応募を心よりお待ちしております。

──ゲームの出展や即売会以外に、予定している企画はありますか?

2つのコンテンツを予定しています。一つ目は、出展者が制作やプロモーションに抱いている課題を、サポーター企業へ相談できる「相談会」です。二つ目は、業界で活躍しているクリエイターや業界関係者による「セミナー」を予定しています。昨年も大変好評だったため、今年は規模を拡大して開催します。

──最後に、出展者や来場者、サポーター企業に向けて、メッセージをよろしくお願いします。

出展者は「展示会」と聞くと、敷居が高く感じるかもしれません。しかし、前回は「初めてゲームを出展する」という人たちも多かったです。初めてでも参加しやすい展示会となるように運営を工夫していきます。また、たくさんの人たちに作品を体験してもらえますので、ぜひこの機会をご活用ください。

さまざまなジャンルや遊び方のゲームが数多く出展されますので、来場者にとっては、まだ世に出ていない名作やクリエイターに出会えるチャンスです。インディーゲームの盛り上がりを会場で感じてください。

出展費用や来場料は共に無料です。お気軽に、ご参加いただきたいです。

「ゲームクリエイターズラボオーディション」年間最大1,000万円で好きなゲームを開発!

【次回開催概要】
名称:ゲームクリエイターズラボオーディション Vol.3
形態:ゲームコンテスト(選出者には年間最大1,000万円の支援)
作品応募期間:2023年2月中旬~3月末(予定)
詳細:https://creatorslab.kodansha.co.jp/topics/1151/

片山裕貴さん
講談社の新規事業開発部クリエイターズラボでインディゲームクリエイター支援プロジェクト「ゲームクリエイターズラボ」のチーフを担当。

──講談社が運営するゲームクリエイターズラボとは、どのようなプロジェクトなのでしょうか。

ゲームクリエイターズラボは、「年間最大1,000万円差し上げますから、好きなゲームを作りませんか?」という惹句で、年1回、ゲームクリエイターを募集していました。

著作権はゲームクリエイターに帰属し、弊社の担当編集者が全力で制作のサポートをします。ゲームの形態はデジタル・アナログどちらも可能で、開発中か未発売、または企画書の時点でご応募いただけます。

2022年7月からは「ゲームクリエイターズラボオーディション」という名称になりました。支援内容はそのままで、募集頻度が1年ごと・年1回から「3カ月ごと・年4回」に変わりました。

これなら万が一、提出が間に合わなくても、3カ月後には応募できます。「締切がないとダラダラ作ってしまうので、短期的なマイルストーンがあるのは嬉しい」とクリエイターからも意見をいただいています。さらには、同じ作品を何度でも応募可能にしています。なので、作品が通らなかったとしても、修正して再挑戦できます。

ゲームクリエイターズラボオーディション募集開始と同時に、制作したゲームを持ち込んで相談できる会も開催しています。開発で困っていることの解消や、ゲームをより良くするためのヒントとして、多くの人たちが活用してくれています。

ゲームクリエイターズラボオーディションは、講談社が漫画家や小説家と培ってきた力を、ゲームクリエイターにも提供することから始まったプロジェクトです。ゲーム会社としての独立を目指しているのではなく、漫画や小説の編集部と同じように「ゲームの編集部」を目指しています。

──2022年7〜9月に募集した「ゲームクリエイターズラボオーディション Vol.1」の応募数や選出された作品の特徴について教えてください。

1人につき複数の作品を提出でき、351件の作品が寄せられました

今回選出したのは、うりもさん(@ShiitakeUrimo)の『このバトルはあとでやります(仮)』とmt.saji(さじやま)さん(@sajiyama1gome)の『きのこめあ』です。

『このバトルはあとでやります(仮)』は、敵と遭遇した時に戦闘を「さきのばし」できるという斬新な機能と、パステルカラー調の気だるげなビジュアルがマッチしています。今までありそうでなかったRPGです。

画像は開発中のものです

『きのこめあ』は、デスループを繰り返しながら謎を解き、300歩以内に屋敷から脱出するというやり応えのあるゲームです。「キノコに寄生された女の子」というダークな世界観も魅力です。

画像は開発中のものです

──次回のゲームクリエイターズラボオーディションについて教えてください。

次回は、ゲームクリエイターズラボオーディションVol.3です。エントリー期間は2月中旬から3月末までを予定。ただ、アナログゲームについてはデジタルと性質が異なるため、支援体制の変更を検討しています。

──作品が選出された人たちには、どんな特典があるのでしょうか。

年間最大1,000万円の支援金をお渡しするのはもちろん、ゲーム制作に専念できるように担当編集者がサポートします。講談社としては、ローカライズや広報・宣伝などのパブリッシングも手伝います。最近、モーションキャプチャーが使えるスタジオを整備しましたので、制作の幅を広げるためにも活用いただけたらと思います。

編集者担当者が応募者の作品を体験し、フィードバックしている様子

──ゲームクリエイターズラボの特色はありますか?

一つは、紙媒体の編集経験があるメンバーが、サポートすること。もう一つは、書籍や広告を扱う講談社だからこそ、活用できるものがあることです。例えば、2022年8月に、ラボ1期生のネコゲームティーチャーさん(@nekogameteacher)が制作した対戦アクションゲーム『FAMILY BATTLE タッグアリーナ』の発売を記念して、オンライン大会を開催。「週刊少年マガジンのバックカバーへの掲載権」を優勝景品としました。このように他の講談社媒体を絡めた戦略を取れるのは、ゲームクリエイターズラボの強みの一つです。

──最後に、ゲームクリエイターズラボオーディションに応募しようとしている人たちに向けて、メッセージをお願いします。

インディゲームクリエイターの方々には、その人にしか作れないゲームがあると信じています。また、そのような強みが存分に発揮された作品と出会えるのが楽しみです。尖った才能を全力でサポートしていきたい想いがありますので、ぜひご応募お待ちしております。

「INDIE Live Expo」視聴数1,630万以上!全世界に作品を発信できる

【次回開催概要】
名称:INDIE Live Expo 2023
形態:インディゲーム情報番組(日・英・中の3カ国語で全世界に同時配信)
開催日程:2023年5月(予定)
作品応募期間:後日発表
詳細:https://indie.live-expo.games/

小沼竜太さん
INDIE Live Expo実行委員会の代表を務める。普段は、ワールドワイド向けの大型ゲームのマーケティングやプロモーションの協力、そして、インディーゲームデベロッパーやパブリッシャーのパブリッシングサポートも手掛けている。

──INDIE Live Expoとは、どのようなイベントなのでしょうか。

日本語・英語・中国語(簡体字)の3カ国語でインディーゲームを全世界に紹介するオンラインイベントです。INDIE Live Expoの特長として、世界にゲームの情報を届けるだけでなく、同時にセールもしています。つまり、宣伝と販売が同時にできる世界最大級のオンラインイベントなんです。

──2022年12月に開催されたINDIE Live Expo Winter 2022で、紹介されたタイトル数や視聴者数を教えてください。

250タイトル以上を紹介しました。また、全プラットフォームと全ての言語を合わせると、1,630万以上の視聴数となりました。

前回は初めての取り組みとして、ゲーム実況者を中心としたプレイベント「THE PRESHOW」を開催前夜に行いました。多くの実況者が訪れ、イベントを盛り上げる要因にもなりました。

※INDIE Live Expo Winter 2022のアーカイブは、日本語・英語・中国語(簡体字)ともに公式サイトより視聴可能です。

──INDIE Live Expo Winter 2022で印象に残っている作品をお聞かせください。

一つは、悪人の頭の中をお花畑に変えるテキストアドベンチャーゲーム『MINDHACK』です。テーマやアニメーションの演出から、世界に通じる才能や可能性を感じました。

もう一つは、100日後の決戦に向けて戦闘や育成、探索、ストーリーなどの要素をクラフトする『つるぎ姫』です。これまで大作を手掛けてきたクリエイターが、まさにインディーな体制で開発と販売を手がけているそうです。INDIE Live Expoの精神と合致しているので応援したいですね。

──次回の「INDIE Live Expo 2023」で決まっていることなどありましたら、教えてください。

2023年5月頃に開催予定です。正式なスケジュールは、追って発表する予定です。メインはオンライン開催ですが、前回の「THE PRESHOW」のような、オフラインとオンラインを融合したような試みは今後も続けていく予定です。

──INDIE Live Expoのアピールポイントはありますか?

インディーゲームの情報を、初出しするのに適した場です。毎回、Steamセールを実施しており、他プラットフォームにもセールの呼びかけをしています。

今後は、ゲームを宣伝するだけでなく、実際に手にとっていただく場として強化していきたいです。INDIE Live Expoを、自身の作品のマイルストーンとして設定いただけると、より活用しやすくなると思います。

──参加を考えている人たちに向けて、メッセージをお願いします。

INDIE Live Expoは「独立不羈の精神」を重視しています。自分の責任で、自分の作りたいゲームを作るのは非常に尊いことです。

さらに、宣伝と販売も重視しています。ゲームは作るだけでは完成せず、多くのユーザーが手にとり、遊ぶことで完成すると考えています。なおかつ、それらを「自らの責任で行いたい!」と考えているディベロッパーを今後とも応援していきたいです。まさに、それこそが独立不羈の精神の表れですからね。

そういった方々が積極的にINDIE Live Expoを活用できるようサポートしていきますので、ぜひご連絡ください。

最後までお読みいただきありがとうございます。ぜひTwitterもフォローしてください。