C104参戦記(上)「同人に本気 オッチャホイに本気」
こんにちは。国際単位系(しのはら恵/シャーロットエース)です。先日同人活動用として、「しのはら恵」という名義を加えました。だんだん自己紹介が長くなりつつありますが、どうしたものでしょう。
さて、今回は、私がコミックマーケット104(以下、C104)にサークル「天然ウナギ専門店」にて頒布した『カゲフミ! vol. 1』の制作記です。当日の模様などは現在執筆中。投げ銭ラインを末尾に設定しましたが、全文無料でお読みいただけます。
note以外の記事・制作物も含めた一覧は自身のWebサイト「シャーロットエースの部屋」からご覧ください。
フリウリ風 売り子
不思議に思われた方も多いのではないでしょうか、国際単位系は、売り子担当ではないかと。今までに参加した3回のコミケは、いずれも売り子でした。今回も最初はその予定でしたが、ある大誤算がありました。ウマ娘の映画『新時代の扉』です。
まだ観ていない皆さんはいずれ来たるテレビ放映や配信でご覧いただくとして、ここでは内容には触れませんが、非常に心動かされる良い作品です。
東京都府中市には、大きなレースの舞台となる東京レース場、ウマ娘たちの通うトレセン学園の二つが位置するため、映画に限らずウマ娘の各作品に同市の映像が多く登場します。中でも映画では府中市が極めて緻密に再現されています。何度も何度も劇場に通ううちに、あるアイデアが浮かびます。
今まで2年間、サークル主、春瀬(でぃめ、@41_36_22)のサポート役として天然ウナギ専門店に籍を置いき、でぃめを近くで見ているうちに、自分も本を出してみたい、というぼやっとした憧れを持つようになりました。私は絵も描けない、文も書けないとあきらめていましたが、ここで地理という私の得意分野とウマ娘が繋がりました。
ウマ娘に登場した場所のまとめを掲載できたら面白いのではないか、と考え、本を作ろうと決意します。そういうわけで、執筆者「しのはら恵」としての戦いがここに始まります。
府中へGo!
そうと決まれば、さっそく現地取材です。府中市街の取材ももちろんですが、競馬場は土日のみの開場。優先的に見てまわることにしました。
6/23(日)は春の東京開催最終日のため、終了後にターフ開放イベントがあると知ります。ターフ内からの撮影は貴重な機会なので、カメラを借りてこの日に備えます。
カメラレンタルは2泊3日が最小構成。前日の昼に借り、午後・取材日当日・翌日午前と3日間府中に通って写真を撮りまくりました。なんでこういう時に天気が怪しいんだ! 天気はともかく、結構満足のいく写真を撮れたので良かったです。(と、その時は思っていたのですが……)
撮ってきた写真をまとめて、誌面を組みます。ある程度形になったところで再度劇場に行くと、あらびっくり。欲しい写真が全然足りていない!! 当然映画のカットは全て記憶するしかありませんが、お話が良すぎて毎回泣かされてしまうので、背景に集中できません。結局映画は試写会含めて13回、府中には累計7日間出向き、写真を集めました。まさに府中と劇場の交互浴。作中でウマ娘が通った道をウォークラリー化して載せるコーナーなども思いつけたのは、通い込んだ甲斐があったのかなぁと思います。映画行くたびにアクスタが増えていったのはナイショ。
毎回カメラを借りるとレンタル代で破産してしまうところですが、見かねた高校の友人がミラーレス一眼を貸してくれました。本当にありがとう。(Twitterに上げた写真は基本的にスマホです。) カメラも欲しくなってしまった、助けて~~~~
宝の地図
モデル地探訪情報誌が地図を掲載しないわけにはいきません。現地の写真が集まったら、次は地図作業にかかります。地図は、国土地理院が無償で公開している電子地図「基盤地図情報」を利用しました。また、競馬場のコースを示す点線は基盤地図情報に収録されていないため、同じく国土地理院が発行する有償の「国土基本情報(数値地図)」も別途購入しています。
QGISという無償の地図情報編集ソフトで必要な情報を抽出、イラレで文字情報や鉄道施設を書き加えています。高速道路・国道・主要道路はクリスタで地道に塗り分けました。この作業がかかるかかる。トータルで3日くらい費やしています。ほとんどほかの写真やコーナーロゴに隠れるのに……
オッチャホイに本気
府中の取材もなかなか成果がありましたが、写真をまとめて掲載するだけでは訴求力が無いので、雑誌風にしてページ数を増やそうと考えます。この時に思いついたのが、私のもう一つの得意分野、料理です。
体力勝負のウマ娘たち。作品には、とにかくたくさん食べる彼女たちの姿が描かれています。ニンジン料理はウマ娘作品の名脇役と呼んでもよいでしょう。『新時代の扉』には、「ニンジンオッチャホイ」という料理が(名前だけ)登場します。オッチャホイとは、新潟県新発田(しばた)市のある食堂で提供されているマイナーな麺料理。作り方もあまりよく知られていないため、これのレシピを開発することを柱に第二特集が決まりました。
という訳で、行ってきました、新潟新発田。取材前にも自宅で試作をしていましたが、いざお店で食べるとそれは想像と全くの別物。レシピはイチから作り直しですが、それゆえ価値のある取材でもありました。途中電車に置いて行かれて自転車で新潟を爆走したのはまた別の話。電車本数無いのね 本誌ではニンジンオッチャホイのレシピのほか、本家オッチャホイの食レポも掲載しています。
ん!
Bon Appétit!
オッチャホイの他にはWebアニメ『ROAD TO THE TOP』で登場した「焼きニンジンのチーズのせ」、1期やショートアニメ『うまゆる』などで登場の「ニンジンハンバーグ」など簡単なメニューでお茶を濁す予定でしたが、ここで二つ目の"大誤算"。新育成シナリオ『大豊食祭』編です。
このシナリオをざっくりお話すると、学園内の畑でお野菜をたくさん作り、それ食べてウマ娘が強くなっていく、という筋書きです。上記の「GIプレート」は、ウマ娘たちがレシピを考えていく中で最終的に到達するひとつの完成形で、物語上も、ゲームプレイの上でも非常に重要なひと皿となっています。ウマ娘のレシピコーナーを銘打ってこの料理を載せない選択はもはやありませんでした。急遽レシピ開発を行います。
あくまでレシピコーナー、完全再現よりも美味しく食べてもらうことを優先したので、一部のメニューにはアレンジを加えています。たとえば、フライドニンジンは先端が焦げやすいうえ、合うタレがない、衣の食感もニンジンと合わないなど、正直なんとも微妙でした。そのため、これは焼きニンジンにチェンジ。他にも、デザートに手軽だが華やかなムースをチョイスするなど、テストの上で原作からいくつか変更しています。
しかしまぁ品数が多いのなんの。私とて一度に食べられる量には限界があります。〆切に間に合わせるには、地道に毎食研究を進めるほかありません。開発には全部で2週間くらいを要しましたが、同じものを食べ続けるのはやはり大変ですね。レシピ開発と誌面用の撮影と合わせて、30本くらいニンジンを食べたのではなかろうか…… ちなみに、レシピコーナーの背景は、麻布の実写です。
誌面用の写真は秋山翠花(@MTDTR_tk)に手伝ってもらい(前日に呼び出してごめん!本当にありがとう!!)、レンタルスペースを借りて撮っています。ポトフや麻婆豆腐などは事前に仕込んで、麺類などを現地のキッチンで仕上げて撮影しました。スーツケースを引き、段ボール製のクーラーボックスを抱えて電車に乗る2人のおたく達、さながら不審者ですね。夕方にアルバイトがあり、じっくりご飯を食べたりできなかったのが心残りです。残りは持ち帰って数日分のごはんとなりました。
そんなこんなで、必要な素材がようやく集まりました。あとは編集して入稿するだけですね、簡単!! 当日などの様子は後編に続きます(現在執筆中)。
『カゲフミ! vol. 1』はBOOTHにて頒布中です。国際単位家よりまごころ込めて発送します。
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