イギリスお部屋探し

現在わたしは2階建て一軒家のひと部屋を間借りしている。

Semi-detached HouseなのかTerraced Houseなのか、
自分の所有空間以外には興味がないので、細かい違いはよくわからん。

大家というかオーナーの女性が1階を自分のプライベート・スペースとして、
2階の2×bed rooms を貸し出している。

集合住宅(Flat)でないかぎり、イギリス人の家にはたいてい庭がある。
植物・ガーデニングに一切興味がなく、
庭先で日光浴に興じる趣味もないわたしには用がないので、
自由に庭へ出入りしていいと言われても、行くことはない。

リスはしょっちゅう居る。
(公園はもちろん、街中からちょっと離れただけの住宅地にもふつうにリスが出る。
最初は「かわいい~」とか思ってたけど、これだけいると愛嬌のあるネズミぐらいにしか思わない。
ちなみにイングランドで見かけるリスは灰色がかった外来種で、
在来種である赤っぽいリスはスコットランドとか、ブリテン島北部にしか残ってない。)
よくわからん、スズメっぽいけどスズメじゃない鳥とかもいる。
カラスやハエ、蚊もいるけど、それ以上にハチが多い。
街中のゴミ箱には、なぜか知らんがハチがたかっている。

ホームステイ先(語学学校修了後も、家賃をはらって住んでた)を出ることになって、
今の部屋にひっこしたのが3月上旬。
その頃はまだコロナ騒動が深刻化してなくて、いま思えばギリギリで良いタイミングだった。

ロンドンに住んでる日本人はMix-B?とかいう掲示板で部屋さがししたり情報交換するのが一般的らしいけど、
わたしが住んでるのはロンドンじゃないので、これはほとんど役に立たない。
この地域の掲示板っぽいの(MixBとは別もの)もあったけど、新しい情報が更新されてなくてほとんど機能してない。

で、どうしよっかな~って、とりあえずググる。
なんだっけ、「Rent Room 〇〇(都市名)」とかでやったんだっけ。とにかく普通に部屋さがし「賃貸 東京」でググるのと同じテンションで検索かけて、
現地の人が一般的に使うような賃貸サイトを発見。

なんか色々種類があったんだけど、最終的にはSpare Roomっていうサイトをつかった。
インターフェースはAirbnbとちょっと似てるかも。
住みたい地域とか家賃とか、希望条件をいれて検索。よさげな物件にチェックつけて、個別に内見をもうしこむ。
オーナー個人がアップしてる部屋もあれば、不動産事務所っぽいのが仲介して公開してる部屋もある。

で、このサイトでよかったのは、自分から希望の部屋にアクセスするだけじゃなくて、
自分のプロフィール(希望の条件とか、きれい好き・女性・学生とか)公開できて、
それを見たオーナーの側からもアプローチがあること。
これは、テナント(賃借人)をさがしてる個人オーナーが「自分のもってる部屋、あなたの希望にあうよ!」(ちょいちょい合ってない)とみずから売りこんでくるもの。
じぶんの希望条件しぼりこみから漏れたけどいい物件が見つかることもあるし、
希望の部屋は競争率たかくて内見アポイントメントとるのも難しかったりした時に、
「ぜひ来て!」と言ってくれるオーナーとコンタクトとれるのが嬉しい。

サイトの写真はだいたい新築時のもので、内情は8割マイナスで汚かったり荒れてたりするので、内見は必須。

イギリスは日本みたいな個別独立式の集合住宅は少ないし家賃がたかいので、
シェアフラット/シェアハウスが一般的。

シェアフラットは、パッと見アパートっぽいんだけど、キッチン・バスルーム・あと通路が共同。
寮みたいなイメージかな?
各部屋にきっちりしたセキュリティ・ロックがついてたり、そんなものなかったり、
なんでも似たり寄ったりの日本とちがって個性がはげしいので、
セキュリティとか不安なひとは見極めましょう。

フラットの規模(部屋数・入居人数)に応じて複数のバスルームがあったり、1~2週間ペースで共有スペースにクリーニング業者がはいるところも。
ただし、Cleanerが入るところも、日本人がおもうような誠意をもって仕事にあたらないので、細かい汚れは放置。
手がとどかないところとか、家具の下とか、入居者が家具を移動させて乱したとあとか、そういうのはそのまま。

入居者(Flat mate)間で分担して掃除するところはもちろん、Cleanerが入るところでも、
結局は入居者間のモラルが重視されるけど、
悲しいかな、家賃が下がればさがるほど、高い意識は期待できない。

日本人からみるとビックリするような惨状でも、
内見時の付添人(オーナーとか不動産業者)はまったく動じてない、むしろ「すごく良いでしょ」と言いたげだったりする。
いや、マジ、こんなとこ住めないから。

入居者同士の関係性もさまざま。
わたしは結局シェアフラットしなくてシェアハウスだし、
ホームステイ先もシェアハウス状態だったけど、そもそも語学学校の友人だったりしたから、
実情がわかんないけど、たぶんあんまり干渉し合わないとおもう。

そもそもホームステイでさえ、家族間での関係性もふくめ、
個々のプライベート・自律性を尊重する空気がつよいので、
一緒にすむから毎食いっしょで、いっしょにTV観てあそんで、いっしょにお出かけして、みたいなベッタリ感はない。
夕食とか、必要な時間の共有以外はおのおの好き勝手してる感じだ。

職場の人とかの話をきくかぎりでも、同居人とはたまにフラット内ですれ違うだけ、
そりゃ会えばあいさつぐらいするんだろうけど、
お互いが何してるのか、いるのかいないのかも意識しないぐらいの関係性らしい。

まぁ、建物といくつかのスペースを共有してるだけでまったく別の個室の住人なんだから、
マンション・アパート内で別室の住人と交流がないのとおなじ感覚なのかもしれない。

シェアハウスの形態もおおい(持ち家率のたかいイギリスでは、子どもの独立や親の死去などで余った部屋を貸し出すことが多い)けど、
部屋数とか規模がちいさいだけで、入居者同士の関係性はそんなに違わないかも。

もちろん、同居人と仲よくしたい人は自分から積極的に話しかけて仲よくすればいい。
でも、そういうのが鬱陶しい人は、そんなに心配しなくてもふつうに自分の空間を確保できる、とおもう。
結局は入居者によるけど。


わたしはかなりラッキーで、Spare Roomで丁寧なメッセージを送ってくれた(わたしの見つけた部屋じゃなくて、オーナーからのアプローチ)今の部屋に決めたんだけど、
ここは1階のひろいキッチンのほかに2階にもテナント(入居者)用のキッチン(日本の一般的なアパートのキッチン・スペースぐらいある)があって自由につかえるし、
わたしが入ったときに居たハウスメイト(偶然、日本人)はもともと4月に帰国予定だったのをコロナの影響ではやめて早々にいなくなったし、
オーナーがトイレとお風呂、2階キッチンに組み込まれてる洗濯機をつかいに来る以外は、ほぼ1人で2階部分を独占しているのだ。

オーナーはまぁ、ちょっとエキセントリックで面倒くさい(イギリスはエキセントリックな人がおおい、というかちょっと変な人をひろい「普通」の幅のなかで受け止める土壌がある)んだけど、
コロナの影響もあってお茶だなんだ誘うのも遠慮してくれるし、気乗りしないことは断ればいいし、
まぁ適当な距離感でつきあうようにしている。


あと、Private(個人)での賃貸契約がおおいイギリスでは、
入居者が入れかわる度に入念な業者クリーニングとかない(やってる所もある…と信じたい)ので、それが気になる人はそもそもイギリスに住めないかも。

わたしはそういうの気になる性質(たち)だけど、イギリスにいる以上日本にいる時の価値観レベルを放棄するようにしているので、まぁ大丈夫。
日本に帰るときは、多分ほとんどの持ち物を捨てる。
※外出した洋服でベッドに入れないタイプ。必ずお風呂にはいってパジャマに着がえる。
そもそも、捨ててもいいものしか持ってこなかったし。


イギリスではFurnished(家具つき)の賃貸が一般的。
ベッドや机・照明や戸棚はもちろん、調理器具や食器も備えつけのところが多いので、
持ち物がすくなくていいのは魅力的。

でもな、う~ん、戸棚のうらにつかわなくなった棚(?だか何だか、謎の家具)があったり、
そういう他人の生活の痕跡が不快なじぶんにとっては、決して快適とはいえないわけで。

あと、イギリスの家庭にはエアコンってないね。
ラディエーター(温水をとおすことで部屋をあたためる暖房器具)はあるけど、クーラーはない。
石造りで、外があつくても室内は冷えることが多いのと、湿度がひくくて過ごしやすいからかな。


まぁ結局なにが言いたいかって、イギリスに憧れる日本人はおおいと思うけど、
観光はいいとして住んでいいことはあんまないよ、って事かな。
なんかオシャレっぽい生活に憧れてるひとは、日本の自由が丘にでも住んだらいい。
「○○を勉強したい!」「〇〇を身につけたい!」とか強い目的意識がないかぎりは、
イギリスに住むメリットって別にないと思うんだよなぁ。

とにかく日本は世界最高。
すべての水準が高すぎて、ほかの国と比較したときになかなかウィークポイントを見つけられない。

政治体制とか?
まぁダメなところもいっぱいあるし、くだらない国ではあるけど、
あの居住環境に慣れた潔癖・神経質な人間にとっては、ほかの国に住むって冒険だよなぁ、とおもうのです。

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