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雇用保険

こんにちは、UCnote担当です。
公的保険を追いかけるシリーズ。今回は雇用保険です。
私も転職時にハローワークにお世話になったことがあります。支給は受けられませんでしたけれど。というわけで調べていきたいと思います。


■結論

  • 失業や休業時と、雇用機会の増大及び能力開発等を目的とする。

  • 正規雇用は原則全員、パート等でも対象になる場合がある。

  • 保険料は源泉徴収される。


■雇用保険

▼概要

雇用保険は、

労働者が失業してその所得の源泉を喪失した場合、労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合及び労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合及び労働者が子を養育するための休業をした場合に、生活及び雇用の安定並びに就職の促進のために失業等給付及び育児休業給付を支給 失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図るためのニ事業を実施 する、雇用に関する総合的機能を有する制度です。

ハローワークインターネットサービス 雇用保険制度の概要より引用


給付の支給と雇用機会の拡大が主な制度内容です。 給付は、失業等給付と育児休業給付があります。

▼被保険者

雇用される労働者は、本人の意思にかかわらず原則被保険者になります。 パート・アルバイトでも以下の条件を満たした場合対象になります。

  1. 一週間の所定労働時間が20時間以上ある。

  2. 31日以上引き続き雇用される見込みがある。

また65歳以上の労働者には、マルチジョブホルダー制度があります。複数の事業所で働いている場合でも、雇用保険の対象になれる制度です。自身でハローワークに申請することが必要になります。上記条件に、二つの事業所での合計を当てはめてクリアすれば対象となります。

▼保険料

労働保険料として労災保険と併せて徴収されますが、計算は別々に行われます。納付は、事業主が年度当初に概算で一括納付します。この概算保険料は、翌年度の当初に確定申告の上、その前年度の確定保険料と新年度の概算保険料を納付します。
全ての労働者に支払った賃金の額に雇用保険料率をかけます。

賃金総額(被保険者で無い者を除く)×保険料率
保険料率は事業内容によって変わります。(2022年10月1日~2023年5年3月31日)

  • 一般事業の場合
    労働者負担0.5%(概要の1の部分のみ)
    事業所負担0.5%+0.35%(概要の1と2の合算)

  • 農林水産・清酒製造の場合
    労働者負担0.6%(概要の1の部分のみ)
    事業所負担0.6%+0.35%(概要の1と2の合算)

  • 建設業の場合
    労働者負担0.6%(概要の1の部分のみ)
    事業所負担0.6%+0.45%(概要の1と2の合算)

▼猶予

一定の条件を満たすと、労働保険料の猶予が受けられる場合があります。以下3種類です。(新型コロナウィルス感染症による猶予を除く)

  • 災害による納付の猶予(災害猶予) 災害によって資産のおおむね20%以上に損失があった場合に最長1年間、災害猶予を受けられる場合があります。

  • 通常の納付の猶予(一般猶予) 災害でなくても所定の事由がある場合には、最長1年間、一般猶予を受けられる場合があります。

  • 換価の猶予 労働保険料を一度に納付することが難しい場合に、1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められる場合があります。換価は、売却して現金化することです。

▼保障

  • 求職者給付(基本手当) 再就職をしてもらうために支給されます。給付条件は、雇用保険の加入歴が離職前2年間に12カ月以上(離職理由が倒産・解雇等の場合は1年間で6カ月以上)であり、かつ失業状態であることなどがあります。 また失業とは、次の条件すべてを満たした状態です。 ・積極的に就職しようとする意思があること。(企業への応募や面接を受けている等)
    ・いつでも就職できる健康状態や環境などがあること。
    ・積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業についていないこと。

  • 教育訓練給付 原則として、受講開始日に同一の事業主に被保険者として雇用された期間が3年以上(初めての受給の場合は1年以上)ある場合です。教育訓練は指定された訓練を受講する必要があります。

  • 育児休業給付 原則1歳未満の子を養育するために育児休業を取得して、諸要件を満たした場合に給付されます。また保育園に入れないなどの条件に当たれば、2歳まで延長される場合があります。

  • 介護休業給付 所定の障害により常時介護を必要とする家族を介護するための休業を取得した場合に支給される場合があります。

  • 高年齢雇用継続給付 60歳以上65歳未満の一般被保険者の方で、被保険者期間が5年以上あることが必要です。60歳時点の時点の賃金と比較して、75%以下の賃金になっていれば対象になる可能性があります。

他にも出生育児給付(男性の育休取得時)や専門実践教育訓練給付など多くの給付金が用意されています。


■まとめ

  • 失業時は、とりあえずハローワークに登録し求職する。

  • なかなか見つからない場合は、手当てが支給されるかもしれませんし、なにがしかのスキルアップを図るのも一つの手かもしれません。

  • 雇用されている場合にも給付が受け取れるものもあるので、休業やスキルアップを狙うのなら対象になるか確認してみる。


■担当の一言

給付をもらうために何かするというよりは、したいまたは必要なことを行う時には制度を利用するのも一考に値すると思います。保険料は払っているわけですし。
私がハローワークを利用した10年以上前です。基本手当はすぐにはもらえないので、意味がない、と不満に思ったことを覚えています。昔はすぐ給付されていたと聞いてしまったのでなおさらでしょうね。もともとそんなものがあることを知らずに退職したので、もらえなくても関係ないはずなんですけどね。

それでは良い週末をお過ごしください。


■参考

▼厚生労働省

▼ハローワークインターネットサービス