自分の好きな作品を10作品あげて分析するやつやってみた

今色々と企画を練っているのですが、ちょっと行き詰まってきてしまいました。
その原因というのは自分の漫画の作り方にあり、今まで僕はこれが面白いんじゃないかというアイデアを出して、それを元に作品を広げるというやり方をしていました。
(例:おじさんが異常に好きな発明家のOLの話、日本大好きで日本を学びたい留学生が帰国子女に嘘の日本知識を教えられる話、リアルガチアイドルが無人島ロケをしようとしたら裏山にコンビニがあった話などなど)

このやり方ですと、スタートダッシュが決めれてもそこからの展開がどうにも広がりにくく、単発で終わりがちになってしまいました。
また、誰に向けて出されたアイデアなのか明確ではないので、それについてもちゃんと定めないと、強い企画にはなりにくいのかもしれません。

そこで、先般Twitterで流れてきた「自分が好きな作品を10作品あげて分析する」を手始めにやってみようと思いました。
以下につらつらと「ターゲット層」「面白かったポイント」を書いていこうと思います。挙げる10作品はとりあえず昨年〜今年見た・読んだ作品に限定します。
あと、上げる作品は順不同です。
若干ネタバレがあるかもしれないのでご注意ください。

1 トップガン・マーベリック
40代以上がターゲット(でも若者も楽しめると思う)
劇場で見に行きましたが、文句なしに面白かったです。何も考えずに次から次へと起こる面白イベントに全く退屈しませんでした。
頭を空にしながら見れる映画の決定版です。
劇場ならではの飛行機の迫力と臨場感、緊迫感、そして熱い人間ドラマ。
トムクルーズは相変わらずイケイケでかっこいい。
前作と完全に地続きになっていて、ところどころに現れる前作のオマージュが粋だなと思いました。

2 すずめの戸締り
20代以上がターゲット?
これも劇場で見ました。
全国を慌ただしく駆け回るファンタジーなロードムービーで、全く退屈せずに楽しめました。
話が完全に理解出来たとは言えないし、ツッコミどころもなくはないですが、とにかく映像の迫力と美しさで強引に話に引き込まれました。
登場人物が何者なのか、このシーンは一体何なのか、次々に提示される謎を色々と考察しながら見るのが面白く、終盤の伏線回収は大きな見どころでした。
個人的には芹澤が出てきてからの一連の流れが好きです。

3 THE FIRST SLUMDUNK
30代以上がターゲットだけど初めて見ても一応楽しめる
これも劇場に行きました。去年・今年は結構劇場に行きましたね。
漫画版で伝説となった「あの試合」を映画化した作品で、漫画版を何度も読み返した僕は「あの試合」をある種神格化していましたが、その期待に応える作品に仕上がってました(偉そう)。
正直公開前の炎上で不安になってました
バスケの試合の作り込みが凄まじく、点が入るごとに湧き上がる興奮はバスケの試合そのものでした。「あの試合」を生で見ているかの様な臨場感は圧巻です。
また劇場版だけのオリジナルストーリーも随所に見られ、それが登場人物の試合にかける思いとリンクして、感情移入してしまうんですよね。
ただ個人的にはオリジナルストーリーをもう少し削って、「あの試合」の再現をもっと深めてほしかったと思わなくもないですが、まあそれはあくまで個人的な感想なので、これはこれで良かったのだと思います。

4 サマータイムレンダ
10代後半〜40代前半あたり?ミステリー物が好きな人
故郷の島に里帰りした主人公が、島の人々を皆殺しにする敵に対して、何度も死んで生き返りを繰り返して立ち向かっていくタイムリープ物です。敵の正体は何なのか、登場人物の過去は何だったのかなど、ありとあらゆる謎が散りばめられ、徐々に物語の革新へと迫っていく描写がとても面白かったです。
ミステリー要素に加え、島の人々を殺して入れ替わる敵の恐ろしさや、派手なアクション要素、ジョジョの様に戦略を巡らせて敵に立ち向かう要素など、展開に応じてさまざまなエンタメ要素がふんだんに盛り込まれ、これだけ読んどけば大体の人は満足できるんじゃねって作品じゃないかと思います。
あと、女の子の絵柄が個人的にすごい好みです。

5 アオアシ
10代前半〜30代後半あたり?特にサッカー好きには刺さる?
「とにかく視野が広い」という長所だけで成り上がっていく主人公のサッカー漫画です。登場するライバルや仲間が皆癖の強い人間ばかりで、誰が画面に出てきてもワクワクするすごい漫画です。読み出すと止まりませんでした。
主人公も前述の「視野が広い」以外の特徴は平凡ですが、地道に努力をしていって、少しずつチームの中で頭角を表してきます。この地道な努力があるからこそ試合での活躍に説得力が出てきて、主人公を応援したくなるんですよね。
また、主人公の謎のコンバートや、試合中ゴール前にライバルの幻影が見えたりする、先輩の選手に言われた「攻守コンプリート」って何?など、謎の描写が所々に散りばめられているのですが、その伏線をいい感じのところで一気に回収して、主人公が覚醒するという描写は圧巻でした。

6 ぼっち・ざ・ろっく!
20代〜40代ぐらい?
ギターの腕前だけは異様に上手いけど極度の陰キャな主人公「ぼっちちゃん」が、バンドを組んで少しずつ成長していく話です。
去年見たアニメの中で一番心に刺さったかもしれないです。
とにかく主人公のぼっちちゃんが不器用だけど、勇気を出して少しずつ成長していく描写がすごく感動するんですよね。
このアニメは大きなイベントが起こる話ではなく、例えばライブハウスでバイトをしていたぼっちちゃんが、最初はお客さんの顔が全く見れなかったけど、勇気を出してお客さんの目を見て接客できる様になったなど、些細な成長が多いです。けれど、ぼっちちゃんからすると1000歩は先に進んだ気分になっているという描写がすごく丁寧に書かれていて、思わず感情移入してしまいます。
それから、キャラクターの顔芸の種類がめちゃくちゃ豊富かつ極端で、思わず笑わざるを得ないということで、ギャグアニメとしても非常に出来がいい作品でした。
ここまでギャグとシリアスが上手い具合に同居してるのすごくないですかね?どうでもいいですが、僕は昔ギャグとシリアスが混ざった作品を何度か描いたことがありますが、その度に「相性が悪いからどっちかにして」と言われた過去があります。

7 ダイの大冒険
10代までの子供、40代以上の親世代
昔やってた漫画をリバイバルした作品ですが、原作を忠実に再現しつつ、現代の最高のクオリティで完成された、大人も子供も楽しめる作品でした。
もう何というか、出てくるエピソードがいちいち心に刺さるですよね。昼休みにヒュンケルの親父のエピソード見て泣きそうになってしまった。
それから、敵の魔王軍が本気で主人公達を殺しにきている感じがいいんですよね。圧倒的に戦力があるから油断して手を抜くという描写が非常に少なく、その時注ぎ込める戦力を全部投入して主人公達を倒しにこようとします。
RPGをやってる時に「魔王が最初から勇者倒せばいいんじゃね?」と誰しも思ったことがあるかと思いますが、この作品は最初にそれをやります。
この緊張感が続くことでハラハラドキドキする作品になっていると思います。
またこの作品の登場人物は、敵も味方も物語を通して成長していくキャラクターが多く、最初は嫌な奴だったけど終盤では好感度が高いキャラクターになっているというケースが多々あります。

8 カー・マスターズ ~スクラップがお宝に変わるまで~
30代以降の男性
Netflixで放送しているテレビ番組です。実際にあるカーショップで、ボロボロの車を修理・レストアして高値で売り捌く商売をしている会社に密着しているドキュメンタリー風の番組です。
最初はボロボロでゴミにしか見えないスクラップ車が、職人によって新品以上の車に生まれ変わっていく様は必見です。
この話だけ聞くとボロい商売に聞こえてしまいますが、次々に起こるトラブルやクライアントの無茶振りなどなど、どうにも一筋縄ではいかないのが面白いです。
また、とにかく出てくるキャラたちの癖が皆強く、みんな俳優じゃねと疑ってしまうレベルです。けどみんないい人ばっかりなんだよな〜。

9 十三機兵防衛圏
20代後半〜30代?
面白いと評判のゲームだったので、試しにやってみたらめちゃくちゃ面白かったです。
年代も性別も違う13人の主人公の物語を自分が好きな順番で進めていくうちに、最初は意味不明だった物語が徐々に解明されていくという作りになっており、SF・ミステリーが好きな人にはたまらんゲームとなっています。
時間を又にかけて登場人物達が絡み合っていく展開は圧巻で、ある人物からの視点ではこうだったけど、この時登場していた人物の視点ではどうだったのかなど考えていると、やめ時がなくなってしまいます。
正月休みはこのゲームで潰れてしまいました。

10 デスストランディング
20代後半〜40代?
これやったの一昨年だったかな?まあいいや。
荒廃した世界で物資を届けながら、分断された都市を繋いでいくというめちゃくちゃ尖ったゲームです。
荷物をたくさん背負ったらふらついたり、急斜面であっさり転んで荷物を破損したり、敵に瞬殺されたりと、ゲームなのに妙にリアルな設定が最初はネックになります。
けれど進めていくうちに「この斜面はヤバそうだから梯子で降りよう」とか、「荷物を背負いすぎたからいらないものは捨てよう」とか、「この辺は敵が出てくるから迂回しよう」など、荷物を配達するだけのゲームなのに、色々と考えて進めていくのが楽しくなっていきます。
目的地に到着した時の安堵感と達成感はこのゲームならではだと思います。
ストーリーも荒廃した世界設定とうまく繋がっていて、ストーリーを進めるためにどんどん配達をしたくなり、そのうち配達そのものにハマっていたという状況が生まれます。
クリア後も国道の整理やジップライン(ロープウェーみたいなやつ)の建造などやることが多く、時間があっというまに溶けてしまうゲームです。

以上です。上記の分析から考えると、自分が好む作品のターゲット層は「20代後半〜40代前半」が多い気がしました。
また作品を分類すると、

ミステリー要素:
すずめの戸締り
サマータイムレンダ
アオアシ
十三機兵防衛圏

熱血・胸熱もの:
トップガン・マーベリック
THE FIRST SLUMDUNK
アオアシ
ぼっち・ざ・ろっく!
ダイの大冒険

最初は意味不明な世界設定:
すずめの戸締り
サマータイムレンダ
十三機兵防衛圏
デスストランディング

どんでん返し:
すずめの戸締り
サマータイムレンダ
十三機兵防衛圏
カー・マスターズ ~スクラップがお宝に変わるまで~

リアリティ・現実の厳しさ(楽しさ?):
THE FIRST SLUMDUNK
アオアシ
ぼっち・ざ・ろっく!
ダイの大冒険
カー・マスターズ ~スクラップがお宝に変わるまで~
デスストランディング

最初はダメな主人公が成長する:
アオアシ
ぼっち・ざ・ろっく!
ダイの大冒険
デスストランディング

最初から最後までハラハラさせられる:
トップガン・マーベリック
すずめの戸締り
THE FIRST SLUMDUNK
サマータイムレンダ
十三機兵防衛圏

キャラクターが勇気を出す・自分の壁を自力で乗り越える:
サマータイムレンダ
アオアシ
ぼっち・ざ・ろっく!
ダイの大冒険

世界設定が理不尽・ディストピア:
すずめの戸締り
サマータイムレンダ
ダイの大冒険
十三機兵防衛圏
デスストランディング

ソリが合わないキャラと徐々に仲良くなる:
トップガン・マーベリック
THE FIRST SLUMDUNK
アオアシ
カー・マスターズ ~スクラップがお宝に変わるまで~
十三機兵防衛圏

とりあえず今日はこれぐらいで。
アオアシが思ったより多く登場してきた。もう一回読み直してみようかな。

上記の分析からすると、「ミステリーなど続きが気になる要素がある」「主人公が成長する胸熱な作品が好き」「過酷な世界観、設定」「クセの強いキャラと仲良くなる」が好きなんですかね。
今までギャグ漫画描いてたのに、ギャグ要素があるのは「ぼっち・ざ・ろっく!」と「カー・マスターズ 」ぐらいですね。

元のツイートに「好きな分類の作品を色々と見てみると、自分の好きな傾向がわかる」と書かれていたので、それをやると他の要素が浮き出てくるかもしれません。

とりあえず、自分の分析につらつらと文章を書いてみました。
こんな長い文面を最後までお読みいただいた方、なんだかすみません。そしてありがとうございました。



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