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5億さっさと降ってこい #5 億万長者

何年か前からの口癖だ
「あーぁ、臨時収入5億降ってこないかなぁ」

昔付き合っていたヒトの口癖がうつったのちに改良を施されたものなのだが
そいつのいっていた言葉は
「あーぁ、500万落ちてねえかなぁ」


落ちてるもの拾って全部自分のものにしたら犯罪じゃん。
それに、500万なんてみみっちい。

狙うなら5億でしょ、5億。


億か万かでいったら億でしょ。億。


5億あったら何をする?って聞かれたら、どうする?


わたし、多分すぐに家を買う。
理想をがっつり詰め込んだちょっと可愛くて、でもシンプルな家を
かつて住んでとても愛していたその土地に、建てる

そして、自分の好きな空間で生きる。

今そんなシンプルで簡単なことができていないからというのもあるのだけれど
身近な日常の現実を限りなく理想に近づけることこそが
一番の贅沢で一番求めにくく時間のかかる自由かつ人生の目的である
そんな気がしてならないからだ
果たすべき=果たすことができたら幸福を呼ぶ
そんなことに思えてならないからだ


そして、子供たちも連れて、世界を旅する。
夏休みごとでもいい。
豪遊がしたいのではない。 

いろいろなものを、みたいし
いろいろなことを、体験したいのだ


体験は常に可能性を広げる
そして、金こそが体験を増やすことができる魔術具そのものなのだ


金の関わらない経験って、ろくなもんじゃないことが多い

雑多なゴミ屑をフィルタリングする機能も、お金様には備わっているのだから
だからなのか
お金の、資産の持っている空気はイメージの世界とあんまりにそぐわない


極めて、極めて優秀な
人類の発明した道具の最たるものである『お金』


だから
だからこそ


その「意味」のまえでの人間たちはあまりに無力


「札束風呂に入りたい」なんて
そんなことを思ってしまうほどに
ひとは、あまりに、無力になるのだ


そしてそのお金が物量攻撃で人に向かってきたとなれば


あーくっそ
五億円の臨時収入振ってこねぇかなぁー!!!


こんなちっさいこと言ってるからわたしは億万長者にはなれないし
もっとみみっちいこと言ってたあいつはたくさんの女を騙して金巻き上げて
それでも今日も、多分普通に、暮らしてる




+おまけ++++++++++++++++++++++++++++


わたしは「億万長者」ということばのもつ無邪気さがとても好きだ
子供の「うちのパパひゃくせんおくまんちょうえんもってるもん!」
シンプルに、そしてものすごく観念的に
「すごいいっぱいのおかねもち!」と言っているこの感じが大好きだ
シンプルに、極めてシンプルなのに、誰の心にも思い浮かぶ、イメージとして
この言葉はすでに一つの詩として成り立っているのではないかと思うほど


億千万♪億千万♪って歌ってた人もいるけど
億万って単位はないんだよって


しってしまったから
わかってしまっているから
もういえないせりふだからこそ、なおのこと


とんでもなく正確で美しい単語だと
そして、はちゃめちゃに愛らしい単語だなと、思っている、のです



\\\\   おくまんちょうじゃー   ////


かわいいよ!
めっちゃかわいいよ!!!

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