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まさかあの人が・・・

タイトル:(仮)まさかあの人が・・・

▼登場人物
●友尾信子(ともお のぶこ):女性。30歳。独身OL。趣味はSNS。
●伊木奈 梨子(いきな りこ):女性。30歳。信子の級友。
●乱暴なコメントを寄せる男:信子のブログに暴力的なコメントを寄せる。年齢不詳。男のイメージを想像させる感じでお願いします。
●吉田淳樹(よしだ じゅんき):男性。31歳。信子の会社の同僚。
●警察:男性。40代。一般的なイメージでOKです。

▼場所設定
●信子の自宅:都内のアパートのイメージ。
●街中:公園など一般的なイメージでOKです。

NAは友尾信子でよろしくお願いいたします。
(イントロ+メインシナリオ+解説=3261字)

イントロ〜

皆さんこんにちは。
皆さんは古い友達からいきなり連絡が来た、
という急な展開に驚いた事はありますか?

今回は、久しぶりに昔の友達から連絡が来て、
喜びながら会おうとしていた
或る女性にまつわる意味怖のお話です。

メインシナリオ〜

ト書き〈自宅でパソコンしている〉

私の名前は友尾信子(ともお のぶこ)。
今年30歳になる独身OLだ。

趣味はSNS。
ブログやTwitter、Facebookなどをやっている。

信子「ん?またパトカー走ってるなぁ…」

それとは別に、ここ界隈で最近、連続殺人が多発していた。
パトカーがひっきりなしに走ってる。
犯罪の手口から見て、犯人はどうも男のようだった。

でも犯人は捕まらず、警察は四苦八苦している。

そんな時。
私のブログに気になるコメントが寄せられた。

ト書き〈コメント〉

・「間違ってたらごめんなさい。この前アップされていた中学校時の集合写真を見て、もしかしたら…と思いコメントしました。もしかして、信子ちゃん?」

信子「え?中学校の頃の写真って…あ、もしかしてこの前アップしたやつ?」

中学校の同級生かと思い、私はそのコメントの続きを読んだ。

(コメント内容)
・「私のこと覚えてるかなぁ?伊木奈 梨子です♪」

信子「え?梨子ちゃん?!梨子ちゃんなのこれ??」

驚いた。
もちろん覚えている。

確かに中学校の頃。
学校帰りに公園に寄って片想いしてる人の事を話したり、
他愛ない世間話で盛り上がったり、
将来の事や夢について語り合ったりした仲だ。

梨子は中学校を卒業してから高校が別々になり、
その後は暫く疎遠になっていた。

信子「まさかあの梨子から連絡が来るなんて♪」

私も早速、返信した。

その後も会話が弾み、
「今度久しぶりに会おう」
となった。

ト書き〈再会〉

数日後。
私達はあの公園で再会した。

梨子「きゃ〜信子ぉ〜♪ほんと久しぶりねー!また会えるなんて嬉しい♪」

信子「梨子ぉ〜♪私だって超嬉しいよぉ♪」

再会を喜び合う私達。

梨子「この公園も懐かしいよねー」

信子「ほんとよねぇ〜。2人でよくここに寄って、いろんな話してたっけ」

梨子「あ、ところでさぁ、信子って今どこに住んでるの?」

信子「今?都内の安アパート♪」

梨子「そうなんだ。あ、もし今わかるんだったら、信子のマンションの住所、教えてくんない?メモしとくからさ。今度いつでも遊びに行けるよーに♪」

信子「メモ?」

梨子「最近あたし忘れっぽくてさぁ、大事な事はメモするようにしてんのよ」

信子「なるほどねぇ」

という事で、取り敢えず私の住所を教えておいた。
梨子はどうもこの後、仕事があったらしい。

ト書き〈数日後〉

それから数日後。

信子「まーた来てるなぁ…。もうやんなっちゃうわ!」

また乱暴なコメントが寄せられていた。
・『お前、俺のコメントに返信しろよ!』
・『ところでお前いま恋人いる?もし居なかったら俺と付き合わない?』
・『お前の体を解体してやりてぇ』
・『殺すぞ』

こんなひどいコメントが定期的に寄せられてくる。
最近だんだんエスカレートしていた。

ト書き〈相談〉

淳樹「こりゃひどいなぁ。前からこんなの来てるの?」

信子「そうなのよ。もう1年位になるかしら」

淳樹「ふぅむ。まぁ下手に相手しない方がいいね。ブロックすれば?」

信子「今まで何回もしてきたんだけどさぁ、多分アカウント変えてるんだと思う。ブロックした後でも同じようなコメントがどんどん送られてくるの」

彼の名前は吉田淳樹(よしだ じゅんき)(31歳)。
会社の同僚で、最近、仲良くなった。
私はついコメントの事を彼に相談した。

でも具体的な解決法は得られなかった。

ト書き〈嫌なコメントがどんどん寄せられる〉

信子「はぁ…また来てる…」

やはり状況は変わらなかった。

・お前を絶対に殺してやる
・お前の体の臓器が見たい
・解体してお前の首を俺の部屋に飾ってやる

信子「なによこれ…こんなのもう犯罪じゃないの…」

その時ふと又、外からパトカーのサイレンが聞こえた。

信子「もしかしてコレ、今追い駆けられてる犯人じゃないわよね…?」

私は猛烈に不安になり、すぐ警察に連絡した。

ト書き〈警察〉

警察「とにかくこれから暫くは、少しSNSを控えるようにしてみて下さい。それでもし身の周りで何か不審な事が起きたらすぐに連絡して下さい」

そう言って警察は帰っていった。

信子「身の周りで何か起きてからじゃ遅いのよね…」

不安は拭えない。

ト書き〈梨子と会う〉

梨子「信子ぉ〜♪来たわよーん」

そんな時、梨子が遊びに来てくれた。

信子「梨子ぉ〜」

そんなこんなで不安になっていたから、
私は梨子が来てくれて本当に嬉しかった。

梨子「え?ブログのコメント?」

信子「そうなのよ。ちょっと見てよこれ…」

梨子「うわっ、なにこれ…」

信子「ひどすぎるでしょ?こんなのがもう1年近く来てんの」

私はこの日。
例の犯罪じみたコメントを梨子に見せた。

信子「友達にも警察にも話したんだけどさぁ、ダメなのよ」

梨子「やっぱSNSって怖いね」

信子「でも私、これが趣味だからなかなかやめられんないし」

信子「こーゆー男ってホント、一体、何考えてるのかしら!」

梨子「ホントだね」

信子「でもまぁブログに自分のプライベート情報は一切載せてないから、この男がいきなり現れて襲われるって事は無いと思うけど。でも心配なのよね」

梨子「でも危ないかもよ。どっから自分の情報漏れてるか分かんないしさ」

梨子「それに、文面だけ見て『犯人が男』と決めつけるのも危ないわよきっと。もしかしたらコメント寄せてるこの男、女かも知れないじゃない…?」

信子「え?」

梨子「…ところでさ、信子ってやっぱ肌キレイだよね?この中にある臓器って一体どんなに綺麗なモノかしら?なぁ信子、オレと付き合わないか…?」(男と女の二重音声で)

梨子「他のユーザに愛想振りまくのやめてさぁ、俺だけを見ろよ。そうすりゃお前の首をずっと俺の部屋に飾ってやるぜ?オレお前が好きだったんだ」(男と女の二重音声で)

解説〜

今回はストーリーの中でネタバレしちゃってる感じですが、
意味怖のテーマはもう1つ、別の所にありました。

簡単に結論を言えば、異常者であり、犯罪者であり、
巷を騒がせていた連続殺人犯は梨子でした。

でも、その梨子の足取りを警察は全く追えません。
その理由は、犯人を男だと決めつけて捜査していた為。
女性は捜査対象から外されていたのです。

実は、梨子は多重人格者でした。
多重人格とは、複数の人格を1人の人間が持ち合わせ、
全く別人の記憶や精神状況等をはじめ、
経験・思考・主義・感情を別に持ち合わせている人の事を言います。

信子のブログに寄せられていた乱暴なコメント。
これも梨子が投稿していました。

全く別人の状態で投稿したコメントである為、
そのコメント内容から、
「まさか梨子が犯人…?」
等と気づける要素は1つも無かった訳です。

ストーリー途中で梨子は、
・最近あたし忘れっぽくてさ
・大事な事は何でもメモしとく
と信子に呟きます。

これも多重人格、いわゆる解離性同一性障害がなせる症状で、
人格が変われば変わる前の記憶を一切忘れている為、
それを忘れないようにする為のメモでした。

こうして梨子は、信子の現住所をインプットします。

そして更に梨子には、その性的指向に同姓愛も備わっていました。

この事から梨子は信子の事を偏愛してしまい、挙句は溺愛し、
「何が何でも信子を自分の物にしたい」
と言う強い意識に芽生えた訳です。

中学時代から暫くはこの異常な症状が出なかった梨子でしたが、
最近になって特にその症状は強まり、
思い出したかのように信子にアプローチして、
自分の本能的な欲求を晴らそうとしたようです。

自分の親友だった筈の人間が、
その後、どんな精神疾患に罹っているかは判りません。

精神疾患とは目に見えるものでなく、外傷すら伴わない為、
或る日、その友達の異常を目の当たりにした時に、
「実は異常者だった」
と後付けの形で知らされる事も普通にあります。

まさにこの驚愕と恐怖を、信子は味わう事になりました。

このあとの展開・結末は、皆さんのご想像にお任せいたします。
信子にとっては物理的な恐怖より、
精神的な恐怖の方が大きかったかも知れませんね…

動画はこちら(^^♪
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