指差しさん
タイトル:指差しさん
(バイト先)
「ねぇ知ってる?指差しさんっての。この店にさー、昔から出るって噂なんだよね」
「はぁ?なにそれ」
「ほら昔さ、ここで誰かバイトの子が亡くなったって」
「?あ…あー何か聞いた事あるねそれ。確か事故じゃなかった?」
「ううん、それって表向きでさ、本当はここで自分で…」
「え??自分でって、まさか」
「そのまさかみたいなのよ。それからその子の霊がここに棲み付いてるって噂でさ、時間とか構わずに出たりする事あるんだって。先輩から聞いた」
バイトの女の子が昔、ここで亡くなった。
理由はよくわからないけど、
なんでも店長とひどく揉めたみたい。
その証拠にか店長は別の人に変わっており、
前の店長は行方不明になっていた。
「…へぇ。私てっきり店長が店のお金を横領してさ、それで警察に追い回されて失踪したって聞かされたけど」
「わからないもんよね」
「でもそんなトラブルがあるお店ってここぐらいなもんじゃない?」
「ううん、私の友達が働いてるバイト先でも似たような事あったって。結構、全国的にあったりするんじゃないこういう店」
「でさ、その子の霊が出た時にね、指差して来るんだって」
「指差し?」
「うん。そこで指差された人はね、その場で魂奪われちゃって、浮遊霊になるってその先輩言ってた」
「……………ぷっはははw」
「なによう!人が真面目に喋ってるのに!」
「あっははwごめんごめんwでもだってさ、浮遊霊になるって、なった事もない人がなんでそんな事わかるのよwそんなのほんとに信じてるわけ?w」
「だって…」
「なに?それもその先輩から聞いたの?」
「…」
「あんた何でもかでも信じちゃうからダメなのよwそんなの居るわけないし、逆にその子に対して失礼よ、そんなこと言い回るっての」
「え?」
「だって、なんで死んでまで幽霊にされなきゃならないのよ?人から怖がられたりしてさ」
「ま、まぁそりゃそうだけど…」
そうしていた時、後輩の裕子がやってきた。
裕子「あ、お疲れ様でーす」
「あ、裕子ちゃん♪お疲れ様〜」
裕子「なんですか?なんか怖い話してませんでした?」
それから又さっきの話題で持ちきりに。
裕子「えー?こっわw」
「だぁからこの子の作り話なんだって、あ、先輩のかw」
「……」
そして時間が経って帰ろうとなった時。
「お疲れ様〜♪あ、裕子ちゃん一緒に帰ろ」
裕子「はい♪」
そしてバックヤードのドアを開けようとしたら、
「あれ?」
裕子「あ、そこのドア外から鍵閉まってますよ?」
「え、そうなの?」
裕子「ええ、泥棒防止とか何とかで」
「ふーん」
さっきこのドア開けて入って来たと思ったけどな。
そしてまた裕子ちゃんの方を見ると…
「えっ…何してるの、裕子ちゃん…」
裕子「え?何って?」
裕子ちゃんが私に向けて指を指していたのだ。
「ちょ、ちょっとやめてよw」
変な冗談!と私は怒りかけたが、
裕子「ちょっと先輩、どこ行くんですか??」
私は急に怖くなってドアから出ようとした。
裕子「だからそこ鍵かかってるんですって!こっちですよ」
別のドアを指差した裕子ちゃんは、
その指をゆっくりこちらへ向けてまた私を差してきた。
「ちょ、ちょっとだからそれやめてって…!」
してる所へ、
「お疲れ〜♪」
と私の先輩・ミドリさんがドアを開けて入ってきた。
「(…そのドアって閉まってるんじゃ…)え?」
次は無表情で、
ミドリさんが私に向けて指を差してきた。
「え…な、なに…なんなのよ…や、やめてよ…」
(現実では指なんか差してない2人)
ミドリ「ちょっと佳代子、どうしたのよ?」
裕子「なんかさっきから変なんですよ先輩」
「や、やめて…やめてぇ…!」
そしてさっき裕子が言ってくれた
別のドアから出た私の前に、2人揃って指を指す
ミドリ先輩と裕子が突っ立って居た。
なぜかものすごい恐怖に襲われ、
私はどうやらそこで失神したようだ。
そして目を覚ますと、
ミドリ「大丈夫?大丈夫??佳代子!」
裕子「先輩!」
2人がとても心配そうに私を見ていた。
とにかく帰ろうと思い、私は2人を連れて帰路へ。
さっきのは全部私の妄想と見間違いだと心に決めて。
(別の場所からそのバイト先へ
バイクでやって来た別の従業員たち)
ミノル「もうみんな帰ってんだろうなぁ〜」
タケル「もしまだ残ってたら誘ってカラオケ行きたいんだよな♪」
ミノル「おう♪…ん、あ、まだ3人とも居るみたいだぜw」
店の外から窓を通して見ると、
佳代子とミドリと裕子の3人が、
従業員用の制服を着てまだ残って居た。でも…
ミノル「……なんか変だなぁ、あいつら…」
3人とも、ほとんど無表情だったと言う。
動画はこちら(^^♪
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